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自己啓発本はほどほどに [読書日記]

ロビン・シャーマ著『3週間続ければ一生が変わる』                                                                                海竜社、2006年2月


内容(「MARC」データベースより)
新しい習慣は、新しい靴に似ています。最初の2、3日は、あまり履き心地がよくありません。でも、3週間くらいたつと慣れてくるでしょう…。北米・カナダで100万部のベストセラーとなった、人生の質を高める意識革命。

こういう本を北米で100万人もの人が読むというのが驚きである。自己啓発の本はいろいろあるが、 どれも書いてあることがよく似ていて、何で売れるのか理解がしにくい。(ちなみに、この本はプロテスタント的倫理観を刺激する内容だと評価する書評もあるようだが、著者シャーマ(Sharma)氏というのはインド系のアメリカ人であり、どちらかというとサンスクリット哲学の影響を受けているような気がする。)

この本にしても、僕は邦題を見て借りて読んでみようと思ったのだが、実は原題は"Who Will Cry When You Die?(あなたが死ぬ時、誰が泣いてくれますか?)"というタイトルであり、ちょっと邦題と中身が違うような気がした。

「3週間」というのが1つの目安であることは、多くの方が指摘するところである。ダイエットにしてもそうだし、卑近なところではマインドマップでもフォトリーディングでも同じようなことが言われている。しかし、問題は3週間続けることなのだ。どうしたら続けられるか、それが知りたいのである。でも、本書には、この本には3週間続けることが重要だとは書かれているが、どのようにしたらいいのかは書かれていない。また、本書には101のトピックが収録されているが、邦題と関連する「3週間」というのは、実は101のうちの1つでしかない。

ただ、全く役に立たない本かというとそうでもないような気がする。101のトピックの1つに「時間を価値あるものに集中して使う」というのがあるが、ここで書かれていることは、最近の僕の生活における信条を裏付けるものでもあった。

「時間はもっとも貴重なものですが、ほとんどの人は世界中の時間を所有しているかのような生活を送っています。生活をコントロールする秘訣は、1日1日のなかで集中する感覚を取りもどすことです。ものごとを成しとげる秘訣は、なにに手をつけずにすますかを知ることです。人生の使命をはたしてなにかを遺せるような、強い影響力がある活動と優先事項だけに日々の時間を使うようにすれば、すべてが変わるでしょう。(中略)経営学の権威であるピーター・ドラッカーは、この英知について別の表現をしています。「まったくするべきではないことを能率的にする、これほどむだなことはない」」(pp.66-67)

「あなたの生活でものごとの優先順位がはっきりしていない場合、時間がかかるあらゆる要求に対して、つい「イエス」と答えてしまいがちです。胸おどるような将来のビジョンがなく、もっと計画的な行動がとれるようにしてくれる最終結果の明確なイメージもない日々を送っていれば、あなたの行動はいともたやすくまわりの人たちの予定に左右されてしまうでしょう。(中略)「システム手帳のなかにあなたの優先順位が書き込めないのであれば、かならず他人の優先順位が割りこんでくるでしょう」それを解決するには、人生における高い目標をはっきりと自覚して、いさぎよく「ノー」ということを学ぶしかありません。」(p.239)

などと書いて少しは評価する姿勢も示したものの、実は自己啓発本ばかり読み漁るのもどうかと反省もしてしまった。こういう人は自己啓発セミナーの講師としては引く手数多なのだろうと思うが、どうもこういうお話で儲けている人というのは胡散臭い気もする。


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