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国際会議サバイバル [仕事が好き]

今、早稲田大学井深大記念ホールで、「グローバルE-Governance国際会議」というのが、6/26~6/29の日程で開催されている。2日目のセッションは、電子政府とICTクラスター開発といったようなサブタイトルがついており、4つのセッションと茂木敏充衆議院議員による基調講演、ラップアップといった内容で開催された。

この2日目のセッションをコーディネートしたのが僕の米国駐在時代の上司にあたる方で、今は英国にある国際機関に移られているが、3月に我が社の本社を訪問された際、この4つあるセッションの1つ、「ICTのための官民パートナーシップ(Public-Private Partnership for ICT)」に、我が社からディスカッサント(コメンテーター)を出してもらえないかとの依頼があった。社内では私を含めて候補者が4人ほどいたが、この日に都合がつかないという社員が多く、結局元上司からの依頼だということから、僕が手を挙げることにした。

ただ、実はこのテーマ、会社の今の仕事とはあまり関係がないというのが正直なところである。「電子政府」だの「ICTクラスター」だの、今の僕達が仕事で取り扱うことが殆どないテーマだ。「電子政府」については、行政の効率化や公共事業の民間開放という点でのメリットは何となく期待はできるが、僕達が顧客として見ている途上国の地方自治体とへの適用可能性を考えると違和感があるし、ましてや自分が住んでいる自治体でも、電子化によって行政サービスが格段に良くなったという実感が正直言ってない。遠いテーマだと思う。

「ICTクラスター」についても、ICT産業の域内集積を促進できるキラーコンテンツが「電子政府」ではないかという可能性もあるので今回のような繋げた議論になっているのだと思ったけれど、僕がイメージしているような産業集積というのは、例えば先日テレ朝の番組でも取り上げられていた徳島県上勝町の「株式会社いろどり」の季節のつまもの出荷事業や、地元・三鷹のTMOである「株式会社まちづくり三鷹」のSOHOインキュベーションなどを通じて起業が促進され、ICT産業ではなくても、農業でもE-コマースでもいいが、企業家が育って集積してくることを指している。上の挙げた例はいずれも官民共同出資の第三セクター企業であるので、いわばこれも一種のPPPと言えなくもない。ただ、いずれにしても付け焼刃の知識で、本格的に調べたわけではない。

しかも英語である。国際会議のような場でステージに上がって英語を話すのはこれが初めてであり、しかもディスカッサントだから、その前に予定されている発表者が何を話すかに応じて、自分の話すポイントを決めていかなければならない。殆ど専門外に近い領域のテーマだったため、そんなアドリブは難しいと思ったので、予め私の前の4人の発表者が何を話すのかをテーマから推測し、それに基づいて自分の話のポイントを先に決めておき、かつそれを何枚かのスライドにまとめておくという準備をすることにした。

日曜日に参考資料に目を通して構想を頭に描き、昨日は他の仕事をそっちのけでスライド作りに専念した。専門外だからなかなか作業が捗らず、結局昨夜もオフィスを出たのはいい時間になっていた。

そして今朝は、朝9時半からの第1セッションに出て、会場とセッションの進め方を確認した。そこで結局わかったのは、①前の発表者が持ち時間をオーバーして押せ押せになり、ディスカッサントにスライドを使うような十分な時間は与えられないこと、そして、②そもそも仮説に基づいて準備していたスライドの内容が、午前の2つのセッションを聞く限りでは既に言及されてしまったり、セッションのアジェンダとうまくフィットしないこと、などがだんだんわかってきた。そのため、さんざん悩んだ挙句、その前の発表者の発表内容を聞いた上で、アドリブで10分間しゃべるという覚悟を決めた。

そう覚悟を決めたため、4人の発表は結構真剣に聞いた。うち2人の発表資料は事前に入手できていたが、残る2人については事前情報がなく、本当にあぶないアドリブだった。それでも人間なんとかなるもので、集中したからだと思うが話のストーリーラインが頭に浮かんできて、なんとかそれに沿ってコメントはすることができた。

コメント内容がどう評価されるかは、今後くだんの僕の元上司がまた我が社に同様の要請をしてくるかどうかによって追々わかってくると思う。自分自身としては実力は出し切ったと思うので、今はとても清清しい気分である。残る発表は金曜日の新入社員向け研修の講義である。今度は日本語だし、既に昨年一度やっているテーマなので、準備はずっと楽だろう。

今こうして自分の出番を終えてみて思うのは、自分の会社での業務とは別に、「電子政府」についてはもう少ししっかり勉強しておこうかということである。


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