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Ghajini(ガジニ) [インド]

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大晦日から3日まで、ネット接続できない環境の場所にいたもので、今日(4日)はためていた記事を幾つか載せようと試みている。とはいえ、3日にプリーからブバネシュワルに車で移動してブバネシュワルから飛行機に乗ったのは21時。この日の夜のデリー空港周辺は視界500m以下という濃霧で、着陸態勢待ちで上空が混雑していたため、予定よりも90分遅れて午前零時過ぎの着陸となった。荷物が出てくるのが遅かったこともあるが、自宅に辿り着いた時には午前1時30分にもなっていた。荷ほどきをしていて寝たのは3時だった。今朝は7時に目覚ましで起きたが、朝は「冬の喝采」と「ベンガル湾の朝日」をアップするのが精一杯だった。

実は「山こもり」から1日早めに帰ってきたのはわけがある。職場復帰する「心の準備」の時間が欲しかったということもあるのだが、実は家族が一時帰国中のこの冬休みの間にやり残していたことが1つあった。公開されているシャー・ルク・カーン主演の『Rab Ne Bana Di Jodi』かアーミル・カーン主演の『Ghajini』かどちらかを映画館で観たいと思っていたのである。前者の方が公開が2週間ほど早かったので、そちらを先に12月30日に観て、12月25日公開の後者は今日観ようという計画だったのだが、12月29日にボパールからデリーに戻ってくるフライトも濃霧の影響で6時間半も遅れ、この日のうちにやっておきたかったことができなくなり、30日はその埋め合わせに使わざるを得なかった。このため映画は諦め、今日1日に絞っていたのである。その間に『Rab Ne Bana Di Jodi』を上映している映画館の数は減り、この日の選択肢としては『Ghajini』しかなくなっていた。

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アーミル・カーンは最近年に1本しか映画に出演していない。去年も年末に『Taare Zameen Par』を大ヒットさせ、今年もプロデューサーとしては2006年の『Rang De Basanti』を彷彿させるような若者の群像劇『Jaane Tu Jaane Na』をヒットさせた後、主演作としては満を持しての年末登場だ。しかも、『Ghajini』は衛星テレビTATA Skyとタイアップしてやたらと映画の事前宣伝をしていたし、間もなくこれを題材にしたゲームソフトも発売されるらしい。しかもアーミル・カーン(確か43歳)のシェイプアップされた肉体美[exclamation×2]去年の『Om Shanti Om』でシャー・ルク・カーンが魅せたボディを巷では「シックス・パック(Six Pack)」というらしいが、アーミル・カーンの方はそのさらに上を行く「エイト・パック(Eight Pack)」、即ち、8分割された見事な腹筋を惜しむことなく披露している。すぐ脱ぎたがるのはサルマン・カーンだが、昔のサルマンを知る者にとって、今の彼のお腹は必ずしも割れた腹筋ではない。いかにも中年のオッサンのお腹なのだが、シャー・ルクにしてもアーミルにしても、40代でこの腹筋は並大抵のトレーニングでは実現できないものだ。今までのアーミルのイメージを完全に打ち破り、肉体そのものが武器という復讐鬼を演じるというので、マスコミの話題を独占していた。

但し、この映画、2005年にタミル映画で上映された同タイトルの映画のリメイクである。ストーリー自体は多くの人が知っている話だったらしい。しかも、このタミル語バージョンの『Ghajini』にヒロイン役で出演していたアシン(Asin)が、ヒンディー語バージョンでもヒロイン役で出演している。去年の『Taare Zameen Par』でも思ったが、アーミル・カーンは共演者を光らせるのがとても上手い。踊りの巧拙はあまり目立たないように配慮されているのでわからないが、演技力はかなりある女優さんだと思う。出演作品はもっと増えるでしょう。

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あらすじについて簡単に紹介すると、恋人カルパナを「ガジニ」と呼ばれる悪党とその手下に殺されたサンジェイによる復讐劇である。カルパナが惨殺されるのを目撃し、自身もガジニによって脳を損傷する傷を負わされたサンジェイは、記憶障害に陥り、記憶が15分しか維持できず、「ガジニ」がどのような顔をしていたのかすら思い出せない。その記憶を途絶えさせないため、ポラロイドカメラで記録をとどめ、体中に入れ墨を彫ってわかっている事実を体に刻んでいるのである。
上映時間3時間強というのはちょっと長いし、前半部分ではカルパナがガジニ・グループになぜ惨殺されなければならなかったのか、その糸口すら示されていない。その分後半の展開が速いということなのだが、だからといって前半が間延びしていたという印象は全くない。むしろサンジェイの復讐劇だけを扱っていたら殺伐とするこの話を、カルパナのコミカルな姿とその裏にある社会的正義を貫く強い意志を上手く織り交ぜ、普通なら駆け出し女優と恋に落ちることも考えられないような大会社社長のサンジェイがカルパナに魅かれていくプロセスを上手く描いている。後半の展開に怖さが漂うだけに、前半はとても静かで清涼感漂うシーンが展開されていたように思う。但し、この青年実業家サンジェイのファッション、ちょっと解せない。

最後は当然復讐を果たして終わるのであるが、悪党に対する復讐だとはいえ、これだけ人を殺しまくって最後はガジニへの復讐も果たしたのに、警察のお咎めがないのはちょっとご都合主義過ぎないだろうかという不満を少し感じた。記憶障害の人が犯した罪というのはどのように裁かれるのか、観ていてちょっと気になった。

それにしてもアーミル・カーンの「エイト・パック」は一見の価値ありだった。今日はテレビでもアーミル主演の1997年作品『ISHQ』が放映されていたが、当時と比べてもアーミルのシェイプアップ振りは驚きでしかない。45歳のオッサンもこの年末年始で76kgの壁を破って75kg台にようやく突入したが、アーミルの腹筋を見ているとまだまだ僕も努力が足りないと苦笑いせざるを得ない。
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