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「幽霊職員」のその後 [インド]


AFPでも取り上げられたデリー市役所の幽霊職員問題のその後の続報である。AFP電はこの手のニュース素材では第一報を入れた後の続報が殆どないが、さすがにこの問題はデリーでは顰蹙をかっており、その後も時々報じられてはいる。

12月11日(金)付Hindustan Times紙第7面に、こんな記事が載っていた。
「幽霊職員」戻る
'Ghost workers' are back
Neelam Pandey記者
【ニューデリー発】デリー市役所(MCD)を呪うため、「幽霊職員」が戻って来た。市民代表者から成る究明委員会は、実在しなかった被雇用者22,853人を調査した結果、同名の人物の名義で幾つかの銀行口座が開設されていることを発見したという。
 MCD所管区域のうちシャーダラ南地区での調査の結果、155人が「サンジェイ(Sanjay)」という名義で銀行口座を開いていた。同様に、 シャーダラ北地区では131人がやはり「サンジェイ」という名前を使っていた。このようなケースは他にもあり、「ビノッド(Vinod)」の名義で124人、「ラケシュ(Rakesh)」で118人、「ラジクマール(Rajkumar)」で114人、「ムケシュ(Mukesh)」で112人、「スニル(Sunil)」で110人、「カムラ(Kamla)」で36人、「レーカー(Rekha)」で38人が口座を開いていた。情報筋によると、これらの人々は日雇い労働者か代理労働参加者であるという。
 「5人の委員から成る究明委員会は他の被雇用者についても全て口座の確認を行なっており、最終報告書は間もなく提出されるでしょう。」―――M.S.メーラMCD市長はこのように述べた。市長はさらに、有罪と認められる人々の給料については給付を即座に差し止め、その財産を市が負った損失を相殺するために差し押さえると述べた。
 同委員会はMCD被雇用者の保有する450口座の確認も行なった。その結果、218口座については本人の住所確認を行なわずに開設されていることもわかった。(中略)MCD関係者(匿名)は本紙取材に対し、この218人の口座については給与振込を即時停止したと述べた。
 同市によれば、22,853人の幽霊職員への給与支払いにより、年間20億4千万ルピーの損失が出ている。

ちょっと身につまされる話です。「サンジェイ」や「ラケシュ」といった名前はよく耳にするし、多分苗字もはっきりしてない日雇い労働者が多いだろう。昔の日本だって、「〇〇村の与作」なんて言い方で人物の特定をしていた筈で、それに近いことが今のインドでの農村出身者だったら行なわれていると思う。ただ、同じ地区で100人以上も同名がいるというのはちょっとおかしいなという気がする。同一人物が誰かまとめ役に言われるままに口座開設用紙にサインだけして開かれた口座が結構ありそうな気がする。勝手な想像だが、口座は特定できても人物の特定がどの程度までできるのかはよくわからない。それに、本当のワルは他にいるような気もするし。

一応この委員会の最終報告書は今月末までには出て来るそうです。
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