SSブログ

デリーでの新聞購読 [インド・トリビア]

引越しを機に気分転換でも図ろうと、兼ねてから考えていたのが購読している新聞の切り替えだった。

サンチャイ・ブログの読者の方であれば御存知かと思うが、僕はHindustan Times紙のヘビィ・ユーザーであり、取り上げる新聞記事のソースも同紙であることが圧倒的に多い。ただ、同紙には不満もあった。第1に芸能欄が充実し過ぎていること。芸能版「HT CITY」の最終面はボリウッドではなくハリウッドのゴシップ欄で、やたらとビキニ姿のハリウッド・セレブの写真が載っている。(往々にして記事の内容とは全然関係ない。)同じ傾向はHindustan Times紙と購読者数上位を争うTimes of India紙についてもいえる。芸能欄は主に妻が読んでいたので今となってはあまり必要ない。せいぜい、どこの映画館でどの映画が上映されているのかがわかれば十分だ。

だから、気持ちを切り替えるために9月から購読新聞をThe Hindu紙に替えてみた。あくまで比較論であるが、The Hindu紙はHindustan TimesやTimes of Indiaに比べて社会開発や貧困削減を直接的に取り上げる記事が多く、コラムニストにもP.サイナート氏のように1年の殆どを農村での調査で過ごしているという尊敬すべき方もいらっしゃる。また、定期的に、昨年のノーベル経済学賞受賞者であるポール・クルーグマン教授の寄稿が載る。だから、割と硬派の記事構成であるように思う。

いつも配達してくれている業者を呼び、新聞切り替えを伝えたところ、営業の兄ちゃんが一瞬顔を曇らせたのが少し気になった。今にして思えば、その時に「どうしたの?」と尋ねれば良かった気がする。

9月1日、The Hindu紙が初めて届く。2日目、出勤する時に警備員に尋ねると、まだ来ていないという。帰宅して居間のテーブルの上に置いてあった。ここまでは未だ許せる。3日目、届かなかった。4日目も届かなかった。そして週末も全く届かなかった。週明けの7日(月)も届いていない。結局、9月最初の1週間で、The Hindu紙がかろうじて配達されたのは2日しかなかったということになる。

この話を職場の同僚にしたところ、僕と同じ理由でThe Hinduを購読しようとしたところ、結局その配達業者が同紙の必要配達部数の確保ができず、1ヵ月の半分程度しか配達できなかったことがあるという。その方の場合、配達業者が気を利かせ、Hindustan Timesの購読も勧めてThe Hinduと合わせて1.5ヵ月分の購読料で2紙の購読をできるようにアレンジしてくれたのだという。

一度朝の散歩をしていて新聞の配達業者の配達出発前の風景を見たことがあるが、配達業者自体はかなり競争性が高く、メジャーな全国紙ならともかく、多少発行部数が落ちる新聞は必要部数を確保するのが難しいという現状があるらしい。とりわけ、声が小さい零細事業主に対する分け前は少なそうだ。だから、総元締め的なところで1部確保でもしないと、末端の配達を担う人々に頼んでも、The Hinduのようなハードコアな新聞は簡単には入手ができないのだろう。先にご紹介した職場の同僚も、The Hinduの配達が来なかった日は、職場近くのスタンドで新聞を買っているのだという。

そんなわけで、僕の新聞購読も1週間で軌道修正を余儀なくされ、The HinduとHindustan Timesの2紙の購読に切り替えることにした。但し、The Hinduについては1ヵ月分の購読料をまるまる払うのは馬鹿馬鹿しいので、今月の配達日数を記録しておき、それに見合った購読料しか払わないことにしたいと思っている。

IMGP3695.JPG
《2紙がまともに配達された日はラッキー?》

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0