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デリーでの中古車購入 [インド]

 
着任してからずっと懸案だった乗用車を購入した。ずっと運転手つきのレンタカーを借りていたのだが、1ヶ月9万円もかかるため、どこかで買わなきゃと思っていた。

1)最初は車種をどうするかを考え、シボレーのタヴェーラ(Tavera)とトヨタのイノーヴァ(Innova)に絞ってディーラーの店舗に見学に出かけた。11月のディワリ祭りのシーズンであればすこし値引きしてくれるのではないかと考えたりもした。実際にディーラーの店舗でセールス・スタッフの説明を聴いて現物も見てみたが、結論としてイノーヴァの方が僕達のニーズには合っているということがわかった。新車の販売価格は税・諸経費込みで100~110万ルピー(300~330万円)、性能や装備から考えると日本で新車を買うよりも50~60万円割高な気がする。

2)11月中に新車購入の決断がつかなかったのは、イノーヴァの場合は南部バンガロールで製造されているため、注文から納車まで1ヶ月近くかかると聞かされたからだ。家族が12月中旬から一時帰国するため、買うのは年が明けてからでもいいということになった。

3)年末年始を日本で過ごしている間に、家族の間で「早く本帰国になりたい」という願望が強まり、具体的に今の住まいの賃借契約が切れる2009年7月頃という時期まで話題に上るようになった。仕事で来ている僕はともかく、家族はもう残すところ1年半しかない。イノーヴァを新車で買っても元が取れないうちに帰国するのではもったいないということになり、中古のイノーヴァを探してみることになった。

4)探しに出かけたのは市内北西部のロヒニ(Rohini)という地区。借り上げていたレンタカーの運転手の従兄弟が中古車ディーラーをやっているということで、そこに出かけた。ロヒニはこうした中古車ディーラーが集まって一種の情報集積がなされている町で、デリー南部にオフィスを構える中古車ディーラーもたいていこの地区で仕入れて中間マージンを取って高く売るのだという。(デリー南部の中古車ディーラーで車を買うのは割高であるということらしい。)

5)インドでは全額現金一括払いで車を買う人は少なく、たいていは銀行の割賦ファイナンスを利用する。だから、新聞を読むと、乗用車の差込広告はたいてい銀行のオート・ファイナンスと抱き合わせだ。車は日本人の僕から見ても高い買物だから、それを割賦で返済していこうとしても、滞る奴が必ず出てくる。そうした場合は銀行は車を差し押さえる。そうした車が中古車市場には相当出回っているのだそうだ。

6)ロヒニのディーラーのお店では、イノーヴァ希望と伝えるとさっそく何本か電話をかけ始めた。興味深いのは、どこのディーラーも通りに事務所は置いているが、実際には車を日本の「中古車センター」のような形で在庫として保管するようなことはやっていない。差し押さえられているとはいえ、銀行も在庫として滞留させては何らキャッシュフローを生まないから、それを市中で貸し出して運用したりしている。だから、ディーラーが先ずやったのは、そうした貸し出されているイノーヴァをかき集める作業だった。

7)1時間ほどで4台のイノーヴァが通りに集結した。全て2005年か2006年のモデルで、2006年モデルに至っては、マイレージも14000kmにしか達していないものもあった。4台中3台には試乗もしてみて、結局走行距離が最も少ない写真の車両に決めた。外装を見ると、ホイールとタイヤは標準仕様よりも少し幅広になっていて、その分泥除けも装着されている。両サイドには搭乗を容易にするサイド・ステップが付けられ、リアにはバンパーガードが据え付けられている。これだけのアクセサリーを付けると110万ルピーはする。それを少し値切って78万ルピー(234万円)、プラス仲介手数料1万4千ルピーで購入することで交渉成立した。約100万円の節約だった。

8)もう1つ興味深かったのは、どんなアクセサリーを装着していても、走行距離にどれだけ差があっても、表示価格は製造年度で固定だということだ。同じ2006年モデルでも、片や35000kmも乗られている車と、片や14000kmで外装にアクセサリーがいろいろ付いている車で、表示価格がどちらも80万ルピーだというのは驚きでもある。

9)支払方法はいろいろと考えられるが、手付金を半額分小切手で払い、残金を2日後に現金で払うという方法を取った。残金を支払った時点で車は我が家の車庫に納入された。所有権移転に伴う様々な書類手続きはディーラーが代行してくれている。間もなく手続きが終了する見込みだ。

そんなわけで、イノーヴァは我が家の駐車場に収まった。1週間以上運転手の募集をやり、昨日ようやく運転手の採用も決まった。火曜日からいよいよ運行開始である。

こういう話をすると、「自分で買われたんですか?」という驚きの声が上がったりもするらしい。勤めている会社が会社名義で購入して提供してくれているような恵まれた方も多くいらっしゃるということだろうが、もしご自分の名義で買わなければならない、だけども少し費用を節約したいとお考えの方に、これらの情報をご提供できたらと思う。


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