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『Markdownライティング入門』 [仕事の小ネタ]

Markdownライティング入門 プレーンテキストで気楽に書こう! (技術の泉シリーズ(NextPublishing))

Markdownライティング入門 プレーンテキストで気楽に書こう! (技術の泉シリーズ(NextPublishing))

  • 作者: 藤原 惟
  • 出版社/メーカー: インプレスR&D
  • 発売日: 2018/12/14
  • メディア: Kindle版

内容紹介
【プレーンテキストでらくらくライティング!Markdownを使いこなそう!】
本書は、文章を書く=ライティングを「気楽に」行うための道具としての「Markdown」形式を紹介し、その使い方を詳しく解説しています。Wordなどのワープロソフトに限定されることなく、テキストエディタやMarkdown専用エディタ、ポメラなどの文書入力専用機、さらにはスマートホン上でも「見出し」や「強調」といった文章執筆に必要な情報を共有するための書式であるMarkdownの書き方やその定義や起源を、初心者でもわかりやすく紹介しています。
【Kindle Unlimited】
『聲の形』の大今良時先生が表紙を描かれているのが特徴的な本。Markdown言語についてはあらかたネット上の情報で使いこなせるようにはなってきていたので、復習ぐらいのつもりでサラッと読んでみた。HTML形式よりもはるかに簡単なので、わざわざ解説書を買って読まないと使いこなせないという言語ではない。それを丁寧に140頁以上にも膨らませて書かれている。

そこまで詳述しなくても…と思ったところも相当あるし、記述に重複も所々見られる。けれど、本書を書くのにもMarkdownを使うのにこだわったそうだし、全体を通じて、著者のMarkdownへの愛は感じられる。それと、この著者は書くのが好きなんだろうなぁというのもひしひしと感じる。

ちなみに、僕も先々週くらいから、必要に駆られてMarkdownを用いて独自のウェブサイトを構築すると言う取組みに着手した。僕の場合はVisual Studio Codeをテキストエディターとして使っているので、本書にVS Codeへの言及がなかった点にはちょっと物足りなさはあった。

本書に書かれているようにやってみたけれど、VS Codeではうまく行かなかったケースとして、「強制改行は「行末にスペース2つ」」というのがある。僕は元々半角英数字を使ってウェブサイトを書いているが、それでは何も起こらなかった。

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『一番わかりやすい!メタバースざっくり知識』 [読書日記]

一番わかりやすい!メタバースざっくり知識 (KAWADE夢文庫 K 1192)

一番わかりやすい!メタバースざっくり知識 (KAWADE夢文庫 K 1192)

  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2022/10/13
  • メディア: 文庫
内容紹介
進化のカギを握る技術とは? 私たちの仕事や暮らしは今後どう変わる? ……仮想空間の“今”と“これから”を解説。
【MT市立図書館】
市立図書館で別の本を予約していたのだが、いずれもちょっと厚めの実用書だったので、1冊ぐらいさらっと読める文庫か新書サイズの本を加えようと考え、蔵書棚を物色して気になった本を選んだ。こういう借り方は今後もするかもしれない。

どうして本書だったかというと、先月藤井太洋『オーグメンテッド・スカイ』を読んだ際、その感想として、「実際にVRゴーグルを装着して、誰かが没入しているところをメタで見るような経験があればもっとイメージしやすかったかもしれない」と書いていたからだ。VRゴーグルを装着してVR体験をしたことが全くないというわけではないが、なんかイメージしづらかったのだ。たぶん、この作品では、ゴーグルを装着していた生徒とそうではない観客としてその場にいた生徒がいたと思うのだが、最大の疑問は、ゴーグルを装着していなかった生徒がどれくら没入できるのか、それとそもそも彼らはゴーグルを付けずに何を見ているのかということだった。

よくわからないので、取りあえずVRも含め、「メタバース」の現在位置を知っておきたいと思い、こういうざっくり知識の本を読んでみることにしたのである。

結論から言うと、ゴーグルを装着しない領域での話であっても十分「メタバース」の定義には入って来るのだというのが理解できた。いや、そうじゃなきゃJR東日本とか三越伊勢丹とかが本書で取り上げられることはなかったのではないかと思う。それに、「あつ森」や「マインクラフト」もこの執筆チームの定義では「メタバース」として引っかかって来る。僕は思うところがあって最近マイクラ(マインクラフト)の教育版をダウンロードしてちょっとだけかじってみたが、こういう場で自分なりのコミュニティを作ることも「メタバース」なんだと気付かされた。

『オーグメンテッド・スカイ』のような、東大合格者が毎年1人出るか出ないかという程度の進学校であってもVR作品で全国や世界と戦ったりできるというところまでは、まだVRも一般普及はしていないということなんですかね…?

で、類は友を呼ぶというか、こんな本を読んだ後先週末横浜に行ったら、YOXO Festival(ヨクゾフェスティバル)というお祭りが行われていて、時間の制約上唯一訪れることができた横浜ハンマーヘッドの会場では、VR関連の展示がものすごく多かった。これまた時間の関係で、僕はある特定のブースに出かけて出展作品とその製作者と話をするので多くの時間を費やしてしまったが、そのブースの後ろで親子連れがラップトップで格闘していたのが「マイクラ」であった。主宰されている方とお話しして、「ゲームとしてではなく、自分なりの建造物をデザインしてアップできるという点で、オジサンでもマイクラには興味があるのです」とアピールしておいた。

今はあまりマイクラにかけるだけの余力はないのだけれど、今受講中の研修が7月に首尾よく卒業を迎えることができたら、ちょっとばかしかじってみたいと思っている。


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『「インクルーシブデザイン」という発想』再読 [仕事の小ネタ]

「インクルーシブデザイン」という発想 排除しないプロセスのデザイン

「インクルーシブデザイン」という発想 排除しないプロセスのデザイン

  • 出版社/メーカー: フィルムアート社
  • 発売日: 2014/06/26
  • メディア: 単行本

【MT市立図書館】
2022年10月に一度読んでブログでもご紹介もしている本なのだが、少しまとめてインクルーシブデザインを扱った書籍を読みたいと思い立ち、手はじめに市立図書館で借りて読むことにした。

前回「ハードカバーでも電子書籍でもいいので原書でも1冊手元に置きたい」と感想で述べているのだが、読み直してみて改めて同じ感想を抱いた。中古でもかなり高価で、そんなに簡単に手に入る本ではないので、迷った時にまた図書館で借りて読むしかない。

前回(2022年10月)と今回とでは、自助具のデザインというところでの自分の経験値がちょっと上がっており、またデザイナーと医療従事者(介護従事者も含めて)との間での緊張関係というのも目の当たりにした。1年数カ月の間に起こったこと、見てきたこと、そして実践したことが、本書を読み返す時にも新たな視点を用意してくれていて、読みながら腑に落ちるところが多かっただけでなく、前回読んで響いたところとは違う箇所の記述に共感を覚えたというのも多かった。

面白いことに、前回のブログでの紹介記事でも何カ所かの引用をそのまま掲載していたのだが、今回の再読で付箋を付けた箇所が、1ヵ所を除いてことごとく前回と重複していなかった。前回の記事でもしかなり本文に踏み込んで紹介している場合は、再読時の紹介記事ではそれほど詳しく記事を書いたりしないことが多いのだが、本書のついては勝手がちょっと異なる。今回自分が共感を覚えた箇所を改めてご紹介していきたい。

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『マンガでわかる! 認知症の人が見ている世界2』 [読書日記]

マンガでわかる! 認知症の人が見ている世界2

マンガでわかる! 認知症の人が見ている世界2

  • 出版社/メーカー: 文響社
  • 発売日: 2022/09/08
  • メディア: 単行本
内容紹介
今なお続く新型コロナウイルス感染症の流行。国立長寿医療研究センターによれば、コロナ禍で孤独が募ることにより、認知症の人の認知機能の低下リスクは2.7倍に高まったことが報告されています。家族との面会が制限され、面会は窓越しやオンラインが中心。コミュニケーションもマスク越しとなり、そのためか、徘徊や不穏などの症状が悪化してしまうケースが介護現場から数多く報告されています。超高齢社会に突入した日本では、認知症患者が増えつづけており、認知症の人とどう接するかは、多くの人にとって重大な関心事といえるでしょう。

本書は、認知症の人が見ている世界と、周囲の家族や介護者が見ている世界との違いをマンガで克明に描き、困った言動への具体的な対応策を紹介していきます。本書を読んで認知症の人が見ている世界を理解することにより、認知症の人への適切な寄り添い方を知り、毎日の介護の負担を軽減する一助としてください。
【コミセン図書室】
なぜだか知らないが、既に第3巻も出ているこのシリーズ、第2巻だけがコミセン図書室に所蔵されている。去年9月のアマゾン介護部門書籍のベストセラー第1位だったそうだから、第1巻を差し置いていきなり第2巻だけを入れたということなのかもしれない。できれば、第1巻も第3巻も入れてほしいものだな。それくらい理解しやすい構成になっている。

本書を手に取ったのは、マンガで開設されていたのが大きいが、3年前の今頃、介護士のお世話になっていた父のことを思い出しながら、あの時どうすればよかったのか、一度考えてみたいと思ったのも理由としてはある。次は義父にも少し認知症の気配が見えてきたこともあるし、僕自身の最近の忘れっぽさとか、物事への集中のできなさとか、これは老いとともにある程度予想されうることなのか、それとも自分の認知能力が低下しつつあるのかとか、自分自身のこととして、気になることもあった。

妻は自分の父親に対してはけっこう厳しいことを言うし、僕に対してもそういうところがある。嫌な感じがすることもあるが、関係を壊したくないから不快感を表明するよりも自分の中で呑み込むことが多い。本書でいうところの「スピーチロック」の軽いバージョンかもしれない。

そういう、認知症の人にやっていいこととやるべきではないことの整理が、本書を斜め読みするだけでもけっこう進んだ気がする。読んだことをその局面局面ですぐに思い出して実践につなげられるかどうかはわからないが、そうでなくても時々パラパラとページをめくり、あの時の自分の取った措置は適切だったのかどうか、振り返ってみるという使い方なら結構有用だろう。


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『電子工作真ガイド』 [仕事の小ネタ]

電子工作真ガイド

電子工作真ガイド

  • 作者: 三才ブックス
  • 出版社/メーカー: 三才ブックス
  • 発売日: 2022/09/16
  • メディア: Kindle版
内容紹介
本書は主に月刊『ラジオライフ』の特集や連載で掲載してきた、電子工作やAV機器の改造記事から、特にインパクトのあったものをセレクトし、再編集したムックです。電子パーツや回路記号の基本といった最低限の基礎は抑えつつも、思わずマネしたくなるような工作ネタを詰め込んだ構成になります。初心者向けに丁寧にステップアップして…というよりは、ワクワクできる工作かどうかを重視した構成なのですが、結局のところ、興味の趣くまま手を動かしていくことが、スキルアップの近道になるので、ある意味、究極のビギナー用ガイドかもしれません。かなりスパルタ式ですが(笑)。今回は巻頭企画に、各種イタズラ工作をまとめました。昭和時代の伝説的なネタである「写ル○ですのスタンガン化」をはじめ、100均アイテムを使ったプチ感電装置、赤外線リモコンジャマー…などが並びます。ぜひ自分だけのスペシャルな玩具を作り上げて下さい!なお、別冊付録は秋月電子のキットカタログの最新版。見逃せない新商品に加え、売れ筋の定番商品も収録しているので、1冊持っていると便利です。工作のヒントになりますよ!
【MT市立図書館】
この本も、前々回紹介した『電子工作が一番わかる』と同様、藁にもすがる思いで図書館で借りた1冊である。2022年9月に一時帰国した際、書店店頭に置いてあったのをパラパラめくり、面白そうだと思っていたけれども購入には至らず、約1年半を経過した後に図書館で再会することになった。

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『美術手帖 2022年2月号』~ケアの思想とアート [読書日記]

美術手帖 2022年 02月号 [雑誌]

美術手帖 2022年 02月号 [雑誌]

  • 作者: 美術手帖編集部
  • 出版社/メーカー: カルチュア・コンビニエンス・クラブ
  • 発売日: 2022/01/07
  • メディア: Kindle版
内容紹介
医療や福祉の現場における意思決定のプロセスや、ケア労働とジェンダーの問題などが議論されるなかで、自己責任の限界を提唱する「ケア」の概念が注目されてきた。本特集では、介護や子育てといったケア労働を扱った作品から、 他者との関係性のなかにある自己について考える作品まで、広く「ケア」の思想に通じる活動をする作家やプロジェクトを取り上げる。美術はこれまでも、異なる身体や感覚を持つ人々が他者について想像する契機となってきた。コロナ禍により、かつてなく生命の危うさに向き合わざるをえない今日、私たちはいかにして個人主義的な価値観を脱し、ともに生きることができるのか。アートの視点から考えてみたい。
【MT市立図書館】
何の気なしに市立図書館に立ち寄り、最初は借りる気がなかったのに、日本を離れていた2年半の間に『美術手帖』ではどんな特集が組まれたのかとふと気になり、書庫を物色して1冊だけピックアップした。

「ケアとアート」という組み合わせに新鮮さを感じた。インタビューや対談等で構成されているのだが、スミマセン、読了から数日経過しているのと、気になった既述に付箋をふるような作業をしてなかったので、具体的にどこの誰の言葉が気になったのかまではここでは書けない。ただ、なんとなくだけれど今ちょっと注目されている障害当事者の方が描かれた絵やデザインを売るビジネスというのに、なんだか新しい境界線を画定しているような違和感があって、それを言語化してくれている記述があったのだけは記憶に残っている。

本書で登場されているアーティストや研究者の方々が、キュレーションや研究プロジェクトの背景にあった考え方とか日頃感じておられたモヤモヤ感を、どうしてこんなに言語化できるのだろうか―――自分がブログで記事を書いていて、そういう、ニッチなところを的確に突いてくるような文章表現がなかなかできないので、僕はこういう本で登場する人々の言語化能力の高さにちょっと圧倒されたところがある。

今読んでいる別の本の中に、「エクストリームを理解することによって、メインストリームを変革することができる」という表現があった。アート作品というよりも、ここでは実装がある程度前提となっているプロダクトデザインの文脈の中での記述だったと思うが、利用する上でのエクストリームなシナリオこそが新しい製品アイデアや操作方法のイノベーションを圧倒的に生み出してきたという指摘を見ながら、それはケアとアートの接点領域においても言えることなのかもしれないと思った。

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『電子工作が一番わかる』 [仕事の小ネタ]

電子工作が一番わかる (しくみ図解シリーズ)

電子工作が一番わかる (しくみ図解シリーズ)

  • 作者: 馬場 政勝
  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2022/08/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
電子工作の知識も楽しさも得られる1冊
電子工作は、半導体素子(特に能動素子)を用いた工作のことで、アナログ回路でラジオの製作や、音響機器の製作などを行っていました。その後、デジタル回路が工作に採用されるようになり、デジタルICが登場し、電気で動くものならほとんどつくることができます。本書では、電子工作ができるために必要な知識の習得を目的とし、回路図や配線などの基礎知識を説明します。
【MT市立図書館】
今夜から、6カ月のデジタルものづくり人材養成プログラム受講が始まる。自分が今持っているスキルを自己分析してみると、ものづくりに必要なスキルとしては、①3Dデザイン、②電子工作、③プログラミング、④UI/UX(ユーザーインターフェース・ユーザーエクスペリエンス)、⑤機械操作の5つらしいが、このうち今の僕が辛うじてできるのは①と⑤ぐらいで、あとは本当に覚束ない。しかも、講義も実習も、さらに課題の取組み状況やプロジェクトの進捗状況の記録は全て英語で行わねばならない。これから6カ月間、相当な覚悟が必要だ。

年が明けてからの3週間、ドキドキしながら過ごしてきた。手をこまねいていて、開始と同時に怒涛の英語ラッシュにさらされるのは怖いので、少しでも予習できることはないか、藁をもすがる思いで模索を続けてきた。

「電子工作は経験。不安ならとにかくやれ」——先輩方からはそう言われた。「はんだ付けが覚束ないなら、はんだ付けの練習をしろ」とも言われた。それは確かに一理あるので、それはそれで、始めたこともある(最初にやったのは、はんだごてを購入することだったのだけれど)。また、比較的最近発刊されている電子工作入門書で、できるだけ簡単そうなものを、図書館で借りてひと通り読み切ることだとも考えた。市立図書館のHPで検索して、4冊ほどリストアップして、貸出予約した。うち2冊は貸出中だった。ああ、近所に同様に電子工作について勉強しようともがいている人がいるんだと思うと、なんだか嬉しくなった。

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『オーグメンテッド・スカイ』 [読書日記]

オーグメンテッド・スカイ (文春e-book)

オーグメンテッド・スカイ (文春e-book)

  • 作者: 藤井 太洋
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2023/06/22
  • メディア: Kindle版
内容紹介
僕たちは、テクノロジーで世界(CODE)を「書き直す」。片田舎の少年たちが、世界を向こうに仕掛けるゲリラ戦。武器は〈知恵〉と〈友情〉、報酬は〈自由〉。SF小説の旗手が、VR世界大会を舞台に紡ぐ青春ハック小説。2024年、鹿児島。県立南郷高校に通うマモルは、男子寮の次期寮長に指名される。下級生の指導や揉め事の解決など、マモルの負う役割は大きいが、なかでも、学生VR全国大会出場に向けてチームをまとめるのが最重要ミッションの一つである。昨年敗れた先輩たちの雪辱を果たすべく、準備を進めるマモルだったが、大会事務局の対応にある違和感を覚える。同じ頃、アマチュアVRの世界大会「ビヨンド」の存在を知り、自分たちの進むべき新たな道を見出していく。
【コミセン図書室】
昨年後半はほとんど本が読めない状態が続いたので、年末を迎える頃には、極端に読むスピードが落ちていた。この1月はそこからのリハビリだとばかりに読書に力を入れ、かなりの冊数の本を読むようにしてきた。

ジャンルも問わず、気になった本はなるべく手に取るようにしてきた。歴史小説もあれば、新書もある。直木賞候補作品もあれば、僕の住む町ゆかりの作家の最新作というのもある。一昨年だったか、「今年はもっとSF作品も読むぞ」と宣言し、藤井太洋の作品を何冊か読んでいたが、振り返ると昨年は『プロジェクト・ヘイルメアリー』ぐらいしか読んでいない。

今月久々に近所のコミセン図書室に行ったら、新着本の棚にいきなり藤井太洋の新作が陳列されていたので、内容はよくわからなかったけれど、取りあえず借りてみることにした。冒頭の内容紹介にもある通り、今回のテーマはVRである。実際にVRゴーグルを装着して、誰かが没入しているところをメタで見るような経験があればもっとイメージしやすかったかもしれないが、残念ながらそういう経験が僕にはないので、十分理解できたわけではない。でも、高校生が1つの目標に向かって数カ月にわたって取り組む姿を追いかけるだけでも十分楽しめるので、SFに造詣がなくても読める作品にはなっている。

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『「あまった食べ物」が農業を救う』 [持続可能な開発]

「あまった食べ物」が農業を救う (PHPサイエンス・ワールド新書)

「あまった食べ物」が農業を救う (PHPサイエンス・ワールド新書)

  • 作者: 山田 浩太
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2012/05/19
  • メディア: 新書
内容紹介
国全体で6割の食料と、大量の肥料を輸入し、その後食料の3割近くを廃棄する国、日本。一方でほとんどを海外に依存している化学肥料は、すでに入手困難が指摘されるものもあり、国際関係の動向にも大きく左右される。膨大な無駄と深刻な危機を乗り越えるのは、生ゴミや家畜糞をきちんと発酵させ、有機質肥料として活用する社会だ。さらに「有機農業」の危険性にも注意を払いつつ、自ら循環型農業に取り組む農業コンサルタントが語る。
【MT市立図書館】
この本との出会いは今月初旬に遡る。市立図書館から最初に借りたのは妻である。経緯は詳しくは知らないのだけれど、市の活動助成をもらってコンポストづくりのハンズオンワークショップを妻が企画した。助成金の申請からプレゼンと1人でこなしてきた妻は、いざ助成決定後は今度はワークショップの募集、講師との連絡調整、使用資機材の事前調達、プログラムと当日配布資料の作成、参加者アンケートの作成等の多くの準備を1人でこなしてきた。もちろん協力者はいたのだけれど、助成金をいただいてくるところは僕にも経験がなく、よくやったと敬服した。その後の準備に関しては、その手のワークショップをやたらと企画実施してきた僕から見ていてちょっと肩の力が入りすぎているかなと思った。「案ずるより産むがやすし」だと何度か言ったけれど、「初めてなんだからしょうがないじゃん」とずっと不安がっていた。

先週末、そのワークショップの1回目が終わったので、ホッとしている様子が窺える。僕よりも良質の実践経験を積めたのだから、羨ましいとすら思う。

さて、そんな妻が、空き時間を見つけては、不安を紛らすために読んでいたのが本日ご紹介するこの本である。たぶん、妻の企画していたコンポストづくりのワークショップは、実際に近郊農業で小さな畑を持ってやっておられる参加者が多いので、世帯レベルでの資源循環になっているのだと思われるが、本書の著者が取り組んでいるのは地域レベルでの資源循環の実現で、そうなると生ごみや家畜の糞尿から有機質肥料を作ってもそれを使って下さる農家さんや、作物を買って下さる消費者の理解が必要となる。話が大きくなればなるほど難易度は上がる。

ワークショップ1回目を前に妻が本書を読了して図書館に返却したタイミングで、今度は僕が借りて、ざっと斜め読みをしてみた。

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『羆嵐』 [読書日記]

羆嵐(新潮文庫)

羆嵐(新潮文庫)

  • 作者: 吉村昭
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/03/01
  • メディア: Kindle版

内容紹介
北海道天塩山麓の開拓村を突然恐怖の渦に巻込んだ一頭の羆の出現!日本獣害史上最大の惨事は大正4年12月に起った。冬眠の時期を逸した羆が、わずか2日間に6人の男女を殺害したのである。鮮血に染まる雪、羆を潜める闇、人骨を齧る不気味な音……。自然の猛威の前で、なす術のない人間たちと、ただ一人沈着に羆と対決する老練な猟師の姿を浮彫りにする、ドキュメンタリー長編。
【MT市立図書館】
読了の順番は前後するけれど、妻の名前で借りた本は早めに返却した方がいいと思うので、先に書いておく。

日本における史上最悪の獣害といわれる「三毛別羆事件」を扱ったドキュメンタリー小説。昨年の海外駐在時代、テレビとは無縁の生活を送っていた僕の癒しはYouTubeであった。その中の1つに、北海道の廃道・酷道・廃墟探索をテーマで動画配信されている方のサイトがあり、そこで昨年、三毛別羆事件の舞台を車で走るというものがあった。

小学生時代によく学校の体育館や公民館で開かれていた教育映画の上映会で、夜囲炉裏を囲んでいたところをクマに襲われるシーンがあったと記憶している。いきなり壁板をぶち破って入って来るクマの姿が強烈だったので、三毛別の動画を見た時、もしかしたらこの羆事件絡みの映画だったのかなとも思った。でも、調べてみるとやはりわからない。

別に調べたからといってその映画がまた見てみたいと思ったわけではないのだけれど、小学生時代まではよく開かれていた映画上映会も、今はどうなっちゃったのかなと少し寂しい気持ちには駆られる。

三毛別の件は自分の中ではそれでおわっていたのだけれど、先週たまたま妻と2人で市立図書館を訪ねた際、僕は図書館カードを携行しておらず借りる気はなかったのだけれど、貸出図書の返却ラックにたまたま『羆嵐』の表紙を見かけた。単なる偶然だったのだが、これも何かの縁かもしれないと思い、妻の図書館カードで借りることにした。

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