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シン首相信任の陰で… [インド]

野党議員ら議場で「わいろ受け取った」
7月22日、毎日新聞
【イスラマバード栗田慎一】米印民生用原子力協定の発効手続きを進めるインドのシン首相に対する下院の信任投票が22日実施される直前、最大野党「インド人民党」の議員らが議場で「投票を棄権するようわいろを受け取った」と発言し、「前金」という計3000万ルピー(約7500万円)を掲げた。最大与党の国民会議派側は「作り話だ」と否定したが、議場は大混乱に陥った。
 人民党は首相の辞職を求めるなど強硬姿勢で臨んでおり、政権ぐるみの汚職事件に発展する可能性もある。
 核協定は、政権と閣外協力関係にあった左派政党が反発したことから、国際原子力機関(IAEA)との査察協定が締結できず、発効の見通しが立たない状態が続いた。左派政党の協力で下院の過半数を維持していたシン首相は7月上旬、一部野党らに協力を求め、左派政党との関係を解消。ブッシュ米大統領の任期前の年内発効を目指していた。
 しかし、現地メディアは過半数までに「7議席ほど足りない」と報じていた。
下院信任投票の結果が出た。賛成275票、反対256票、棄権10票で、国民会議派主導の連立与党UPAは信任された。

それはともかくとして、こういう結果になることは朝からわかっていたらしい。昼休みにオフィスのインド人スタッフと30分ほど会議室で雑談をしていた際、信任投票の結果はどう出るのかという質問をしたところ、「UPAが勝つよ」と全員が言っていた。総額4000万だの6000万ルピーだのといわれる賄賂の話はテレビで報道されており、接戦を報じていた新聞各紙とは異なる様相を呈していたのである。
(現ナマを掲げて嬉々とする議員の姿は結構ショッキングだった…)
LokSabhaTV2008-7-22.jpg
ただ、UPAが勝つという見方の根拠は他にもあった。一説にはウッタルプラデシュ州首相であるマヤワティ党首率いる少数政党が信任投票のキャスティングボードを握るとして、最大野党BJPがマヤワティ党首を首班とする新政権樹立を支持するのではとの見方があったのだが、BJPがマイノリティ出身の女性党首を担ぐわけがないとも見られていたのである。だからマヤワティの政党の議員は揃って棄権し、議事堂から近いメリディアンホテルの一室に籠城していたらしい。棄権は結果的にはシン政権支持である。

「マヤワティが米印原子力協定のことなんか理解できるわけがないじゃないですかぁ」
――うちのスタッフがそんなことを言っていた。多数派工作にともなう贈収賄のせいで、今回の信任投票の本当の争点であった原子力協定がかすんでしまった。

「結局インド人は自分の儲けのことばかりで、国のことなど考えていないんです」
――うちの家のお抱え運転手のグーラムは吐き捨てるように言っていた。どこの国でも大なり小なりありそうなことだよと僕は言った。

それにしても驚いたのは国会議員が議場の内外で英語を話していたことである。採決も英語で行なわれ、その後のシン首相の勝利声明も、テレビ局による議員や関係者へのインタビューも全て英語だった。
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kobakoba

ウ~~ン議場で賄賂金を暴露するとは信じられないし その金額も大きい インドが核を持ったとき世界中が猛反対し 日本もアメリカに唆されて反対の前面にたった そしたら 裏でアメリカはインドと手を結び 核保有を認めてしまった 日本は非常に恥ずかしい思いをした そしてまた今はインドに擦り寄っている アフリカと同じように中国の真似をして 外交能力はゼロです日本は
by kobakoba (2008-07-23 07:16) 

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