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格闘技に対する軽~い認識 [インド・トリビア]

空手の習熟度、バイクで「腕」をひいて調べる インド公立校
7月29日配信 CNN.co.jp
 インド南部タミルナド州の公立小学校で空手の習熟度を調べるため、地面に寝かせた生徒の腕の上をオートバイが走っていたことが分かった。保護者も同意の下でけが人はいなかったが、当局は学校に対し、危険な行為だとして再発を防ぐよう指導した。
 地元紙などが28日に報道した写真によると、6─13歳の子供たちがうつぶせに寝そべり、広げた腕の上をオートバイが通っていた。周囲には、教師や保護者と見られる大人たち笑って立っていた。
 学校側はCNNに対し、保護者の同意の下で実施したイベントで、空手のクラスで生徒がどれだけ強くなかったかを示すために開いたと話している。

さすがに何でもありのインド。しかも、格闘技に対する認識の軽さを如実に示すエピソードだ。

この話題を取り上げたのはCNN-IBNというテレビ局である。このヴィループラム小学校で行なわれたイベントの主賓としてタミルナドゥ州高等教育相の奥さんが出席していた。この奥さんがアトラクションの内容に驚き、途中で止めさせたというので事件が発覚した。

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小学校の体育教師は、本当に空手に習熟した生徒だけを選んでやらせているので、中止させられなくても問題は起きなかった筈だと言い張った。州教育局が同校に問い合わせたところでも、校長は、このプログラムについてはPTAの了解を事前に取っていたと主張しているらしい。実際に事前に了解を与えた親までこのテレビ討論に参加している。実際に実演させられていた生徒も、「以前から何度かやっているので別に怖いとは思わなかった」と答えている。

逆にCRYのような人権擁護団体(テレビ討論にはCRYのクリシュナムルティ代表が出席)は、これが明らかな子供の人権侵害であると主張する。出演していた国会議員も、学校教師も親も生徒もそれが問題だと思わないというのは、そもそも教育の中で人権問題がきちんと意識付け(sensitize)されていないからだと述べていた。

まあ、僕から言わせるとこの学校教師の空手に対する認識の程度には疑問を抱かざるを得ない。空手に限ったことではないが、この国で格闘技の指導をしている人の中には、ちょっとかじった程度であっても他の人よりは進んでいるからという程度で「マスター」を名乗っていると人が結構いる。僕達の日常生活で最も身近なのは、休日の公園で行なわれている子供向けテコンドー教室だが、教えているコーチの指導の仕方は結構いい加減で、キックだパンチだととにかく見栄えのよい技をやらせて、だけども細かい指導を生徒一人一人に与えるようなことは殆どやっていない。そこまで見る目がコーチにないのではないかという気がする。

これが生徒を一列に並べて左右の正拳突きでもやらせるくらいならまだしも、腕をバイクで轢かせるような行為に何の意味があるのか理解できない。レンガ割りでもやらせる方がまだオーソドックスだと思うが、小学生程度でレンガ割りをやらせることにも疑問符は付く。これが剣道や居合道なんかだったらもっと怖い。真剣を使って日本剣道形や居合の演技をやらせて、刀の使い方を誤って大けがするなんて事態が起きないとも限らない。剣道にしても居合道にしても、こちらで指導しているインド人の指導者自身がさほど技に習熟しているとも思えないへっぴり腰だったりする。その程度の認識で、「これくらいの演技なら子供には十分できる」と思いこんでしまっているところがものすごく怖い。
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