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インドと世界の貧困削減 [インド]

先週末にLok Sabha TVに何となくチャンネルを合わせたら、UNDPの現地代表であるマクシーン・オルソンさんが記者会見していた。何だろうと思って暫く見ていると「ミレニアム開発目標(MDGs)」の達成状況年次評価レポートの今年度版発表会での概要説明だった。

元々この記者会見は録画だったようで、実際には9月11日に行われたものらしい。翌日の新聞紙上ではこの内容について報じられていた。その中の1つ、The Indian Express紙の「インドの貧困は27%減少(Poverty in India down by 27 per cent)」をベースに、報告書の内容を紹介してみたい。

1)国連によれば、国際社会が2015年までに達成すると公約したMDGsについて、インドは基準年である1990年と比べて貧困率を27%減少させた。これは、健康や初等教育といった社会指標の改善に助けられたもので、インドはMDGsの達成に向け順調に進んでいると評価されている。

2)しかし、中等教育に関しては大きな改善は全く見られなかった。 また、妊産婦死亡率、乳幼児死亡率ともに依然として高く、HIV/AIDSの蔓延を抑制することや、安全な飲料水の確保と下水施設の整備はあまり進んでいない。ターゲットをしっかり絞り込み、サービス提供のメカニズムを改善しないとMDGsの目標達成は難しいとみられている。

3)この年次報告書によれば、世界の極貧人口の削減は人口比率の上では大きな進展が見られたとするが、世銀が発表している貧困予測によれば、途上国の貧困者人口の絶対数は以前から考えられていた14億人よりも多いという。しかし、この予測はまた1990年から2005年にかけて、極貧状態での生活を強いられている人々の数は4億人以上減っていることや、1990年時の世界の貧困人口比率はMDGsのターゲットである2015年までに50%削減することは達成可能であることも裏付けている。

4)貧困削減の殆どが東アジア、特に中国において起きていて、他の地域の貧困率は微減か、或いは貧困人口がわずかに減少するという程度の改善でしかない。サブサハラアフリカや旧ソ連圏では1990年から2005年にかけて貧困人口は実際には増加している。

5)MDGsの目標のうち、評価報告書で改善が指摘されているのは初等教育就学率で、90%の改善が見られたことによって、2地域を除く全世界において「2015年までに就学率100%達成」という目標は射程圏内に入ってきたと指摘されている。初等教育では、全世界10地域のうち6地域において男女格差が5%以内というところまで縮小してきている。この点ではインドの歩みは未だ十分ではない。

6)はしかによる死者数は2000年から2006年にかけて1/3の削減がなされた。 途上国の子供達の間での予防接種率は80%にも達した。1990年以降、15億人以上の人々が 新たに安全な飲料水へのアクセスを得た。しかし、新鮮な水源への圧力が高まってきたことにより、水不足に直面する地域に30億人もの人々が住んでいるという事態に陥っている。
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