読むだけ無駄? [読書日記]
中島義道著『私の嫌いな10の人びと』 新潮社、2006年1月
内容(「MARC」データベースより)
笑顔の絶えない人、みんなの喜ぶ顔が見たい人、「わが人生に悔いはない」と思っている人…。「いい人」の鈍感さが、我慢できない! 大部分の現代日本人が好きな人をターゲットにして取り上げる。
途中首肯できるところも何ヶ所かはあるのだけれど、はっきり言おう、なぜ新潮社やこのような著者を食わせているのだろうか。読後感どころか、読んでいる間もずっと不愉快な気持ちにさせられる。ここで挙げられている「私の嫌いな人」というのは、世の中の殆ど全ての人が何らかの形で該当する。著者のメガネにかなった「私の好きな人」というのが世の中にいるのだろうか?
- 笑顔の絶えない人
- 常に感謝の気持ちを忘れない人
- みんなの喜ぶ顔が見たい人
- いつも前向きに生きている人
- 自分の仕事に「誇り」をもっている人
- 「けじめ」を大切にする人
- 喧嘩が起こるとすぐ止めようとする人
- 物事をはっきり言わない人
- 「おれ、バカだから」と言う人
- 「わが人生に悔いはない」と思っている人
その中で、項目としては「物事をはっきり言わない人」のところには賛同できる点も幾つかは含まれている。長ったらしい会議、回転寿司で席を詰めずに長蛇の列を作っている客を平気で待たせる奴など。ついでに言えば、最近気になっているのは、通勤電車の優先席付近に立っている乗客だけでなく、優先席に平然と座っている乗客の中に、携帯メールを平気で使っている人がやたらと目立つことである。この点では、勇気を出してはっきり言う努力を僕もせねばならないと思う。
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