SSブログ

インドの「南南協力」(遠隔医療編②) [インド]

先日、AIIMSのアフリカ遠隔医療支援の試みについてブログで紹介させていただいたが、なんと実施主体がAIIMSになっていない別のアフリカ遠隔医療の取組みについて記事が出ていた。10月8日付The Hindu紙第14面に掲載されていたこの記事のタイトルは「53の遠く離れたアフリカの病院と繋いだテレメディシンプロジェクト開始へ(Telemedicine project with links to 53 remote African hospitals launched)」で、チェンナイ発となっている。
記事全文は次のURLから。
http://www.hindu.com/2009/10/08/stories/2009100859481200.htm

1)このプロジェクトは「Pan-African e-Network Project for Telemedicine」と呼ばれるもので、10月7日(水)、チェンナイのシュリ・ラマチャンドラ大学(Sri Ramachandra University)で設立式典が行なわれた。SRUはアフリカの遠隔地の病院53ヵ所を繋いで行なわれるこのプロジェクトに参加しているインドの12の専門医科大学の1つとなる。遠隔医療として行なわれるのは、①診療・治療サービスの提供、②継続的医学教育の提供、③看護師やその他医療従事者に対する研修の実施である。

2)プロジェクトの発端は2004年に南ア・ヨハネスブルグで開催された汎アフリカ会議に出席したアブドゥル・カラム大統領(当時)が、アフリカ連合(AU)加盟53カ国を衛星回線と光ファイバーで繋いで、遠隔医療、遠隔教育、VOIP(Voice over Internet Protocol)サービス等を、E‐ガバナンスやE‐コマースのイニシアチブとともに提供すると提案したことである。既にアフリカ44ヵ国が参加している。TCI(Telecommunications Consultants India)がインフラ整備と運営・維持管理を担うことになっている。

3)このプロジェクトを通じて行なわれる主な投入内容は以下の通りである。
-向こう5年間にわたり、10,000人の学生に教育を提供する。
-79,000時間のオンライン診療を提供する。
-向こう3年間にわたり、1カ国につき1日5人までの患者にオフラインでアドバイスを提供する。
-医師と看護師に継続的教育機会を提供する。

4)SRUの遠隔医療は、2001年にISRO(インド宇宙開発研究機構)と提携したことで本格的に開始され、既に国内165ヵ所との接続を確立している。この中には、35の主要病院も含まれる。勿論、海外の医療施設との定期的な交流もこのチャンネルを通じて行なわれている。昨年は、携帯電話を用いた遠隔医療プログラムが設立され、農村部との接続も確立された。

どうやらAIIMSとSRUの話は同じものであるようだ。発端も同じカラム前大統領らしいし。ただ、遠隔医療のネットワークとしてはこちらの方がインド国内のハブとなっているようである。AIIMSの方はどちらかというとこのSRUのネットワークに繋がっている12の医科大学の1つという位置付けに過ぎないような気がする。

それにしても、これだけ大掛かりな枠組み、どのように調整して行くのだろうか。79,000時間のオンライン診療を12のインド国内機関の間でどのように配分するのかというのも、アフリカの44ヵ国の間での接続時間の配分方法とか、サービス提供側(インド)にも受益側(アフリカ)にもアクターが非常に多いため、どうやったら機能するのかわかりにくいと感じる。

誰か調べてみて下さい。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0