SSブログ

インド人のマグサイサイ賞2009 [インド・トリビア]

Deep-Joshi.jpg昨年はプラカシュ・アムテ、マンダキニ・アムテが夫妻で受賞して話題になったラモン・マグサイサイ賞であるが、3日に発表された今年の受賞者5人の中に、またインド人が選ばれていた。インドでは超有名なNGOであるPRADAN(Professional Assistance for Development Action)の設立メンバーで代表も務めたディープ・ジョシ(Deep Joshi)氏である。

「超有名」と書いておきながら、実際のところPRADANとの接点はこれまでほとんどなかった。1983年に設立され、SHG形成を通じたマイクロファイナンスの普及で大きな貢献をした団体であるが、接点がなかったので実は不勉強であまりその活動内容を知らなかった。

ディープ・ジョシ氏の功績と略歴については、マグサイサイ財団のHPに詳しい記載がある。既にPRADANもHPでこの話題を取り上げており、マグサイサイ財団の今年の受賞者6人のうち、ジョシ氏の分だけを切り出してPDFファイルで紹介しているので、こちらをご参照下さい。
http://www.pradan.net/images/news/deep-joshi.pdf

受賞の報を受け、ジョシ氏は新聞の取材に対して次のように語っている。「受賞できたことを嬉しく思っています。しかし、この受賞は個人としての業績を評したものではなく、農村の人々の開発に向けた思想を評価いただいたものだと思います。教育を受けた者は農村に入り、農村住民の福祉の向上に取り組んでいく必要があります」(Hindustan Times紙8月4日記事より)。続報を拾ってみると、元々ジョシ氏がNGOを設立して取り組もうとしたことは、エリート養成校として有名なインド工科大学(IIT)のような一流大学を卒業した若者を農村に送り込んで農村の貧困問題と向き合わせることだった。「農村人口の1/3が未だ極貧状態に喘いでいる時に、わざわざ月にミッションを送る必要がありますか?」(同、8月5日記事より)。僕がちゃんと教育を受けた人間かどうかはともかくとして、開発問題と取り組もうと志す者が、大都市のオフィスビルの空調の利いた快適な空間にずっといるだけじゃダメだと言われているような気がする。

マグサイサイ賞とは「アジアのノーベル賞」と呼ばれ、アジア地域で社会貢献などに傑出した功績を果たした個人や団体が表彰される。ジョシ氏の受賞でインド人の受賞者は39人になり、特に「コミュニティ・リーダーシップ部門」では18人目の受賞となる。昨年もブログで記事を書いて紹介したが、インドでは政府の役割など当てにせずにコミュニティが自ら進んで地域を良くする活動を行なっているというのを再認識させられるジョシ氏の受賞であった。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0