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桂望実著 『県庁の星』 [読書日記]

桂望実著、『県庁の星』、小学館、2005年9月

昔、『お役所の掟』という本が流行ったことがあるが、その中で書かれていた役人の行動原理を、税関ではなく県庁に置き換え、県庁でもエース級の職員が1年間地元スーパーに「研修」に出て、そこで民間企業の従業員との間で起こす軋轢と行動変化を描いたのがこの小説だ。

このようなタイトルから容易に想像がつくお決まりのストーリーである。だから、書店に平積みされていても買う気にもならなかった。たまたま近所のコミュニティセンターの図書館の新着コーナーで見つけたので借りて読んでみた。お決まりのストーリーだから、読むのにほとんど苦もなかった。

民間的視点では全くペケの役人研修員が、急に変わっていく局面の描き方がちょっと不十分じゃないかという気がした。そこから後の劇的展開は、ちょっと雑過ぎないかとも思ったが、まあエンターテインメント的読み物として割り切れば気にはならないだろう。

僕は、公務員として相当に仕事ができる人間というのは民間企業でもそこそこ仕事ができるものだと信じている。逆に公務員として本当に仕事ができない人間は、民間に行っても仕事はできないと思う。最近はお役所でも顧客志向が強まっているので、単に規程通りに書類を回すだけがお役所の仕事ではないとは思っているけれど、襟元は正す必要があることは間違いない。


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