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『サウスポー・キラー』 [読書日記]

サウスポー・キラー (宝島社文庫)

サウスポー・キラー (宝島社文庫)

  • 作者: 水原 秀策
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2007/01
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
人気球団オリオールズの投手・沢村。ある日、沢村の「暴力団との癒着」と「八百長試合」を指摘した告発文書が球団とマスコミに送りつけられ、身に覚えがないにもかかわらず、沢村は自宅謹慎処分を受けてしまう。自身の潔白を証明するため、告発文書の調査を開始する沢村。やがて彼がたどり着いたのは周到に計画された恐ろしい陰謀だった!第3回『このミス』大賞を受賞した正統派ハードボイルド。

昨日(26日)、ニューデリー日本人学校で日本人会の夏祭りがあった。カルナタカ農村調査から帰還した僕は、24日夜のホスペット~バンガロール間の夜行列車の中であまり眠れず(途中でインド人乗客に叩き起こされた不運も…)、その睡眠不足を引きずってこの日を迎えた。朝から頭痛がひどかったが、お約束の夏祭りだったので取りあえず出かけた。この夏祭りは在留邦人が持ち込んだ本のリサイクルの場でもある。よく見ると僕が提供したと思しき本も何冊かある。一昨年に見つけて買った重松清の文庫本、読み終えて昨年提供したのに、今年もまた登場していた。それはともかくとして、僕も文庫本ばかりだが何冊か購入させていただいた。計80ルピー、そんなものだろうか。

そこで購入した1冊がこれ。単行本が出た時に図書館で見かけたので、借りようかどうしようか躊躇している間に読むチャンスを逃した。『このミステリーがすごい!大賞』受賞作品だというのは知らなかった。

設定がなんとなく在京の「自分とこさえ良ければそれでいい」球団っぽい。オリオールズというチーム名も大リーグ・オリオールズのユニフォームが在京球団のそれと似ているし、「昔・名選手、今・迷監督」と言われていた方も昔はここの監督をされていた。まあ、そんな設定だからといってアンチ某球団の僕の読書スピードを妨げることはなかった。久々に読書ペースを取り戻し、一気に読み切ってしまった。

アマゾンの書評を読むと辛口のコメントも多いようであるが、まあいいんじゃないでしょうか。小説は息抜きなんだから、一気に読めなくちゃいけない。また、なんとなく全部決着がつきましたといった終わり方よりも、少しだけ今後に含みを持たせておく方がいいと思うし。沢村投手が「暴力団との癒着」や「八百長試合」の疑惑を自ら払拭し、ついでに選手生命を賭けた登板を白星で飾るというところまではそれでいいとして、ちょっと出てきたヒロインまでかっさらってハッピーエンドというのではちょっと面白くない。だから、これでいいのではないかと思う。

思えば、このタイプのハードボイルド小説ってあまり読んだことがないので、過去に読んだ作品と比較して何か述べるのも正直難しい。27歳のプロ野球選手を主人公にして主語を「私」の1人称にしているところは、チャンドラーやロバート・パーカーの小説のようなオヤジが主人公のハードボイルドなら許されるだろうけど、なんとなく違和感があった。40代半ばのオヤジが読者だから多少のやっかみは入っているが、できれば若々しく「俺」にしてくれても良かったかなという気はする。

とにかく、息抜きには良かったです。但し、今週末は自宅に仕事を多少持ち帰ってきており、「現実逃避」とも言えなくはないんですけど…。
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