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とみたゆう子「ガラスの翼」 [備忘録]

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《4thシングル『カシオペアの二人』のジャケット。シングルでは一番好き》

「ハナ金」(フルっ!)なので、少しソフト系の話題でいかせていただきます。

Sanchaiの20年前、そして30年前を既にご紹介したので、次は間を取って25年前―――と行きたいところだったのだが、あの頃のことは奥田英朗『東京物語』重松清『ブルーベリー』をこのブログで紹介した際になんとなく語ってしまっているところがある。だから、25年前がどうだったかというのをベタでご紹介するよりも、やっぱり思い出の曲という線で話を展開してみてもいいかなと思う。

少し前に僕の中学時代の思い出の曲としてラジオ深夜番組『コッキー・ポップ』で紹介されていたポプコン出身の歌手の作品を挙げ、高校時代はあまり音楽を聴いていなかったけれど、強いて挙げるなら多分石川優子さんだろうという話までは書いた。それじゃ僕の大学時代はどうだったのかというのを振り返ってみた場合、それは間違いなくとみたゆう子さんだと言い切れる。3rdシングル「蒼い風」を聴いてファンになり、2ndアルバム『DEUX』をレンタルレコード屋で借りてカセットテープにダビングしてウォークマンで何度も聴いた。そこから1stアルバム『COLOURS』や3rdアルバム『Classical Heart』にどんどん発展していった。名古屋出身のアーチストなので、人気自体が局地的なところがある。だから重松清作品では言及もされていない。この頃の一般的な空気としては大滝詠一だったのだ。それでも東京で暮らしていた僕の周囲にもとみたゆう子ファンは少しはいた。

どのアルバムも良いが、僕にとっての思い出の作品は4thアルバム『Shampoo』の2曲目に収録されていた「ガラスの翼」だ。シングルカットもされておらず、一般には『Shampoo』収録曲の中では「Dance Dance Dance」が最も人気があるのではないかと思うが、当時僕は米国留学にとみたゆう子さんのアルバム5枚分のカセットテープを持って来ており、毎晩就寝前に聴いていた。その中でも「ガラスの翼」は聴いて泣けてきた1曲だった。

どんな曲か知りたい人はこちらをどうぞ[exclamation×2]YouTubeには感謝である。


僕はジャーナリストでもなかったし、彼女を日本に残して米国留学に向かったわけではなかった。逆に、留学出発前にバイト先で知り合った都内某女子大に通うエリちゃんにアタックして見事に玉砕している。バイト仲間から「アタックするっきゃねぇ」と思い切り盛り立てられ、勇気を奮ってアタックしたのだが、エリちゃんから「自分は留学するのに、こんなタイミングで告白するのは無責任だ」となじられてしまった。だから、若干傷心気味の気分で僕は留学先に向かっている。そこで新しくラジカセとルームメイトだったビル・スパイクス君に遠慮してヘッドフォンを購入し、そこで毎晩とみたゆう子さんのアルバムを子守唄代わりに聴いていたのだけれど、「ガラスの翼」はもし自分のアタックがうまく行っていたとしても相手にこんな気持ちを味わわせていたのかもしれないと思い、それで最も印象に残ったのだろう。

ただ、これを聴いて自己嫌悪に陥ったかというとそうではなく、こんな恋愛してみたいなと思ったというのが正直なところだ。どこまでも相手のことを考えてない、自分勝手な男子学生であった(苦笑)。

とみたゆう子さんのアルバムは、5枚目の『TIME』までは米国留学に持って行ったが、6枚目、7枚目については殆ど記憶にない。留学を境にそこから発展していかなかったのだ。それが何故だかよくわからなかったのだが、ネットで調べてみてようやく納得。とみたさん、1986年に交通事故に遭い、8ヵ月のリハビリの後、無期限の休養に入ってしまったのだ。その後1991年に復帰されて『アフロディーテの伝言』と『この恋をあきらめる前に…』という2枚のアルバムを発表しており、僕はその2枚はCDを買って持っているが、学生という立場で聴くのと社会人になってから聴くのでは何となく感じが異なり、あまり熱中して聴いてなかった。その頃は辛島美登里さんだったから。事情を知らなかったのであくまで印象だが、『アフロディーテの伝言』のアルバムジャケットはちょっと痛々しかった。

とみたゆう子さんは1992年に再び活動休止している。

以下は僕が各アルバムでわりと気に入っていた曲のリストだ。なんと殆どがYouTubeで視聴可能なので、懐かしいと思われた方は是非ダウンロードしてみては如何でしょうか。

1stアルバム 『COLOURS』(1981年)
◆海
◆セプテンバーガール
◆とどけ・愛
◆Telephone Magic

2ndアルバム 『DEUX』(1982年)
◆週末のエトランゼ
◆蒼い風
◆ラストシーン
◆愁雨

3rdアルバム 『Classical Heart』(1983年)
◆カシオペアの二人
◆よこはま物語
◆Funny Lady
◆Symphony

4thアルバム 『Shampoo』(1984年)
◆Dance Dance Dance
◆ガラスの翼
◆アウト・バーン
◆うけとめてダーリン

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hiroq

こんばんは。コメントありがとうございました。
曲のリストを見ているだけで懐かしさが込み上げてきますね。

上記リストに加え、「アップルサイダーの昼下がり」「満月の夜に」
なんかも好きです。
4thアルバムがあまり記憶にないのは・・・買いそびれているのかもしれません・・・今度実家に帰って確認してみます(笑

by hiroq (2009-12-28 21:26) 

Sanchai

☆hiroqさん☆
コメントとniceをどうもありがとうございます。とみたゆう子さんを取り上げただけで読んでいただける方が多いのは嬉しい限りです。なんか同じ時代を共有しているような感じで…。

☆官兵衛さん、僕星さん☆
niceありがとうございました。
by Sanchai (2009-12-29 09:57) 

SGW

昔、愁雨という曲をFMで聴いて、レコードを買いました。CDの時代になっても、聴きたくて、PORTRAITというアルバムを買いました。どうもこれはベストアルバムで、レコードはDEUXだったということを思い出しました。
by SGW (2013-02-17 22:18) 

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