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ごみ収集車運行状況確認アプリ [ブータン]

ティンプー市のごみ収集管理アプリ
‘Thimphu Thromde Waste App’ – tracking waste collection trucks
Choni Dema記者、BBS、2022年6月6日(月)
http://www.bbs.bt/news/?p=170368
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【抄訳】
ティンプー市民はごみの廃棄のために路上で長時間待たなくても済むようになる。JICAブータン事務所がごみ収集車の運行状況を確認できるモバイルアプリを導入したからだ。このアプリは、今日ローンチされた。

「ティンプー市ごみアプリ」と名付けられたこのアプリは、市内を走るごみ収集車が今どこにいるか、リアルタイムで把握できる。収集車が自宅玄関前に来るまでにどれくらい時間がかかるのか、市民は知ることができる。これは、首都の住民が長年直面してきたごみ収集のタイミングや収集日程の見える化の問題への対応策ともなる。

これまで、ごみ収集車の運行状況は、市当局とごみ収集受託企業のみが把握していた。市役所の環境担当官補佐であるレクザン・ジャイエ・ドルジさんはこう述べる。「市民から私たちに寄せられる苦情の多くは、ごみ収集車が時間通りに収集に来ないとか、来ても素通りしてしまうというものでした。こんなことが起きると、市民は怒り、ごみを自宅近くに放置し、それが野犬に荒らされて、さらに大きな問題をもたらします。」彼女は、このアプリが収集車の場所をリアルタイムで知らせ、市民は収集車が自宅の軒先に来てくれるタイミングを知ることができると述べた。

JICAブータン事務所は、このアプリの開発をブータンのIT企業に外注した。日本政府はさらに20台の新しい収集車を供与しており、市内のごみ収集の円滑かつ高頻度の実施を可能としてくれている。

これは素晴らしいですね。どういうODAスキームを使ったのかわからないが、先般供与されたごみ収集車の無償資金協力のソフトコンポーネントなのだろうか。それとも、何か別のスキームなのだろうか。

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スーパーファブラボの概要 [ブータン]

王子殿下、JNWSFLとファブラボネットワーク発足を祝福
HRH Gyalsey inaugurates JNW Super FabLab and fablab network
無記名記事、Kuensel、2022年6月6日(火)
https://kuenselonline.com/hrh-gyalsey-inaugurates-jnw-super-fablab-and-fablab-network/
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【要約】
王子殿下は土曜日、ティンプーテックパークにおいて、ジグミナムゲルワンチュクスーパーファブラボ(JNWSFL)及びブータンにおけるファブラボネットワークの発足を祝った。

ファブラボネットワークとは、パロ県パンビサのDruk Gyalpo’s Institute、ゲレフのJigme Wangchuck Power Training Institute、ロベサの自然資源単科大学(CNR)のバイオラボという、3つのファブラボから構成されている。

ファブラボとは、米国MITにおいて開発されたコンセプトで、誰もがほとんど何でも作れるコンピュータ制御によるツールやマシンが配備された施設。

JNWSFLは米国国外のスーパーファブラボとしては世界で2つめとされ、ハイエンドで最新の機械が配備されている。国内の他の小規模なファブラボとともに、JNWSFLはこれからの企業家や自分で何かを作りたいと考えている人々に、上級のCNCマシンやロボティックス、3Dプリンティング、3Dスキャン、画像解析、ロジックアナライザ、電子回路製作、その他アイデアを具体的に試作につなげるのに使えるデジタル工作機械へのアクセスを提供する。

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JNWSFLとブータンファブラボネットワークは、イノベーションとクリエイティブな文化を醸成するプラットフォームを作りたいとする国王陛下のビジョンに沿って行われたイニシアチブの1つである。これは「ブータンにおけるイノベーションとファブリケーションを通じた発明」という上位プロジェクトの1つで、好奇心を持つ人々に、我々が直面する課題に対する次世代のソリューションを作り出すようインスパイアすることを目的としている。これらのファブラボは、あらゆる年齢層の人々を巻き込み、活力ある学習環境を作り、この国のスタートアップエコシステムを強化するためのツールやプラットフォームを提供することが期待されている。

JNWSFLはドルックホールディングス(DHI)、王立STEM教育協会(RSSTEM)、MITビッツ&アトムズセンターによって共同設立された。プロジェクトのスポンサーは米国国務省で、ワシントンDCのブータンファンデーションを通じて資金拠出が行われ、DHIとの協調融資が行われた。(中略)

国内の他のファブラボは、ブータン政府が、労働人材省を通じて資金拠出したもので、国民総幸福量委員会(GNHC)が支援した。

JNWSFLはDHIのイノテック部により管理運営される。他の標準ファブラボはDHIを戦略的調整機関としたうえで、各機関がそれぞれ管理運営を担う。

土曜日の開所式から1日はさみ、週明け月曜日のクエンセルが、第1面でこの発足式について取り上げていた。BBSの報道が王子殿下の初の公務の方にもかなりウェートを置いた報じ方をしていたのに対し、クエンセルはJNWSFLと「ブータンファブラボネットワーク」というのに重きを置いた報じ方になっている。

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「ファブラボ・マンダラ」あってこそ [ブータン]


6月4日(土)、ジグミ・ナムゲル・ワンチュク・スーパー・ファブラボ(JNWSFL)がティンプー・テックパーク内にオープンした。当日の開所式には、王子様が主賓として招かれ、王子様として初めての公務を無事に果たされた。

JNWSFLの概要については、機会があればまた紹介したいと思う。当日の会場の様子を報じたBBSの動画でも、ドルックホールディングス(DHI)のウジュワルさんがインタビューで結構語っているし、動画でもなんとなくJNWSFLの雰囲気は伝わると思う。まあ、いずれご紹介します。

僕もJNWSFLの開所式に列席したが、2017年7月のファブラボ・ブータン(現ファブラボ・マンダラ)の開所式も目にした僕にとっては、一種のデジャブだった。時の首相の列席。黒色のスタッフTシャツ。スタッフは皆輝く顔で、陳列される新しい機械の操作を嬉々として来賓に説明する。来賓はよくわからないけどなんだかすごいことをやってくれてる、これこそブータンの未来だ、頑張ってほしいと納得顔で笑う。どれも5年前にあった話である。

陳列されている初期の試作品の中に、PETボトルからPETフィラメントを再生する簡単な装置があった。3Dプリンターや小型CNCの試作品も展示されていた。PETフィラメント生成装置は、いずれJNWSFLとDHI傘下の3つのファブラボには標準装備されるという。

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で、これらの試作品、JNWSFLのスタッフが作った。それは間違いない。でも、必ずしもJNWSFLのスタッフが独自にアイデア出しから企画立案して、製作したというわけではない。ファブラボ・マンダラが今ホストしている6カ月間のものづくりブートキャンプ、「ファブ・アカデミー」に、DHIから派遣されている受講者が、グループワーク演習の一環として試作したものが含まれている。

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研修は、1カ月で終わりました [ブータン]


この技能研修、注目してたんですよね。3月末にブログでもご紹介した際、募集案内には「2カ月」と書いてあった。3Dプリントの研修に2カ月は時間かけすぎやろと思ったので、シラバス入手できないものかと少し手をまわしたが、入手できなかった。でも、2カ月で募集をかけておきながら1カ月で修了させるって、そもそもシラバスがあったのかどうかも疑わしい。

そんな研修が、チュメ職業訓練校で5月27日に修了式を迎えたと報じられたわけだけれど、お詫びや訂正があるわけでもなく、淡々と修了したことだけが報じられている。僕もこんなに早く終わるとは思っていなかったので、ティンプーの知人から「Facebookにこんなの出てますよ」と知らされるまで、修了式の話はまったく知らなかった。

理由は何だったんでしょうかね。5月16日の労働人材省Facebookページには、同じような3Dプリントの研修を、ゲレフのジグミワンチュク電気訓練所(JWPTI)で行うとして、5月26日を応募締切日に募集開始するとある。研修開始は6月15日だそうだ。これもまた急な話だ。JWPTIは6月4日にファブラボを開所するので、それとの関連かもしれない。ただ、開所するためのファブラボJWPTIの代表者は現在ティンプーで研修中で、少なくとも6月いっぱいはその研修自体が終わらない。この代表者が不在の状態で、ファブラボを会場として提供してやっちゃうのだろうか。そしてその時のインストラクターは、チュメでのお仕事を終えられた韓国人のシニアの方なのだろうか。

5月31日、たまたま労働人材省の技術訓練局に伺う機会があったので、訊いてみた。元々JWPTIは同省傘下の職業訓練校で、今度ファブラボができて3Dプリンターが6台入る。さらに今後はここで3Dプリントの常設コースも開設するので、それに向けてさらに3Dプリンターが追加で導入され、15台ぐらいになるらしい。また、ファブラボの担当者が6月末まで不在なのも承知していて、6月15日からの研修をリードするのは、チュメ校と同じ韓国人のインストラクターなのだそうだ。

また、シラバスはちゃんとあるらしく、ショートリストに上がって外国人インストラクターからシラバス提供を求めて、それを評価してインストラクターを誰にするかを決めるらしい。外国人にこだわる理由は不明だが、欧米人だと人件費が高くつくので、韓国人やシンガポール人、タイ人、フィリピン人あたりが候補なんだとか。日本人も高いと言われた。

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小規模零細企業への新規融資凍結 [ブータン]

CSI開発銀行、新規融資を凍結
National CSI Development Bank stops disbursing loans- Paro
Namgay Wangchuk記者(パロ)、BBS、2022年5月25日(水)
http://www.bbs.bt/news/?p=169770
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【抄訳】
パロにある全国小規模零細産業開発銀行(以下、CSI銀行)は新規融資の実行を一時的に凍結している。不良融資債権(NPL)比率が今年3月、総融資残高の11%を越えた。同行のNPL比率の上限は5%と定められており、王立通貨庁(RMA)は同行に対して、追って通知があるまで融資実行を止めるよう求めたという。NPLとは、返済予定日から91日以上返済が滞っている融資債権を指す。

CSI銀行のNPLの増加は、同行の財務持続性に関する懸念材料となっている。昨年12月末時点で、NPL比率は5.23%を記録し、3月末には11.04%に達した。同行は農業部門に6億3700万ニュルタムの融資を行い、同様に畜産部門には7億8000万にゅるたむ、製造業・生産部門には4億ニュルタムを貸し出した。このうち、製造業向け融資が最も高いNPL比率を示している。その比率は15%にも達する。同行の製造業・生産部門への融資は、1件当たり最大1000万ニュルタムまで。農業や畜産部門は上限50万ニュルタムとなっている。同行によれば、この製造業・生産部門向け融資枠がNPL比率の高さにつながっていると分析されている。

同行CEOによると、パンデミックが製造業・生産部門のパフォーマンスを悪化させ、融資返済を滞らせたという。しかし、パンデミックに伴う行動制限が緩和されるにつれ、延滞している返済は行われるものと見ている。新規融資実行の凍結は長引かないというのが同行の見通し。

同行は、返済の改善に向け国内各地に支店の開設を急いでいる。他行での借入金による返済も受け付けている。CSI銀行は2020年の発足以降、20億ニュルタムを越える融資を行ってきた。顧客数は6,200にも及ぶ。

この記事だけを拾うと、CSI銀行にだけ問題が生じているように思われがちだが、4月27日(金)にはクエンセルもこの件を報じており、RMAは、CSI銀行以外にも、ブータン開発銀行(BDBL)及び王立ブータン保険公社(RICBL)に対しても、新規融資の実行を凍結するよう求めている。いずれもNPL比率の高まりが理由として挙げられている(⇒こちら)。

インタビューを受けているCSI銀行の担当者が、債権回収に楽観的な見通しを示していることは少し気になる。こういう報道が出ると、「それじゃうちも」と言って返済を滞らせる債務者が続出するのではないかと。

そういえば、去年、「銀行から融資を受けられた」と言って小切手を見せてくれた僕の友人K君、先月ぐらいから極端にレスが悪くなったなぁと気になり始めた。メッセージ送っても返信も来ないし、何かあったのだろうか…。
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プンツォリンの物価 [ブータン]

プンツォリンの物価は上がっているのか?
Is Phuentsholing becoming expensive?
Rajesh Rai記者(プンツォリン)、Kuensel、2022年5月27日(金)
https://kuenselonline.com/is-phuentsholing-becoming-expensive/
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【要約】
行動制限の緩和とともに、プンツォリンはゆっくりとパンデミック前の状態に戻りつつあるが、市民は物資の価格がティンプーよりも急騰していることを懸念している。例えば、タバコはティンプーだと1箱100ニュルタムだが、プンツォリンでは120~150ニュルタムする。

ソルチェンに運転手交代ポイントがあった頃は、ティンプーの方が物価は高かった。しかし、このチェックポイントが撤去された後、運送手数料が下がり、ティンプーの物価が安くなったのだという。ただ、本当の理由は、ティンプーの業者がプンツォリンよりも規模が大きく、製造業者から直接輸入しているからだと指摘されている。プンツォリンでは、製造業者から直接輸入している業者は多くない。

プンツォリンの事業主は、ほとんどがジャイガオンから仕入れている。ジャイガオンからの輸入には追加の運送料が日割りで加算され、さらに積替え手数料もかかる。

ティンプーの物価はまだ高いとの指摘もある。プンツォリンのお店なら80ニュルタムのものが、ティンプーだと150ニュルタムする。コンテナやカーゴを使って輸入する場合にこうした差が生じる。しかし、ティンプーやパロの方が品ぞろえが豊富だ。ハードウェアでもその傾向がある。これらはコロナ禍により人口が多い都市部に物資を供給する必要があったからだともいえる。

取材を受けた事業者は、関係機関はプンツォリン経済をパンデミック前の状態に戻していく方策を検討する必要があると指摘する。国境ゲートがオープンすると、プンツォリンはインド側のビジネスとも競争を強いられる。少なくとも40%の事業がインド側との取引に事業分散が行われると見られる。

プンツォリンの貿易事務所は今のところ物価や取引価格の問題について特段の苦情は受けていない。物価上昇が見込まれる中で、5月23日、貿易事務所は、自動車整備工場やサロン、パーラー、ホテル、レストラン、小売店、企業等を含む全事業者に、サービスチャージを明示するよう通達を出した。

プンツォリン貿易事務所のソナム・デンドゥップ所長代行によると、食用油の価格は、プンツォリンよりもティンプーの方が安いとのこと。ティンプーの物価の方が安いという点については、消費者保護局(OCP)が6月にレポートを発表したら、より明らかになるだろうと述べた。彼の事務所もOCPに対して市場価格情報(MPI)データを提出した。ソナム氏はさらに、COVID-19に伴うすべてのプロトコルが撤廃されたら、価格は下がるだろう。結局のところ、大きな違いは生じないと述べた。

プンツォリンに越してきてから当地でよく聞かれた指摘は、コロナの影響で、プンツォリンが中継地として機能しなくなったということだった。ジャイガオンから入って来る物資はいったんティンプーまで運ばれ、そこで仕分けされて一部がプンツォリンに流れてくる。輸送コストが2回かかるので、物価が上がったのだという。すべての物資がそうというわけじゃないかもしれないが、これは一理あるかも。

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社会への再統合への一歩となるか? [ブータン]

ハピネスセンター、14人に技能訓練を提供
Centre gives skills training to 14 clients
Rajesh Rai記者(プンツォリン)、Kuensel、2022年5月24日(火)
https://kuenselonline.com/centre-gives-skills-training-to-14-clients/
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【抄訳】
プンツォリンにおける薬物依存症回復支援ボランティアグループ「ハピネスセンター」の14人の回復者が、CSTで、エネルギー節約型建設、屋内電設、大工塗装、配管といった技能について研修を受けた。同センターが企画したもので、Nazhoen Lamtoen、CST、労働省、HELVETUSの支援を受けて、5日間の基礎技能研修として行われた。研修は5月20日に終了。HELVETUSが資金拠出したもの。

受講者の1人、ペマ・ドルジさん(21)は、屋内電設の研修を受けた。多くのことを学べたという。配線もできるし、家電製品に関係する電気関連の仕事だったらできるだろうと述べる。理論と実践を両方学べる、いい研修だったと振り返る。彼は2015年にクラス6を落第した。薬物依存が原因だった。彼はハピネスセンターの最初のクライアントの1人だ。

カルマ・ワンディさん(21)も薬物依存からの社会復帰を目指す1人。クラス10は修了。彼は配管の研修を受けた。「僕は家の配管工事ならたいていのことは修理できます。5日間の研修はとても実戦的で、忘れることはないでしょう。」彼はセンターに8カ月身を寄せている。

市内トールサとオムチュの合流地点にあるハピネスセンターは、再発予防のためのボランティアグループとして知られる。復帰途上にある全ての人々のニーズに応える取組みを行っている。現在、センターでは17人の回復者が暮らしている。

HELVETUSのタシ・ペム代表は、CSTでの修了式に出席し、ブータンの若者の失業者数は極めて深刻だと述べた。「小さな国なので、余計に深刻。若者に機会を提供することができなければ、社会として失敗します。」技能開発研修は、受講者に生きる目的と安定をもたらす。こうした研修はさらに推進され、若者はこうした機会をもっと活用していくことが必要。タシ代表はこう述べた。

ハピネスセンターの創設者の1人、バップ・ドジ・ゲレさんは、この研修はHELVETUSとの初めての共同プロジェクトだったと述べた。「HELVETUSはこうした作業に必要なツールもご提供下さいました。感謝しかありません。うちの若者たちの未来を形成していく長い道のりの、この研修は第一歩だと思っています。」

プンツォリンに引っ越してきて、僕はかなり早い時期にこの「ハピネスセンター」を訪問し、バップさんと面談した。記事の文面からはなかなか伝わらないが、このトールサとオムチュの合流地点というのは、アモチュ川の河原の一段目の段丘で、すぐそばにCOVID-19対策で作られた仮設住宅が立ち並ぶ一角がある。現在17人が暮らしているとあるが、3つほどの部屋しかなく、ベッドマットが床に敷かれ、その入居者はそういうところで寝泊まりしている。17人も暮らしているとしたら生活環境としてはかなり劣悪。HELVETUSのタシ代表も、修了式の後このセンターの共同生活の現場を視察して、絶句されていたと耳にした。

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だから言わんこっちゃない [ブータン]

障がい者のビジネス、軌道に乗るのに苦戦
Businesses of PwDs struggle to stay afloat
Yangyel Lhaden記者、Kuensel、2022年5月23日(月)
https://kuenselonline.com/businesses-of-pwds-struggle-to-stay-afloat/
【要約】
ブータン障がい者協会(DPO)がUNDPと韓国のKOICAの支援を得て障がい者による4件の起業を支援してから6カ月が経過するが、音楽学校のみが現在操業している状態。長引くロックダウンが事業に深刻な影響を与えている。

総勢45人の障がい者が、音楽や縫製、製パン・製菓、キャンディ製造の機材を供与され、グループでの起業を志した。パムツォでは、7人の障がい者が視覚障がい者によるクンフェルエンターテインメントという音楽学校を運営している。ロックダウン以前は、この音楽学校には30人程度の生徒がいた。現在の生徒数は3人に過ぎない。

この学校は音楽を教えるだけでなく、歌や音楽を録音し、作曲も手掛ける。メンバーの1人、サンゲイ・キンザンさんによると、自分や友人を独立させてくれた支援には感謝しているという。「私たちはいつも音楽を教えたいと思ってきました。でも、楽器を購入する資金がありませんでした。」

製菓店「ヘルシーオプション」は11月から営業開始したが、ロックダウン後は営業再開していない。製菓店を担当するブータン脳卒中財団は、事業計画の改定を条件に営業再開を決めたところだ。この製菓店は15人の障がい者によって運営される予定だった。しかし、12人だけが経営参加を決め、試行営業の期間中、わずか6人で経営せざるを得なかった。彼らはその収入を自分たちの間で分配した。

同財団の創設者であるダワ・ツェリン氏によると、メンバーをガイドできるメンターがいない状態で営業を行うのは、障がい者にとっては難問だという。「彼らはチームで働くことができませんでした。全員が何らかの異なる障がいを抱えているからです。資本不足と機材不足も問題です。」

ダワ氏は、メンバーに対し、月決めの報酬払いを提案し、ヘルシーオプションのブランドを、標準的なパッケージのブランドとして推進し、さらに製菓店で障がい者をガイドできるメンターを導入するよう、支援をドナーに対して働きかける計画だという。
《後半に続く》


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そこがバジョだから [ブータン]

バジョタン高等中等学校での水耕栽培実践
Hands-on hydroponic farming taught in Bajothang Higher Secondary School
Changa Dorji記者、BBS、2022年5月22日(日)
http://www.bbs.bt/news/?p=169659
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【抄訳】
学びのスタイルは皆が違うが、ほぼ全員が平等に学べるスタイルが1つある。実践的学習である。ワンデュポダンのバジョタン高等中等学校(HSS)の農業食料安全保障科目では、生徒は水耕栽培施設を通じて栽培の実践を学んでいる。

土壌を用いずに作物を育てるという水耕栽培がバジョタンHSSに導入されたのは先月のこと。今では、トマト、ニンニク、トウガラシ、レタスが、栄養素を溶かした水によって育てられている。この施設が設置されてから、学習環境はより面白さが増し、実践的になった。

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学校農業プログラムの部員を含む農業食料安全保障を学ぶ200人以上の生徒は、毎日この施設を訪れる。生徒は実践的栽培法を試すだけでなく、スマート農業の技術を学んでいる。

シャルミラ・ライさん(生徒)「2週間で作物を育てることができます。通常の栽培法だとほぼ1カ月はかかります。これなら誰でもできます。骨の折れる作業がないので、お年寄りでも自宅でできます。」

テショック・ワンポさん(生徒)「水耕栽培の実習クラスは役に立ちます。こういった知識があれば、職に就けなくても将来こういうビジネスを立ち上げて生計を立てることができると思います。」

学校関係者によると、水耕栽培は生徒たちにとって魅力的な学習センターの1つとなっているという。ドイツが支援する「農村開発」プロジェクトで、総額13万ニュルタムで施設が導入された。バジョタンHSSは、水耕栽培施設が設置された国内最初の学校である。

キンレイ・ドルジ副校長「生徒は非常に短期間で自分の育てた作物が実ることに興奮しています。生徒にとって水耕栽培は初めての体験。今まで見たこともない子もいたようです。」

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農村開発プロジェクトの事務所では、こうした事業を他の学校でも複製していくため、教育省と協議を続けている。加えて、生徒たちは、養魚、キノコ栽培、養鶏といった他のタイプの農業についても体験していく。

農業プログラムのバラエティの豊富さが評価され、バジョタンHSSは農業省から、2019年と2020年に最優秀学校農業賞を授与された。

昨年、2年ぶりにブータンに来てから、水耕栽培についてブータン人が言及しているのを耳にする機会がとみに増えた気がする。しかも、いろいろな立場の人がいろいろな視点から水耕栽培をポジティブに語っている。ある人は、「肢体に何らかの機能障害があっても自宅でできる」と仰っている。スペース確保の問題もあるので、水耕栽培の施設をモジュール化して、狭い場所でもできるようなモジュールが開発されれば、普及はそこそこ進むかもしれない。

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21世紀型スキルに必要なもの [ブータン]

成人にも21世紀型スキルを
ASE to equip adolescents with 21st century skills
Phurpa Lhamo記者、Kuensel、2022年5月21日(土)
https://kuenselonline.com/ase-to-equip-adolescents-with-21st-century-skills/
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【抄訳】
成人や若者に早い段階で21世紀型スキルを身に付けてもらうため、昨日、ブータン成人技能・就業可能性強化プロジェクト(Adolescents Skills and Employability (ASE) )がローンチされた。チミ・ヤンゾム・ワンチュク王女、ブータン青年開発基金(YDF)代表が、国連や政府機関、市民社会組織の体表者とともにこのプロジェクトの発足を祝った。このプロジェクトは、全国64の学校と10のユースセンターにおいて、10歳から24歳までの約1万人の子どもが関与して実施されるもの。

この1年間のプロジェクトでは、小規模なブートキャンプや全国レベルでのブートキャンプと表彰、ワークショップなどが開催され、生徒は自分のアイデアをピッチできる。実施機関である教育省は、マスタートレーナーによる担当者向け研修をスタートさせる。

ユニセフのブータン事務所長であるウィル・パークス博士によると、マスタートレーナーと各関係機関担当者が、ASEを次の2つのプラットフォームを使って展開していくのだという。1つはUPSHIFT(若者のソーシャルイノベーション・ソーシャルアントレプレナーシッププログラム)で、成人や若者を支援して、地域の課題を特定してソリューションをデザインする能力を高めてもらおうとするもの。もう1つはUNISOLVEというデジタルプラットフォームで、若者が必要とするスキルを開発できる。ASEとUPSHIFT、UNISOLVEの三者が、グローバルなマルチセクターパートナーシップである「世代無限大(Generation Unlimited)」プラットフォームを形成し、世界中で18億人の若者世代が生産的で社会構成員として成長していけるよう支援していくのだという。

64の学校は、初等学校から高等学校まで、全国から選ばれる。教育省関係者によると、私立学校も何校か選ばれるという。また、地理的にも農村・都市で20県すべてで平等に配分される。各校から最低50人がプロジェクトに参加するよう選ばれる。

教育事務次官代行のカルマ・ゲレ氏によると、ASEは現在進行中の教育セクター改革を補完するものだという。同省の改革には、学校教育改革のメインプラットフォームとして採用された「ブータン・バカレロア」も含まれる。21世紀型スキルを生徒に身に付けさせることを強調する改革である。

ウィル・パークス博士は、基礎的スキルやデジタルスキル、特定ジョブに応じたスキルに加えて、若者は学校や日常生活、仕事などで生かせる21世紀型スキルを必要とするのだと述べた。21世紀型スキルとは移転可能なスキルまたはライフスキルとしても知られ、若者がアジャイルな学習者、グローバル市民となっていくのを認め、個人の課題や社会の課題、アカデミックな課題、経済面での課題等への解決策を自ら見出していく力を高めるものだとする。(後略)

ASEはYDF、ローデン財団、ユニセフとのパートナーシップに基づき、教育省が実施機関として実施される。

この報道は、5月21日にクエンセルが報じただけでなく、20日夜にはBBSもテレビのニュースで報じていた(Preparing Bhutanese youth to be life long learners and contributing citizens)。相当長尺の報じられ方だったので、どちらの記事を使おうかと迷うところではあったが、ヘッドラインに「21世紀型スキル」を用いたクエンセルの記事の方を採用することにした。いずれにしても、それだけ重要度の高いニュースだということだ。

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