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マドリッド行動計画5周年 [少子高齢化]

増え続ける高齢者に対して政府は義務を果たせ
――国連にて高齢者がアピール
Fulfil Obligations To Ageing Populations,
Older People To Tell Governments At UN This Week

ロンドン発、2008年2月8日
 途上国の高齢者は、国連社会開発委員会(UN-CSD)が今週ニューヨークで開催されるのを機に、加盟国政府に対し、増え続ける高齢者に対する義務をしっかり果たすよう求める。CSDの第46期総会は2月6日から15日までの日程で開催され、そこでは2002年に採択された「高齢化に関するマドリッド国際行動計画(2002 Madrid International Plan of Action on Ageing)」の実施進捗状況についてレビューが行なわれることになっている。マドリッド行動計画は、高齢者の権利と開発プロセスへの参加を強調しており、高齢者の貧困状況が、2015年までに極貧人口を半減するという「ミレニアム開発目標(MDGs)」に沿う形で削減されるよう求めている。CSDは、マドリッド行動計画の5年目のレビューに当たってボトムアップの参加型アプローチを採用することについて支持しているが、高齢者との関連で政府が何らかの施策を打ち出したという実績は極めて少ない。
 ヘルプエイジ・インターナショナル(HelpAge International)とそのパートナー団体が2007年に実施した「年齢は行動を求める(Age Demands Action)」キャンペーンはその中でも例外的に実施された世界的なキャンペーンであり、高齢者が明確な要望事項を持ち、その声を政策形成プロセスに反映させたいと望んでいるということを世界に示して見せた。26カ国の高齢者から成る小規模の代表団は、2007年10月1日の国際高齢者デー(International Day of Older Persons)の前後に各国政府代表と会い、高齢者が直面する課題を提示するとともに政府にマドリッド行動計画における政府公約を実現させるよう迫った。その結果、年金給付額の増額、ヘルスケアの改善、基礎的ニーズに基づくサービスへのアクセス改善等の公約を勝ち取った。
 CSDの第46期総会において、ヘルプエイジ・インターナショナル「陰から日なたへ(Out of the shadows)」と題したサイド・イベントを主催し、高齢者の課題について明らかにすることを目指している。キャンペーンに参加したペルー、スロベニア、ウガンダ、ベトナムの高齢者が、その一環として開催した各国政府との協議の結果について共有する予定である。2月11日に国連本部で開催されるサイド・イベントでは、マドリッド行動計画の実施を高齢者の懸念を反映させ、今後のレビューをボトムアップで行なうのをいかに保証するかについて議論がなされる。
 CSD第46期総会の中心テーマは「全ての人々にとっての完全雇用とまっとうな仕事の促進(Promoting full employment and decent work for all)」である。社会保護(social protection)は国際労働機関(ILO)が提唱する「まっとうな仕事(Decent Work)」アジェンダの4つの柱の1つとして位置付けられている。社会年金(social pension)を含めた社会保護の方策の必要性については多くの国々で徐々に認められてきており、慢性的貧困と取り組んでMDGsの達成を目指すには必要不可欠と見られている。
 第46期総会は、男女を問わず高齢者にとっては非常に重要な会議になるとヘルプエイジ・インターナショナルの政策提言担当マネージャーのSylvia Bealesは語る。加盟国は高齢化に関して行動を起こす意思(political will)を新たにすることが求められる。所得保障や医療サービス提供の保障、無差別の保障の法制化等が具体的に求められると見られる。(後略)
出所:Help The Aged


高齢化に関する国際的な枠組み文書としては2002年のマドリッド行動計画がある、その採択後5周年を期に行なわれたレビュー・プロセスは、2007年2月の第45期総会を皮切りにボトムアップ・アプローチで各国レベルの対話が行なわれ、その結果を第46期総会に持ち寄ることになっている。このブログでもいずれ近いうちにレビューの結果についてお届けできるのではないかと思う。

それにしても、こういうプロセスの話になると、日本ではどうだったのだろうかと疑問に思うことがある。どのようなテーマの国際会議であってもそうだが、日本からの代表団は陰が薄いことが多い。 どんな方が日本から参加していたのか、どのように選ばれたのか、日本国内ではどのような政策対話のプロセスが取られたのか、そんな疑問が涌いてきた。勿論、マドリッド行動計画に照らした時、日本の取組みはどのように評価されているのかについても…。

高齢化に関する日本の経験は他の先進国では類を見ないため、これから人口高齢化が進むアジアの途上国にとって示唆に富むものであると言われている。しかし肝心なのはそうした日本の経験を体系化・概念化して国際社会に向けた発信していく取組みである。


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