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できる人はなかなか変われない。 [仕事は嫌い]

 

最近読んでいる本の中に、こんなくだりがある。


「伸ばす人」が持っている相手への関心が、相手の自発性をひきだすことになるのです。ところが「できる人」の多くは部下よりも選択肢を持っているため、ああすれば、こうすればと、先に指示や助言をしてしまうことが多いようです。(中略)こんな「できる人」と「できない人」の間には、お互いを取り巻く問題だけが存在して、「今日は○○の件について~」という事柄の対話になりがちです。そこに伸ばしたい相手の存在、その人から見た「私」は存在しません。だから、ほんとうは「私」などいなくても、もっと「できる人」に任せたほうがいいんだという、無力感をもたらします。(吉田典生著『「できる人」で終わる人、「伸ばす人」に変わる人』日本実業出版社、p.17)

それを実感できる出来事が今日はあった。先週、上司に「部署の運営のことで相談があるので火曜日に時間が欲しい」と告げられ、僕の班の運営、というか、いつまでも欠員補充がない状況に僕の体調と精神的ストレスが限界ぎりぎりまで来ている状況について打開策の相談でもされるのかと身構えていた。普段ひそひそ話のために使われる隠し部屋に連れ込まれたので、実際、僕の置かれた状況についてヒアリングでもされるのかと思っていた。しかし、そこで出てきた上司の言葉は意外なものだった。

先ず、僕の異動の時期としていつがよいかと聞かれた。僕の希望を聞いた上で10月頃と言われた。その上で、僕が5月に提出していた今年度上半期の達成目標の自己申告シートについて、書き足して欲しい点が3点、削除して欲しい点が1点あるという通達であった。しかも、削除して欲しい項目というのは他の海外支店の判断に大きく委ねられており僕は待ちの姿勢を取らざるを得ず、元々僕の達成目標としては制御困難であったもので、削除しても全体の作業量には大きく影響が出ない項目である。従って、結局のところは僕の目標設定が不十分だから付け足せと言われただけのことであった。

結局、仕事の話なのね――。僕は聞いていて途中からとても虚しくなった。おそらく人事異動は10月というのが規定路線なのだろう。その上で、異動の時期までにこれとこれは処理しておいて欲しいという要望を一方的に伝達されて終わった。こんな話なら、もったいつけて打合せの時間を決めてやるようなことじゃない。最初に思い立って僕に声をかけた時に一気に済ませればよいだけのことだ。別途時間を決めて打合せをしたいと言われれば、僕はてっきり自分の体調や今の班運営に関して僕が抱いている問題点について意見交換できるものと思っていたが、単に僕の視野に入っていなかった仕事のリマインドをしただけのことだった。

人を育てるという視点はこの人にはきっとないのだろうなと思った。だから、部署の個々人のパーソナリティへの関心もあまりないのだろう。3年近く付き合っているから分かっていたつもりではあったが、実際にそうだというのを確認できてしまうとなんだかとても悲しい。

「できる人」が進めようとする部下との会話が仕事の話題中心になりがちという指摘は、僕自身が班のスタッフに対して普段どのような話しかけ方をしているのかというのを振り返らせる良いきっかけにもなっている。仕事というレンズを通して相手を見るのではなく、相手の人となりをちゃんと見て話をするよう、僕は心がけたいと思う。


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