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日本語スピーチ全国大会 [インド]

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以前チェンナイで開催された日本語スピーチコンテストについてはブログでご紹介したことがあるが、今日(8日)はその全国大会「第20回全インド日本語スピーチコンテスト」が、デリーのWWFオーディトリアムで開催された。チェンナイで知り合った参加者の方で、シニアの部で3位入賞して全国大会行きを勝ち取った方がいらっしゃったこともあるし、それ以外にも全国各地で日本語教師をしておられる日本人のボランティアを何人か知っていてその方たちの生徒さんが何人か出場されていたこともあって、結果発表までは臨席できないけどできるだけスピーチは聞こうと思って出かけてみることにした。

このコンテストは、これまでに全国4ヵ所で地区予選が開催されており、各地区予選の3位までの入賞者、計12人が全国大会出場となる。日本語学習時間数で「ジュニア」と「シニア」の2部に分かれ、合計23人(理論的には24人ですが)が出場してきていた。

内容的にはさすがに全国大会だけのことはあり、どの出場者のスピーチも、流暢な話し言葉であまり途絶えることなくなされていたように思う。中にはコルカタから出場された69歳という方もいらっしゃった。銀行を定年で退職され、長年の念願だった日本語学習を始めて2年だという。日本で行われている生涯学習すら真っ青なぐらいである。よくぞこの短期間でスピーチの全国大会に出場できるくらいまで上達したものだと感心する。ましてや普段は体の自由がきかない地域のお年寄りのサポートをされていると聞くと、自分も年老いたらかくありなんと思わざるを得ない。

チェンナイの時はその後のフライトの関係で最初の5人分の発表しか聞かなかったが、今回は全員のスピーチを聞くことができた。はっきり言って、採点の際のチェックポイントをどう定めたら優劣が付けられるのか悩んでしまうほど皆のスピーチは良かったが、強いてあげれば、①身振り手振り、②抑揚、③テンポ(長文の後に短文を続けるとかいったメリハリ)、④間(全ての文の間でなくても、段落毎にひと呼吸入れるような配慮)、⑤ユーモア、⑥観客とのコミュニケーション等かなという気がした。テーマ的にはどれも意欲的だったが、上記①~⑥がどれもできている人はそれほど多くはなく、それができた場合のスピーチは非常に印象に残った。

こうしてインド人による日本語スピーチを聞いていると、インド人が日本をどのように見ているのか、インド人がインドをどのように見ているのかが垣間見えてなかなか面白いと思った。現代のインドが抱える様々な問題―――都市の交通渋滞、地球温暖化とその影響として頻発していると言われる洪水、巨大サイクロン、テロリズム、中産階級の台頭と華美な消費生活、ジェンダー不平等と、それらに対するインドの若者の意見が非常によく現れていたと思う。そうしたインドとの対比で彼らが日本のどういったところを見ているのか―――謙譲の美徳、働きすぎで起きる過労死、未婚者の増加等に言及されていたのが興味深い。そして、中には僕達もよく知らなかったようなインドの伝統文化の継承について述べていた出場者もいた。こういうスピーチコンテストを見学すると、インドについても少しだけよく理解できるようになった気もした。

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