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MISHOPフォーラム開催 [地域愛]

2月17日(土)、三鷹駅前コミュニティセンターで、(財)三鷹国際交流協会(MISHOP)主催のイベント「MISHOPフォーラム」が開催された。フォーラム開催は2004年11月以来である。今回のテーマは「アフリカを知る―私達にできることは何だろう」というもので、これまで国際理解講座で3回にわたって取り上げてきたアフリカシリーズのフィナーレとしての企画である。

第1部は基調講演として朝日新聞社編集委員の松本仁一さんに「混迷のアフリカとどう向き合うか―アフリカ・子ども兵・カラシニコフ」というテーマで約1時間のお話をいただいた。実はこのフォーラムも含めてMISHOPのアフリカシリーズの企画立案を僕はやってきたのだが、「国際理解講座」については客の入りが必ずしも良くなく、フォーラムをやるのなら相当な集客努力が必要だと考えた。そこで考えたのは、一体誰を招聘すればそのネームバリューで観客動員が最大化できるかということだった。僕は、松本さんの著書『カラシニコフ』を呼んだことがあり、講演会の集客力についても仄聞していた。かつ現在朝日新聞の夕刊でも「歌舞伎町のアフリカ人」という連載をされており、子ども兵というアフリカの暗部を取り上げるとしてもネームバリューとしては松本さんしかないだろうと考え、企画委員会でも推した。

カラシニコフ

カラシニコフ

  • 作者: 松本 仁一
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2004/07/16
  • メディア: 単行本
 
カラシニコフII

カラシニコフII

  • 作者: 松本 仁一
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2006/05/03
  • メディア: 単行本

第2部についてはパネルディスカッションにすることにした。テーマは「私達にできることは何だろう」である。これは、基調講演でこけた場合の保険という意味もある。パネリストが5人いるとすれば、1人こけても他の4人でカバーもできる。また、アフリカとの関わり方にも幾つかの切り口があると考えたからでもある。パネリストの1人は引き続きジャーナリストとしての松本さんにお願いすることになったが、後の4人についてはいろいろと考えて以下の構成になった。

  • 市内大沢地区にフランチャイズ店もあるコロッケのコロちゃんの総務部長である内野義徳さん。当初は2005年のNewsweek日本語版でも紹介されていた小竹守社長にお願いしたが、小竹社長が所用で急遽出席できなくなり、内野さんがピンチヒッターで登壇いただけることになった。コロちゃんを選んだのは三鷹に関係があるからというのもあるが、Newsweekでも紹介されたようにケニアに1店舗と2台の移動販売車を設け、現地での雇用確保と栄養補給手段の安価な提供という2面から地域の発展に企業として貢献されているからでもある。
  • 吉祥寺に事務所のあるカラ=西アフリカ農村自立協力会代表の村上一枝さん。村上さんの団体は西アフリカのマリ共和国での農村開発への協力を15年近くにわたって展開されている。日本の中小のNGOはどこも活動資金の調達で苦労をされている。僕の理想は地域の団体はその地域の人々で支援していくというもので、全国的に知名度が高くてそれなりの資金動員力があるNGOよりも、活動規模は小さくても地域内に拠点がある団体の方が、自分が寄付したお金がどのように使われるのかが見えてよいと考えた。村上さんの活動は東京書籍が制作している中学英語の教科書でも紹介されている。活動はしっかりしている。
  • 稲川素子事務所所属のタレントであるマンスール・ジャーニュさん。村上さんのご紹介でお願いすることにした。アフリカのことを語るのにアフリカ出身の方の参加は必須。マンスールさんはセネガル出身で、映画『県庁の星』やNHK『えいごりあん』に出演されている。しかも市内在住である。実際お話いただいて驚いたのはアフリカ全域の歴史・文化に対する知識の豊富さであった。松本さんの論調がアフリカに対してかなり厳しいものだったのに真っ向から反論し、そうしたアフリカにしてしまったのは先進国であり、その認識からスタートしないと正しいアフリカ理解には繋がらないと見事な主張をされた。
  • もう1人のパネリストはJICA(独立行政法人国際協力機構)の山本愛一郎さん。マラウイの一村一品運動の普及への協力に関わっておられる方で、現地調査に伴う豊富な写真と、一村一品として日本市場に紹介されたばかりのバオバブの木のジャムの実物をご紹介いただいた。

休憩時間には、コロちゃん三鷹大沢店から仕入れたコロッケと市内でフェアトレードのお店を運営されているるま・ばぐーすさんから仕入れたアフリカ・コーヒーで一息ついていただけるようなサービスも付けた。

                                                    ▲我が家の2人も「コロちゃんコロッケ」のファン

こうした仕掛けにより、当初予想されていたよりもはるかに多い約120人の参加を得ることができた。アフリカという難しいテーマでこれだけの観客動員ができたのだから僕はそれなりに企画としては成功を収めたものと思う。提示された情報量も豊富で、議論もかなり活発に行なわれたので、参加者の方々からも「非常に勉強になった」「考えさせられた」といった肯定的な評価もいただくことができた。実を言うとこの日は平日の疲れがどっと出て朝から頭痛がひどくて、フォーラム開催中も嘔吐感がなかなか抜けなかった。最後までよくもったと思う。

以前にも本ブログで書いたことがあるが、仕事が私生活を侵食し始めている今の状態の中で、これ以上MISHOPのお手伝いをすることは難しいと考え、フォーラムを最後にMISHOP国際理解委員会からは引退することにしている。寂しい気持ちはあるものの、今の仕事の状態では地域での活動に時間を割くことはできないと思う。(退路を断ったわけで、これでも仕事がやれてないとなったら、ホントにもうどうにもならない。)そうした決意を持って臨んだフォーラムが無事に成功し、体調不良の中でも達成感には包まれた嬉しい土曜日であった。


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コメント 3

NO NAME

忙しい中でもよく地元のボランティアもやっていると感心しています。
成功してよかったですね。
by NO NAME (2007-02-20 09:59) 

ieneko

企画成功おめでとうございます。コロちゃんコロッケおいしそうですね。私も参加できたらよかったのですが・・・遠隔地のため・・・残念です。無理はなさらず、今後のご活躍を期待いたします。
by ieneko (2007-02-20 23:37) 

Sanchai

☆NO NAMEさん(多分ハンディクラフトさん?)
コメントありがとうございました。地域のボランティアもやってられなくなるような社会貢献マインドに乏しい会社は、これから優秀な人材を採れなくなると思います。因みに、コロちゃんは岐阜県恵那市に本社があります。社是は(正確ではないですが)「社会のためになる企業でなければ企業ではない」として、社員は毎朝必ず唱和されているそうです。ケニア店ででもです。こういう話を聞くと、我が社は一体何?って思わずにはいられません。

☆ienekoさん、
コメントありがとうございました。何を隠そう私、当日の体調不良のせいでコロッケが食べられませんでした。その分子供達が食べてくれましたが。食べられるようになったらまたコロちゃん三鷹大沢店に伺おうと思います。こうして払う1個50円が、コロちゃんのアフリカ出店計画の実現に繋がっていけばと思っています。
by Sanchai (2007-02-21 19:33) 

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