『オッサンの壁』 [持続可能な開発]
内容紹介【MT市立図書館】
日本一の「オッサン村」ーー永田町の非常識、政治メディア の実態。全国紙初の女性政治部長が克明に記す「男社会」のリアル。なぜ、永田町と政治メディアにオッサンが多いのか?幾多の「壁」に直面してきた政治記者が男性優位主義の本丸で考えた、日本社会への処方箋。
昨年8月、斎藤幸平『ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた』のレビューをブログで書いた際、「本書の中で著者が引用した文献のいくつかは今一度チェックして、次に読みたい本のリストには上げておきたい」と結んだ。それに基づき、著者の引用文献をメモしておき、帰国後に市立図書館で探して借りた最初の文献が本日ご紹介する『オッサンの壁』だ。
日本のジェンダー主流化の取組みは相当遅れていると言われているが、それを毎日新聞社の政治記者として大物代議士やその秘書と接する中で体験した具体的な実態として描いている。加えて、そういう政治家を相手にネタをとって来なければならない記者の労働環境とか、有力女性代議士の主張とかから拾って来て、永田町界隈の政治家やメディア関係者を含むコミュニティ全体でのジェンダー主流化の遅れも知ることができる。
さすが普段から記事を書かれているだけに、読みやすいし、頭にも入って来やすい。SDG5(ジェンダー平等を実現しよう)のうち、特にターゲット5.5「政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参加および平等なリーダーシップの機会を確保する」への日本の取組み状況のどこが良くないのか、具体的に突き付けている内容だと思う。永田町界隈の実態がこんな感じだと、女性の政治参加の実現とか女性のリーダーの台頭とか、そんなに簡単には望めないだろう。
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