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気温上昇は止まっている [時事]

僕はあまりこのブログで地球温暖化について取り上げてこなかった。あまり議論に自信がないからである。今や日本では老若男女を問わず「エコ」で、僕の母だって田舎で朝顔でグリーントンネルを作るような活動に積極的に参加している。それ自体はいいことだと思うし、僕らだって自分達の子供にはエコ意識は持って欲しいと思っている。

ところで何故今回この話題を取り上げたかというと、日本の雑誌『選択』8月号で2009年2月2日付の日本経済新聞の記事が紹介されていたからである。「地球の気候、当面『寒冷化』」と題した記事で、普段日経新聞を購読できる場所にいない僕でもその頃に耳にした記憶がある。但し、記事をちゃんと読んだことはなかった。今回の『選択』での引用で、その記事内容が改めて紹介されていたので、そこから抜粋してみたい。
地球の平均気温の上昇が頭打ちとなり、専門家の間で気候は当分寒冷化に向かうとの見方が強まってきた。地球温暖化の主因とされるCO2の排出は増え続けているものの、自然の変動がその影響を打ち消す方向に動き始めたとみられている。(中略)平均気温は70年代半ば以降ほぼ一貫して上昇。しかし、98年をピークにこの10年間は横ばいないし低下し、08年の気温は21世紀に入って最も低かった。この結果、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が予測する気温の上昇カーブとの隔たりが拡大。IPCCは気温が2000~25年に10年あたり約0.2℃のペースで上昇するとしているが、実際は最近10年で0.2℃下がった。

『選択』の記事はさらに続く。
 地球の平均気温が太平洋で数十年ごとに水温が上下する太平洋十年規模振動(PDO)に連動していることは科学者の間の常識だ。PDOは2000年ですでに高温期から低温期に切り替わったにも関わらず、IPCCはどうして沈黙しているか、との疑問を赤祖父氏(註:赤祖父俊一アラスカ大学名誉教授)は投げかけているが、これに正面から答えた専門家はいない。IPCC関係の研究者が何の根拠もなく「一時的現象」と言い逃れをしているに過ぎない。今世紀末までには最大6.4℃の気温上昇を予測したIPCCの07年度報告書は、予測が外れたときいかなる責任を取るつもりなのか。
出所:「『政治の具』と化す地球温暖化」、『選択』2009年8月号、pp.6-9

僕はこの分野の専門ではないが、単純に考えて、僕らが小学生の頃によく言われていた「氷河期が来る」というのと今の「地球温暖化」という現実がうまく繋ぎ合わせられないでいたので、1998年以降気温上昇が止まっているという指摘をされると、またよくわからなくなる。

日経新聞では、この2月2日の記事が反響を呼び、その後もいろいろな議論があったようだが、日経BPのHP「ECOマネジメント」の鳥井弘之氏のコラム『ニュースの深層』で「ゴールなき温暖化論争より積極的な議論で解決を」というのが取り上げられており、地球温暖化の原因に関してIPCCの主張する「人為的な温室効果ガス(GHG)の増加による可能性が濃厚」との見方に対する異論や懐疑論の数々が紹介されている。いずれも「確かにそうだよな」というものが多い。コラムはその上で、「温暖化の不確実性については、将来にわたって慎重に観測していく必要がある。また、地球規模の問題解決のためにも、主流・非主流にかかわらず積極性ある科学的な議論を封殺すべきではない」と主張している。

長期的にみた温室効果ガス排出抑制や吸収促進の必要性は否定するつもりは全くないのだが、政治的判断で決められた短期目標の達成に向けてシャカリキになって頑張る必要がどの程度あるのか、素人の僕はよくわからない。政治的思惑とは離れて科学的な議論がもっと進められて欲しいと思う。
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duke

・・・ホントなんでしょうか?
私は温暖化のしくみはさておき、異常気象の仕組みがよくわかりません。(ハリケーンが強力になったり、豪雨とか気象が過激化する理由が・・^^;)
by duke (2009-08-21 22:31) 

Sanchai

☆dukeさん☆
コメントとniceありがとうございます。温暖化の議論には疑問もあるのですが、確かに異常気象はよくわからないです。21日もデリーではゲリラ的集中豪雨があり、オフィスの至るところで窓から水漏れが起こりました。

☆ほりけんさん☆
☆あんぱんち~さん☆
☆みかんママさん☆
niceありがとうございました。
by Sanchai (2009-08-22 10:04) 

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