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Om Shanti Om [インド]

今年1年を振り返ることもなく大晦日を迎えている1年前、2年前の大晦日に何をブログで書いていたのかを振り返ってみて改めて驚いたのだが、過去2年とも実家に帰り、子供達の相手を父母や弟家族に任せ、自分はシコシコと仕事をやっていた。こんな不本意な冬休みの過ごし方とはおさらばしたいと書いていた。

今年はどうかといったら、仕事ではないけど作業をしていた。家族は一足先に一時帰国し、その間に僕は久々の単身生活を堪能した。仕事が忙しかったことはあるものの、休日にやっていたのが博士号を取るための大学院出願書類の準備、とりわけ研究計画の策定であった。出願は1月中旬だが、指導を非公式にお願いしている教授から早めの研究計画の提出を指示されていたので、この1ヶ月間、構想を練ってきたことを最後の1週間で文章に落とし込んだ。大晦日までかかるかと思ったが1日余裕を残して終えることができた。

過去2年間と比べたら、同じようにPCに向かっていたとしても、少なくとも自分のためにやっているという点ではもっと前向きな過ごし方だと思う。適度な息抜きもしているし、決して悪くない。



30日(日)、大学院の研究計画の素案を作成して、教授にお送りするところまでを午前中でなんとか終えられたので、単身でいる間にもう1本でも映画を見ておこうと思い立ち、この2ヶ月の懸案だった『オム・シャンティ・オム(OM SHANTI OM)』(以下、OSO)を見ることにした。

場所はネルー・プレイス(Nehru Place)地区にあるSatyam Cineplex。一箇所で複数の映画を公開中という初めてのシネプレックスである。料金は135ルピープラス売上税で合計175ルピーと結構高めであったが、その分インフラはものすごく良かった。待合スペースに座れるだけの数の椅子が置いてあるのは非常にありがたい

 
OSOは11月8日というディワリ祭の直前に公開され、同時期公開の映画を軒並み押しのけるメガヒットとなった『チャクデ!インディア(Chakde! India)』よりも興行成績は上だったかもしれない。公開直前の予想ではOSOと『サーワリヤー(Saawariya)』がいい勝負になるとみられていたが、いざ蓋を開けてみるとOSOの一人勝ち。Saawariyaも佳作だと僕は思うが(見てないけど)、公開後数日でSaawariyaを上映していた映画館の数が激減し、その分OSOを上映する映画館が急増したのを目の当たりにすると、つくづく映画は公開のタイミングも大事だと思ってしまう。

しかも、通常インドの映画は上映期間が約2週間と短いが、OSOは公開後2ヶ月にもなろうとしているのに未だ上映している映画館があるというのがスゴイ。さすがに2ヶ月目にもなると上映する映画館の数は減り、今や南デリーではSatyam1箇所でしかも1日1回15時からだけというところまで減ってきている。それでもOSOに押し寄せる観客でひしめくのだからOSOはスゴイと思う。


OSOがなぜこれほどのヒットになったのか。それは、映画界を舞台にしているため、往年の俳優が友情出演しているのが多いからだというのが1つにはある。ストーリーの中で、シャー・ルク・カーン(SRK)が演じるオム・カプール(OK)とともにFILMFAREの映画大賞で主演男優賞にノミネートされていたのが、アビシェイク・バッチャンとアクシェイ・クマール。OKの主演男優賞受賞記念パーティーに友人として参加してOKとダンスを繰り広げるのが、自分が把握しているだけで、サンジャイ・ダット、サルマン・カーン、サイーフ・アリ・カーン、ダルメンドラ、ボビー・デオール、ゴーヴィンダー、スニール・シェティ、プリティ・ズィンタ、プリヤンカ・チョプラ、ラニー・ムケルジー、シルパ・シェティ、カリーシュマ・カプール、ウルミラ…。1990年代に『ラジュー出世する』や『YES BOSS』でSRKと共演していたジュヒ・チャウラ、『カランとアルジュン(Karan Arjun)』や『DDLJ(Diwale Dilhaniya Le Jayenge) 』、『Kuch Kuch Hota Hai』等でSRKの恋人役を演じていたカージョルも踊っていた。2人がSRKと踊るシーンなんかは、前に見たこれらの映画のシーンを思い出すようだった。よくこれだけの俳優を揃えたものだと思う。このお祭り騒ぎのシーンは絢爛豪華の一言に尽き、一見の価値ありだ。


でも、それ以上にこの映画の価値を引き上げているのが、ヒロインであるシャンティとその瓜二つの女優の卵サンディの二役を演じたディーピカ・パドゥコーネ(Deepika Padukone)の美しさである。サンディの方のインパクトはそれほどではないが、シャンティの方はこの世のものとも思えない美しさだった。これは、実際に銀幕で見た者でないと決して理解できないと思う。OSOが女優としてのデビュー作品となるが、カメラワークも良かったのだろうが、演技力もかなりあると思う。『Naqaab』で同じく今年デビューしたアーバシー・シャルマなんか見事に消し飛んでしまったように思う。多岐川裕美似の顔つきだが、アーリア系の女優でこの顔つきならかなり許せた。というかとにかく映像を一度ご覧下さい。SRKの割れた腹筋ではなく、ディーピカ嬢を見るだけでもこの映画は一見の価値があると思う。

 
インド映画ではダンスが踊れるかどうかというのも大きな要素だと思うが、ディーピカ嬢、練習わずかに1ヶ月という割にはかなり踊れるとの評価を受けている。元バドミントンの有名選手のご令嬢で、運動神経も良さそうだし、身長もそこそこあるので、大勢で踊っていてもとにかく目立つ。最近やたらと映画出演が多いが同じダンスでも長身を持て余しているようなぎこちなさを感じるカトリーナ・カイフとはかなり違うように思う。ただ、SRKよりも若干ながら身長が高そうなので、共演相手にかなり制約がつくような気もする。アーミル・カーンなんかとの共演はあり得ないだろう。次回作はアクシェイ・クマールとの共演らしい。

あ、ストーリーの話をしてなかった。インド人の好きそうな輪廻転生の話である。30年前に恋人の映画監督の策略によって殺された女優シャンティプリヤとそれを助けようとして命を落としたエキストラ俳優オム・プラカシュ。そのオムが息を引き取ったのと同時にこの世に生を授かったオム・カプール(大俳優の息子)にオム・プラカシュの記憶が宿り、ハリウッド映画監督として成功を収めていた犯人に復讐を果たす。『カランとアルジュン』にもちょっと似ているかもしれない。

ストーリーとダンスに加え、ディーピカ嬢の美貌を見ていたら、いつもは苦痛の3時間もあっという間に過ぎてしまっていた。アーミル・カーン監督作品のようなストーリーで感動させるという話ではなく、監督、俳優、ダンス振付、音楽、舞台装置等のトータルの制作能力で客を惹きつける映画だと思った。(その分カネはかかっているだろう。)

僕的には、1年の締めくくりでディーピカ嬢を銀幕で見られたことがとても嬉しかったです。
(ヤバイ、オジサンがかなり入っている…)

今年も当ブログご愛読下さり、
誠にありがとうございました!
来年もさらに充実を図っていきたいと思っています。
ご愛顧のほど宜しくお願いします!!


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