『ドキュメント』 [読書日記]
内容紹介【購入】
事故に遭って陸上競技をあきらめた圭祐は、ひょんなことから放送部に入部する。3年生の引退後、仲間たちとともにコンテストに挑むことになった。偶然手に入れたドローンを武器にテレビドキュメント部門の撮影を進めていたところ、煙草を持った陸上部の逸材・良太の姿が映り込む。真実を探っていくと、騒動の陰で糸を引く思わぬ人物にたどり着いてしまい……。部活にかける情熱と予測不能な事件を描く、学園青春エンタメ!
気が付けば、11月も終わっていた。SSブログでのブックレポートは2本しか書いていないという衝撃。
言い訳を言ってしまえば、読んでる時間が取れなかったのひと言に尽きる。週末のたびに岐阜、東京・横浜、岐阜と長距離ドライブをしていたし、毎週末移動を強いられたということは、週末には大きな出来事がいくつかあり、しかもその出来事の準備を長岡で進めておく必要もあったので。今も、正直言えば小説読んでいるくらいならやるべきだろと突っ込まれそうな仕事を2つ3つ抱えているのだが、現実逃避ということでお許し下さい。
ただ、そうは言っても、今週は週明けから本書を読み始めたのに、最初の4日間で50頁ほどしか読み進めることができなかった。それをなんとか挽回したのは、土曜日の空き時間に小まめに読み進めたことと、この記事を書いている日曜日の午前中、3時間ほどを集中読書に充てたことによる。これも現実逃避と言えるが。
但し、序盤読み進めるのが遅かったのは、忙しかっただけが理由ではない。序盤のストーリーの進みが遅くてなかなか乗っていけなかったのも大きいと思う。今どきの高校生ってこんなに議論を尽くすのか、しかも顧問の先生もほとんどいない中で、という戸惑いもあった。それだけ登場人物一人一人をっ丁寧に描いているということでもあるが、序盤の展開が遅いと感じた原因はそんなところにもあると思う。ネタバレになってしまうが、波乱が起きるのは中盤に入ってからである。
僕は元々、高校生を扱った恩田陸の作品なら何作か読んだことがあるが、湊かなえは読んだことがない。だから、本書を読み始めて最初に思ったことは、恩田陸とテーストが似てないかということだった。これをきっかけにもう少し読んでみたいと思う。
僕は小学生の頃に放送委員をやっていたので、昼休みの放送室のシーンは想像がしやすかったが、高校にもなるとニュース脚本とか、アナウンス力とか、カメラアングルとかもっといろいろなことをやるのだなという驚きもあった。今はそれにビデオ編集や、ドローン操縦と空撮といった新しい技術ノウハウも求められるようになってくるので、高校生といえども結構大変な部活動だなというのも感想だ。
本書も、お世話になっていた蔦屋書店の閉店の際に、お礼にと思って購入した本の最後の1冊である。本書が『ブロードキャスト』という作品の続編であることは承知の上で、あえて続編の方から読み始めてみたが、『ブロードキャスト』の予備知識がなくても十分楽しめるような作品として完結している。機会があれば、前編も読んでみたいとは思うが、少しだけ先になりそう。
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