SSブログ

デリー警察の巡回サービス [インド]

デリーの高齢者の狼狽
Delhi Senior Citizens A Perturbed Lot


ニューデリー発、NDTV、2月18日
お年寄りの困窮はムンバイでもデリーでも同じことだが、中には、自分達の置かれた困難な状況に対して自ら立ち上がって改善に取り組む人もでてきている。ここ2年間の間に自宅が強盗に襲われて命を落とした高齢者は25人おり、加えて命を取り留めたのが28人いる。デリーの高齢の住民は自らの安全を守るために何ができるであろうか。

K. N. Bhutani(84歳)は、市内Gitanjali Enclaveの住民だった。妻とともに静かな生活を送っていた。28年間、3寝室ある自宅は彼の城であった。息子2人が家を出た後、彼は家事を手伝ってくれる住み込みの使用人を雇った。8年前のある日の深夜、彼の自宅は強盗に襲われた。4人の武装した若者のグループであった。彼と妻は、自宅にあった現金と宝石を全て差し出したので怪我させられることはなかった。以来、負債は毎日身の安全を案じている。
K.N. Bhutaniはこう言う。「外の門は今は施錠されています。門はより大きなものにして、塀も高くしました。脱出用にもう1つ裏口も作りましたが、そこは普段は施錠しています。門を開けるときには大きな音がするようにしました。もし誰かが家に入ってきたいと思ったら、門を飛び越えなければなりません。」

Bhutani夫妻を安心させているのはデリー市警察の週1回の巡回訪問である。高齢の市民は近くの警察署で登録しておけば昨年から開始されたこのサービスを受けることができる。警察は、各家屋を訪問し、家の安全対策を確認して必要な措置についてアドバイスをする他、使用人の身元確認も行なっている。巡回警官の1人であるAnil Sharmaは、Bhutani夫妻を定期的に訪問している。夫妻の健康状態をチェックするとともに、緊急事態の時には誰に連絡すればいいのかも教えている。市民の1人であるSaroj Bhutaniによれば、「警察が私達のことを気にかけていてくれるというのは安心感があります。でも、それがどれだけ犯罪防止に役立っているのかは私にはわかりません。警察が近くにいない時に何か起きることだってありますし。 使用人は警察がここを時々訪れているのを知っているので、まずいことが起きると自分にも容疑が向けられるというのもわかっています。それも抑止力にはなるかもしれません。」現在、デリー市内では5,000人の高齢市民がこのサービスに登録している。

過去を振り返ってみると、高齢者を狙った犯罪はかなりの件数にのぼることがわかる。警察の記録によれば、2年前には、デリー市内だけでも16人の高齢市民が殺害されている。しかもこれは警察に届出がなされたケースの件数だけであり、届出されていない件数については掴めていない。

警察側ではデリー市当局に対して、この新しい訪問サービスをもっと利用するように迫っている。希望者は近くの警察署で登録できるし、オンライン登録(http://www.delhipolice.nic.in)や電話応対サービス(helpline 1291)を通じて登録することも可能である。Anil Shukla はこう述べる、「警察側でこの新サービス導入に踏み切ったのは、より多くの警察官を関わらせることで、お年寄りの市民が直面している課題をもっとよく理解させるためです。ここ数年で、市民との間で相互の信頼形成をある程度進めることができましたが、これは単に犯罪防止だけではなく、市民の間で一種の安心感を醸成したいということが意図としてあります。」高齢市民向け安心ダイヤルが効果を発揮するためには、まずは市民の側でその権利について理解し、警察署で登録を行なうことが必要である。

このサービスについては、実は我が家の大家さんからも聞かされたことがある。週1回警察官が大家さん宅を訪れること、さらに僕達のように間借りしている住民の身元登録、そして雇われている使用人の身元登録などを行なうために僕達も書類を書かされたのをよく覚えている。インドには交番のような制度はないけれど、こうして訪問して顧客(住民)のニーズに頻繁に触れることはサービス改善の第一歩だと思うし、重要な取組みだと思う。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0