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ブログ管理のジレンマ [ご挨拶]

僕は、このブログを自分のナレッジ・マネジメントの手段として使っている。ひらめいたアイデアや読んだ本、論文等のポイントを忘れないようにメモしておくために利用している。特に、40歳を過ぎて物忘れがひどくなったため、「あれ何だっけ?」と後で慌てるケースが非常に多くなった。だから、一瞬のひらめきや文献からの学び等は自分の記憶が定かであるうちにメモとして保存してしまうよう心がけている。これによって、記憶の定着度合を高めるとともに、情報が必要になった時にすぐに引き出すこともできる。仕事の上でも非常に助かっているのだ。

ところが、最近、僕のブログを情報源にして、僕と同じような研究領域で論文を書かれている方がいらっしゃるという話を耳にした。実は僕とは面識もある方で、しかも初めてお目にかかった時僕がインドの高齢者問題に関心があるという話もその方には話したことがある。

プロの研究者の方はそれで飯を食べておられるのでその気になったら論文に纏められるのは早いだろう。その辺は、研究者として認められるために忙しい仕事の合間をぬって細々と文献を読み込んだり人的ネットワークを築いたりしているに過ぎないひよっこ研究者の僕なんかよりずっと効率が良い。世に出るのはその方の論文の方が早いので、僕がいくら先に研究に着手していたのは自分だと主張したところで後の祭りだろう。

この話をミクシィ内でしたところ、大方の反応は、「研究は早い者勝ち。面白いと思うテーマはきっと誰か他にも考えているものだから、とにかく早くやれ」というものであった。

悔しいが、僕もそう思う。本当は同じような問題意識で同じような研究対象を見ておられる方とは正々堂々と交流させていただきたいと希望するが、研究者の世界では僕のような考え方はナイーブ過ぎるのかもしれない。今回の出来事を通じて、学習ノートのつもりでブログに書き込みをやっていると、他人に塩をおくるようなものだということを痛感させられた。立場上、僕は今後も匿名でブログ管理を行わざるを得ないが、今のようなやり方で思いついたことや学んだこととをブログで詳らかにしていると、後で誰かにネタをパクられてもオリジナリティの主張がしづらいと痛感した。

そんなわけで、ひよっこ研究者であっても仁義なき研究者の世界で生き残るため、今後重要なアイデアはブログでは開陳しないことにしたいと思う。これは僕の論文指導教官にも言われたことである。著作権がちゃんと主張できるところで主張していきたい。
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nikoniko

サンチャイさん、先日は私のブログへのコメント、ありがとうございました。サンチャイさんご自身がブログをナレッジマネジメントに使っていたのですね。私自身はナレッジマネジメントと意識して使っているわけではありませんし、書いていることは弁理士ならば皆知っていることだと思いますので、おそらく新規性のない(←表現が特許的!)内容だと思います。
弁理士の勉強をしていてつくづく思うのですが、著作権は保護が難しいですね。特許であれば「先願主義」であり、特許庁に願書を一番早く出した人が「特許権者になれる可能性有り」ということになるので、権利として安定しますが、著作権は「無方式主義」なので出願などありませんし・・・。
特許では、他者の発明を横取りして出願するような場合は「冒認出願」といいますが、サンチャイさんのご研究も著作権の「冒認」にされてしまわないよう気をつけてください。(言うまでもないことですね。)
ご研究、がんばってください。
by nikoniko (2009-03-28 02:39) 

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