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インド人とF1 [インド]

スパイカーの売却が完了
 オランダ系F1チームであるスパイカーに売却話が出ていることが明らかになっていたが、どうやらその作業が完了したようだ。
 4週間以上前に、インド人富豪であるビジェイ・マリヤと、オランダ人ビジネスマンのミシェル・モルが興した合弁企業が、イギリス・シルバーストーンにファクトリーを構えるスパイカーを買収する意向を持っていることが明らかになった。その後、この方針がオランダのスパイカー本社の承認を受け、8,800万ユーロ(約145億円)の取引が完了したようだ。
 スパイカーはわずか13か月前にミッドランドから1億6,600万ドル(約7,560万ユーロ、日本円にして約124億円)でチームを購入していた。今回の取引は5日(金)に最終的な合意に達したようだ。
 スパイカー本社側は「公式文書へのサインが終わった今、スパイカーF1チームのマネジメント権を持つのはオレンジ・インディア・ホールディングスになる」と声明の中で明らかにした。
出所:TopNewsレース速報、10月6日


インド人大富豪「ビジェイ・マリヤ」とは何者?―――そう思った人は、「キングフィッシャー」ブランドのインドのビール会社UB(United Breweries)グループの総帥といったらおわかりだろうか。或いは、全席ファースト&ビジネスクラスのキングフィッシャー航空のオーナーといったらもっとわかりやすいかもしれない。

インド国内線を利用されたことがある方なら既にご存知かと思うが、キングフィッシャー航空は明らかに他のエアラインとは異なる。搭乗口まで誘導するバスの車内の座席がソファーになっているところから始まり、国際線並みの機内販売やTVチャンネルが付く。機内雑誌も豊富である。フライトアテンダントのスカートが短い。これでもかと言わんばかりにサービスが展開される。目的地に着くと、赤いジャケットの作業員がカートとともに乗客1人1人に張り付き、ターンテーブル上を流れてくる荷物を拾い上げて誘導してくれる。こういうサービスだけではなく、ビジネスユースで最も重視される欠航や遅延の少なさという点でも他社を凌駕している。

ここ数年、僕は飛行機に搭乗する際、フライトアテンダントが行なう機内安全対策のインストラクションをまともに聞いたことがなかったが、先月初めてキングフィッシャー航空を利用した際、TV画面に映し出された下記の写真の女性アテンダントに目が釘付けになった。名前はわからないが、彼女は機内販売のカタログの表紙も飾っており、さらには全身を写した立て看板が市内の旅行代理店に置かれていて非常に目立つ。こんなにサービス満点で、しかも基本ができているのだから、リピーターがいても当然だ。僕だって出張するならキングフィッシャーに乗りたいといつも思ってしまう。
 インド人とは思えないミニスカお姉さんにオジサンはイチコロ

さて、キングフィッシャーの宣伝がちょっと行き過ぎてしまったが、本題に戻ろう。ビジェイ・マリヤとはそういう企業グループの総帥である。よく儲けており、はっきり言って大金持ちでやることもでかい。例えば適当でないかもしれないが、葉巻が似合うというところはイメージとして関口房朗氏に似ている。でもバブリーな感じはしない。ビジネスマンとしては最も成功したインド人経営者の1人である。関口氏はスーパーカーやサラブレッドを買いまくったが、ビジェイ・マリア氏はF1チームを丸ごと買い取るのだからもっとスゴイ。

そこでインドのスポーツのお話に戻そう。日本の新聞のスポーツ欄であれば、最も大きい扱いは野球、サッカー、相撲といった順番になっていると思うが、こちらの新聞のスポーツ欄を見ると、クリケット、サッカー、テニスの順番かなと思う。但し、クリケットは別格である。インドの日刊紙ではスポーツ欄だけで4頁あるが、うち2~3頁はクリケットが占める。残るスペースを他のスペースが奪い合うことになるのだが、ちょっと意外なのは、日本と比べるとF1(フォーミュラ・ワン)の扱いが非常に大きいのに気付く。それに、オートレースといってもF1だけが別格で、他のカテゴリーは殆ど扱われていない。これも面白い。今年のF1はルイス・ハミルトンがチャンピオンの一歩手前のところまで来ているが、彼と同僚のアロンソの確執など、インドでは日刊紙でもTVのニュース番組(スポーツチャンネルではない)でも取り上げられる普通の話題であった。

 
トヨタF1チームとインド美女軍団

既にナライン・カルティケヤンというF1ドライバーも輩出し、カルティケヤンがリードしてインドのF1人気を高めてきた。キングフィッシャーはトヨタF1チームのスポンサーにもなっている。そして、新聞報道によれば、F1レースのインド誘致が2010年には実現しそうだとのことでもある。そこにマリヤ氏のスパイカー買収ときた。マリヤ氏はインタビューで「インドの若者に夢を与える」というような発言をしているようである。
 こんな車体で走るのかも…

F1というのは、チームにしてもドライバーの構成についてもスポンサーの構成についてもレース開催地についても、その時々の各国の経済力を反映しているところがある。数年前から東南アジアや中国でF1レースが開催されてきたのはその象徴でもあるが、いよいよその波にインドが乗り始めたということができるかもしれない。


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降龍十八章

FIも、私の祈り(呪い?)が通じて、ハミルトンがまさかのリタイアで、おもしろくなってきました。因みに私は目のくりくりした、マッサのファンです。
スパイカーっていつも後ろを走っているチームですね。オランダとは知りませんでした。
インドグランプリ、見てみたいですね。でも路面が熱そう~
by 降龍十八章 (2007-10-07 20:57) 

mineja

あーキングフィッシャーのヒトだったんですね。
納得納得。
by mineja (2007-10-07 23:59) 

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