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失業者を介護ヘルパーに [少子高齢化]

失業者のヘルパー資格受講料、新年度から全額補助…東京都
1月7日 読売新聞
 派遣労働者らの解雇が広がっている事態を受け、東京都は7日、職を失った都民を対象に、ホームヘルパー2級取得の受講料を全額補助することを決めた。
 この制度で資格を取得した人を正規採用した企業や介護施設にも、採用1人につき60万円の助成金を支給し、雇用増を目指す。2009年度から実施する。
 ホームヘルパー2級の取得には、講座や介護現場の実習などが義務付けられており、受講料は1人あたり約10万円かかる。企業などへの助成金は、6か月の雇用が確認された後に支払われる。都は約1000人の養成を目指しているが、人手不足が深刻な介護分野の人材を確保する狙いもある。
介護の新規雇用に1人100万円 品川区、100人予定
1月7日付 asahi.com
 東京都品川区は7日、区内の介護サービス事業者が新たに区民を雇用する場合、1人につき100万円を助成する制度を新設する、と発表した。09年度までに計100人を予定している。未経験者でも採用されやすくなるようにヘルパー資格の取得費用も事業者に補助する。
 浜野健区長は「介護現場は人材不足に悩んでおり、雇用創出と介護サービス向上の一石二鳥につなげたい」と話している。ハローワークなどを通して、仕事を探している人にもPRするという。
 区によると、助成の対象は半年以上の雇用で、正社員でなくてもよい。取得を支援する資格は、身体介護ができるホームヘルパー2級で、受講者1人につき10万円。
 区は計1億1千万円を計上する予定で、今年度分として50人分(5500万円)を盛り込んだ補正予算案を19日の臨時区議会に諮る。
年末年始に日比谷公園にできた「派遣村」の報道を日本で見ていなかった人間としてはちょっと自信がない意見を敢えて述べさせていただこうと思う。

派遣社員の首切り等が深刻さを増す中、年明けから地方自治体が独自の施策を打ち出し始めている。僕も偶然ながら年末に『介護白書』を読む機会があり、介護サービス従事者が不足しているという現状を知ったところである。これまで堅調な経済成長の中で介護サービスの事業環境の改善への取組みが十分なされてこなかったことから、人が集まらないという。裏を返せば、景気がこれだけ冷え込んで雇用創出がままならない今こそ、介護サービス事業が今一度見直されてもいい時期かもしれないなと思う。

ただ、失業したから翌日から介護サービス事業で働くというわけにはいかない。何時間かの研修をしっかり受講し、それなりの資格免許を取得しなければならず、それが新規参入者にとっては大きなハードルとなっている。だから、こうした研修受講費用を公的助成するというのは、自治体レベルで老人介護を考えていく場合には悪くない施策だと思う。

但し、この報道が掲載されたヤフーなどに寄せられた読者のコメントの中には、「こんな状況に陥る前から真面目に介護を捉えて自分で費用を払って勉強をしてきている人にとっては不公平だ」という指摘もある。これもまったくその通りだと思う。地道に取り組んできていた人を置き去りにして、取り合えず今困っている人の食いぶちとして介護サービス事業での雇用機会を提供するというのはいかがなものか。むしろ、これまで置き去りにされてきた介護報酬引き上げというこの業界の大きな課題に今一度取り組む良い機会ではないかと思う。新規参入する従事者だけでなく、これまで低賃金と劣悪な職場環境の中で地道に働いてきた先輩従事者の努力にも報いる制度設計が必要ではないかと思う。そうでないと、介護サービス事業を急場しのぎぐらいでしか考えずに参入してくる人も多いだろう。重要なのは、いったん参入してきた人が長くその事業にとどまれるような制度設計にするということなのである。

不謹慎な言い方かもしれないが、未曾有の経済危機も見方を変えれば地域社会の中で人と人が助け合うということを今一度考え直す大きなチャンスでもあると思う。これまで自分のことを考えて生きてきたような人が、介護を通じて地域のお年寄りや体の不自由な方と向き合って意識変革が起きてくることを期待もしている。「今までホームレスをやっていたような人に介護されるのはちょっと…」という声も聞くが、そこはお互いに学習するプロセスでもあると割り切ることも必要だと思う。ホームレスの人が生まれた時からホームレスだったわけではない。
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