季節はずれの風邪流行 [家族]
インフルエンザ流行 罹患少ない「B型」
インフルエンザが季節外れの流行の兆しを見せている。福岡県や沖縄県では5月下旬以降、インフルエンザとみられる集団風邪で学級閉鎖に追い込まれる学校も出た。北海道や岩手県、愛媛県などでも患者発生の報告が増えており、局地的な流行が各地で起きているとみられる。偶発的な要因が重なったと専門家はみているが、国立感染症研究所感染症情報センターは「流行の規模は増大傾向にある」として注意を呼びかけている。
国内のインフルエンザの流行は、1、2月のピークを超えると急速に減少し、5月のゴールデンウイーク以降はほとんど発生しなくなる。
ところが同情報センターによると、全国約3000カ所の観測定点の病院から毎週入ってくる報告では、今シーズンは第15週(4月10~16日)で減少傾向がストップ。ゴールデンウイーク後は増加傾向に転じ、第21週(5月22~28日)の定点あたりの患者報告人数(1週間に訪れた1病院当たりの平均患者数)は最近10年間では最多の1・0人になった。
県別では沖縄県が7・2人で最も多く、北海道4・3人、岩手県3・4人など。沖縄では前の週から約2倍に増えていた。
4月以降、患者から検出されたウイルスはB型が中心で、この冬に流行したA香港型はほとんどみられなかった。
患者の年齢層は10~14歳が34%で最も多く、冬シーズン中とは異なり、小学校高学年から中学生で流行していた。福岡県内では5月中旬から中学校で学級閉鎖が相次ぎ、沖縄県でも学級閉鎖になる小学校が出ている。
冬場にA型ウイルスにかかり、現在も免疫を持っている子供たちは多いが、かかることが少なくなったB型の免疫を持っている子供たちは少ないため、流行する条件がたまたまそろってしまった学校でB型が流行したとみられる。
感染症情報センターは「夏場は感染効率が落ちるため、流行は局所的にとどまるとみられるが、ウイルスがなくなるわけではない。手洗いやうがいなど予防対策を」と注意を呼びかけている。
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