SSブログ

前門の虎、後門の狼 [仕事は嫌い]

中間管理職というのは、部下に恵まれないと足を引っ張られることは勿論だが、それに加えて、上司の想定する仕事の質的水準が異常に高すぎると、それでもまた苦しめられる。

 今の職場に異動してきて2年が経つが、その間に僕も学習して、部下がそれなりの水準の書類を上げてきた時には、よほどクリティカルな間違いでもない限りは僕のところはフリーパスするようにしてきた。なぜなら、僕の上司が超完璧主義者で、僕がどれだけ細かくチェックしても、それ以上の細かさで重箱の隅を突いてくるからだ。二度も差し戻しを喰らったら部下だってかわいそうだから、極力一度で済むように配慮しているというわけだ。それに、そうして一度自分の指摘で差し戻しの作業を部下にやらせても、ひどい時には二度目、三度目の差し戻しがある。

過去2年間、僕はそうして自分がスルーした書類が、自分の頭越しで部下のところに戻されるシーンを何度となく見てきた。上司が部下に細かい指摘をする際には、中間管理職の僕も同席させられる。まるで、「こんな書類を回してくるのはあなたのチェックが甘い」と言われているような気もするのだが、重箱の隅を突くような指摘をして何度も書類の出戻りがある方が仕事の効率が悪いと僕は思うし、そんな取引費用は少ないに越したことはないと思っている。変なリスクは未然に防ぎたいという上司の気持ちも解らぬではないが、想定された事態に陥らないという可能性だってあるわけだし…。(勿論、ここで述べていることは、僕的には許容水準を十分クリアしている書類に関する話ではある。)

あまり細かいところまでギチギチやると、部下は萎縮して書類が出しづらくなって余計に生産性が落ちるリスクだってあると思う。実際、僕だって、中間管理職だとはいえ、スタッフの数が足りないために直営の案件をいくつか抱えて平社員と同じ仕事もやっているのだが、ギチギチ詰められるのがトラウマ化して、書類を上司に上げるのにものすごく慎重になった。最近は、差し戻しが数回あることは最初から織り込み、書類のタイトルに「第1案」、「第5案」などと何度差し戻されて加筆修正を加えたかがわかるような工夫を凝らすことにしている。だからといって改善されたわけではない。

それだけ細かいことを当のご本人もよく承知していて、それでもそうやって細かいところを見てしまうのはもう習性としか言いようがない。知っていても直らないのだから。

それにしても、今晩の残業中の上司の発言には困った。他の部署から僕にコメントを求めるメールが来ていて、そのCCを上司が先に読んで、書かれていることが不十分だ(だからコメントでそこを指摘して欲しい)というご趣旨だったのだが、僕はそのメールの内容のどこにどのような問題があるのか、さっぱり理解できなかった。一度は「何でしたっけ?」って聞けたけど、再度説明されている趣旨もやっぱりわからなかった。僕は上司ほど明晰な頭脳は持っていないから、ついていけないのである。僕にしてみれば、別に他部署の書類で、僕がコメントしたからと言って大勢には殆ど影響ないからコメントしてもしょうがないと思うのだが、そういうのが許せないらしい。(別の機会には、他部署の作成した書類に律儀にコメントしていたら、「私達の部署には何のメリットもない」と苦言を呈されたこともあったのだが…)

比較優位と絶対優位という言葉があるが、おそらく僕の上司は何をやらせても僕よりも細かく完璧な仕事ができるだろう。僕に対して絶対優位にあると思う。でも、もうどうしょうもないような優劣があるのならともかく、そうでなければ相対的にモノは考えなければいけないと思う。中には中間管理職の僕に比較優位がある仕事もあるのではないだろうか。それを絶対優位の考え方で全部細かくチェックしてたら、それこそ上司ご本人に余裕がなくなるし、そんな上司に部下はなかなかついて来れないのではないかと思う。それに、何よりも上司ご本人の身体がそんなことで持つのかなという心配もある。

ほどほどにしましょうよ。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0