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世界エイズデーにちなんで [インド・トリビア]

12月1日は世界エイズデーであった。それにちなんで、インドにおけるエイズの現状について、幾つかの数字をご紹介したい。いずれも出所はHindustan Times紙12月1日付の紙面からである。

UNAIDSの発表によれば、世界全体でのエイズ罹患者数は3320万人、前年から250万人の増である。そして、前年からのエイズによる死亡者数は210万人である。

さて、インドはどうかというと、次のようなデータがある。
 250万人  エイズ・ウィルス感染者数
 0.36%   成人人口にエイズ感染者が占める割合
 60.7:39.3 エイズ感染者の男女比(男性が多い)
 88.7%   エイズ感染者のうち15~49歳の年齢層が占める割合
 8.71%   注射による薬剤投与患者のうちエイズ感染者の割合
 5.69%   同性愛者の男性のエイズ罹患率
 5.38%   売春婦のエイズ罹患率


ちなみにこの250万人という数字、2006年の520万人から半減しており話題となっている。理由はインド政府のデータ収集能力が改善してより正確な数値が把握できるようになったからなのだとか。サーベイランス実施箇所の拡充(1122増)と第3次全国家庭健康調査(National Family Health Survey III)が貢献しているようだが、それにしても半減などという結果では、新しい数値の信憑性もちょっと首を傾げる。

それはともかく、このインドの位置づけであるが、南アジア全体で見ると、感染者数400万人(34万人増、死亡者数27万人)だから62.5%をインドが占めていることがわかる。世界的に見るとアフリカの感染者数2250万人というのが群を抜いて大きく、エイズ問題がアフリカ問題と同義で捉えられても不思議は無い。しかし、南アジアの400万人はそれに次ぐ大きさであり、依然注意が必要である。

インドでは第三次全国エイズ抑制計画(National AIDS Control Programme-III)というプログラムが2007年度から2012年度までの5ヵ年間の予定で実施されている。総予算は1158億5000万ルピー(約4000億円)という巨大プロジェクトである。その主な目標は以下の通りとなっている。
 -無料治療を受けられる罹患者数 8万人⇒30万人(子供4万人を含む)
 -AIDS治療所(treatment centre)の増設 130箇所⇒250箇所
 -エイズ検査受検者数の増 400万人⇒4200万人
 -輸血による感染率の改善 1.92%⇒5%
 -コンドーム使用件数の増 21億件⇒35億件
 -エイズ感染リスクの高い人口グループに対する働きかけの捕捉率の改善 80%


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コメント 2

大変参考になりました。
ありがとうございます。
by (2007-12-02 12:03) 

ま

そうなんですよね。インドのエイズって、問題だと聞こえてきます。インドに遊びに行きましたが、街中の啓発看板とか、ほとんど目に留まらなかったです。
by ま (2007-12-16 15:26) 

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