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国際理解講座レポート―南部アフリカのエイズ禍 [地域愛]

世界のHIV感染の70%以上が居住していて、最も深刻な状況にあるのがサブサハラアフリカ。この地域には、15歳から49歳までの成人のHIV有病率が1999年末時点で10%を超える国が15カ国以上ある。この地域は、異性間性行為による感染を主とした一般的流行が中心である。社会的・経済的に成功している男性がHIVに感染しつつ複数の若い女性の性パートナーを持つので、男性よりも女性の方が多く感染。さらに、女性の高い感染率のために、母子感染した乳幼児のエイズ死や母子感染しなくても親がエイズで死亡した「エイズ孤児」が急増している。

                                このグラフは、2020年のボツワナの人口ピラミッドの予測である。色の濃い方はエイズの影響を全く受けなかった場合を示しており、多産多死の典型的な途上国型の人口ピラミッドである。ところが、内側の灰色の部分は、エイズの影響を強く受けて感染者の多くが死亡した場合の人口ピラミッドを示している。しかし、もはや「ピラミッド」というよりも「つぼ」か「煙突」である。

ボツワナにおける高いHIV感染率は、①大規模な若年層の膨張、②極端に小さい高齢者の比率をもたらす。この結果、①成人の早死が多い、②子供の死亡率が高い、③再生産年齢の女性の病気や死亡の影響により、出生が低下、といった事態に陥る。

エイズは死亡数に大きな影響を与えるが、途上国の人口増加に歯止めをかけるからよいというような単純化された議論に組してはいけない。確かに、HIVの流行が最も深刻な幾つかの国では人口増加率が減少することが予測されていて、例えばボツワナでは1990~95年の人口増加率は2.9%だったが、2000~05年には1.2%に減少すると考えられている。しかし、将来推計によれば、ボツワナではHIV/AIDSのために今後20年間にエイズによる死亡がとりわけ30代と40代で極めて多く発生する結果、「人口ピラミッド」は極めていびつな形になり、40代や50代よりも60代の人数がやや多く煙突が乗っているかのような形「人口煙突」になると推計されている。このようないびつな形で人口が減少することになれば、社会の大きな混乱が避けられない。

10代後半から40~50代の人口が多く感染するということは、エイズ発症によって、次のような事態が起きると予測される。

  1. 感染者自身の生活の質が低下し、早期に死亡する。
  2. 教育や訓練を受けた労働力が社会から減少。教員不足。
  3. 家計における主な働き手の病気と死亡は、子供や老人の手によるエイズ発症者のケアや生活維持の必要性を意味する。その結果、教育機会を逸する子供や低賃金で危険な労働に従事する子供や老人が増加する。
  4. 両親がエイズを発症して死亡すれば「エイズ孤児」になり、児童労働やストリートチルドレンの増加などに繋がる。

《檄文》冒頭の写真でもおわかりの通り、参加者数は20人前後だった。テーマが大衆受けしないものであったのは間違いないので、100人集めれば上出来とまでは言うつもりはないが、ブログでもPRし、個人的にはビラを自分で作って配布したりもしてこの程度だということは、自分の人徳もたかが知れているなと思って大いに反省している。    

しかし、その一方で、MISHOPとしてのPRの仕方はもう少し工夫ができたのではないかと思う。会場に来られていた僕の知人から、「こんなイベントがあること、市報にすら小さくしか載ってなかったじゃないか。知らないから皆来ないのだよ」と苦言を呈された。僕は頷くしかなかった。

昨日、近所のコミセンに行ったら、ボランティアのコーナーに狛江で同じ時間帯で開催されたカンボジアの貧困問題のセミナーのポスター(講師は僕も知っている人)が貼ってあったが、そのポスターのできもさることながら、狛江のイベントのポスターは貼られているのになんで地元三鷹のイベントのポスターは貼られていないのか、扱いに大きな差があるように感じた。

お膝元の市報やコミセンですらこのていたらく。やっててかなり虚しさを感じた。公的な枠組みに多くを期待してはいけないのであれば、これからもこのシリーズを企画していく人間の1人としては、これまで以上に自分で頑張って盛り立てねばならないと覚悟もしている。このままでは僕が頼んで来ていただいた講師の方々に申し開きができない。


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