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「人間の安全保障」は外向けか? [時事]


既報の通り、7月15日(水)に早稲田大学大隈講堂で開催された人間の安全保障シンポジウム『人間の安全保障の過去・現在・未来~MDGs達成を目指して』(外務省・国連・早稲田大学主催、朝日新聞後援)を、僕は聴講させてもらってきた。「人間の安全保障」を勉強しなおさなければならない必要性にかられ、2003年頃に一度勉強してから概念整理がどの程度進み、そして概念の事業化がどの程度進んでいるのかを知りたかったからだ。既に朝日新聞のウェブサイトで内容報告もされているので、内容自体は多言を要しないと思う。幾つか気付いた点だけ述べさせてもらおうと思う。

僕はこのシンポジウムに臨むに当って、1冊の本を頭に思い描いていた。国際通貨基金(IMF)のエコノミストだったピーター・ヘラー氏が2003年に出した本である。全文をちゃんと読んだわけではないが、IMFのエコノミストらしく、世界が今後直面する地球規模の課題が、各国の財政にどれだけの負担を課すことになるのかを述べ、たとえ長期的にしか影響が顕在化しなかったとしても対策は即時実行に移す必要があると警鐘を鳴らしている1冊だ。そして、そのヘラー氏の著書で掲げられている地球的規模の三大課題とは、①人口高齢化、②気候変動、③公的債務の累積、である。

Who Will Pay?: Coping With Aging Societies, Climate Change, and Other Long-Term Fiscal Challenges

Who Will Pay?: Coping With Aging Societies, Climate Change, and Other Long-Term Fiscal Challenges

  • 作者: Peter S. Heller
  • 出版社/メーカー: Intl Monetary Fund
  • 発売日: 2003/12
  • メディア: ペーパーバック

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日本の借金、さらに拡大 [時事]


昨年8月、「日本の借金、過去最大」という記事を書いたことがある。財務省が発表した去年6月末の国の借金は過去最大の860兆円となり、これは国民1人当たり674万円という金額だという記事だ。その記事の中で、債務残高の対GDP比は180%弱という水準まで達していることも紹介した。

今回引用したAFP電のこの記事も、趣旨はこれに近いもので、国の借金はもっとひどくなり、対GDP比200%にも達する恐れが出てきたという。なんで借金が増えるかというと、いろいろと物議を醸している新たな政府支出があるのも一因になっているように思う。

これだけ見てもおかしいと誰もが感じるのに、今キルギス共和国で起きているような話が日本で全く起きてこないのが不思議でならない。僕の周囲でも、「そのうち何かが起きるんではないか」という人はいるし、多分このAFP電に反応する人の多くが憤りを持って報道を捉えておられるのではないかと思うが、何だか問題解決は他人任せという印象が拭えない。

今や集団行動を起こそうにも人と人の繋がりが希薄化してなかなか纏まらないというのが今の日本社会なのではないだろうか。そんな社会に誰がしたのかというところからして、何だか仕組まれているのではないかと思えてきたりする。自分は別に陰謀説に与するわけではないが…。

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日本版MDGs [時事]

日本版MDGs
2010年3月16日 朝日新聞東京夕刊 10頁 山川富士夫
 「日本版MDGs」づくりに、反貧困ネットワークが取り組んでいる。
 MDGs(Millennium Development Goals、ミレニアム開発目標)は、2000年9月の国連サミットで189カ国が21世紀の国際社会の目標として「国連ミレニアム宣言」を採択し、その後、様々な開発目標を統合したものだ。極度の貧困と飢餓(きが)の撲滅、乳幼児死亡率の抑制など8分野18項目で、15年までに達成する目標を定めている。
 この手法で、12年までと15年までの日本での貧困削減目標を掲げたのが日本版である。
 大目標として、相対的貧困率を2007年(15.7%)比で50%下げることなどをあげている。そのうえで、雇用、社会保障、住まい、教育、ジェンダー、子育て、自殺問題、多重債務問題、差別、社会連帯の10項目について、具体的な目標を作成中だ。
 昨年秋から20人ほどが、月2回程度のペースで作業を続けている。メンバーの一人、稲場雅紀さんは、途上国の貧困解決に取り組むNPOなど54団体が参加するネットワーク「動く→動かす(GCAP)」の事務局長だ。「途上国の貧困と、日本の貧困とでは重ならない部分があります。日本ならではの項目を取り入れました」
 実現には当然お金がかかる。11年度の政府予算案に少しでも反映できるよう要望、折衝していく。その攻防を注目したい。〈山川富士夫〉
MDGsというと、途上国の開発問題の克服状況を図る指標で、2015年までに国際社会が達成すべき目標として大方のコンセンサスを得ていると思う。援助実施機関であれば、MDGs達成は先進国が貢献するための手段として予算獲得の際に必ずといっていいほど言及される錦の御旗のようなものである。

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「鳩山政権」よりも高いリスク [時事]


「鳩山政権」―というよりもユーラシアグループのウェブサイトを見ると「日本」になっていた。勿論、解説は鳩山政権のことが中心だが。でも、これが第5位なら、それより高いリスクは何だろうと興味が湧いた。既に朝日の記事で第1位が「米中関係」、第2位が「イラン」となっているのはわかっているが、因みに第3位は「欧州の財政危機」で、第4位は「米国での金融規制強化」となっていた。まあ順当なのではないでしょうか。
http://eurasiagroup.net/pages/top-risks

さらに言うと、第5位「日本」の後は、第6位に「気候変動」、第7位「ブラジル」、第8位「印パ関係(アフガンではありません)」、第9位「東欧の選挙と失業」、第10位「トルコ」と続いている。そして、「要注意(red herring)」として、「イラク」「ペルシャ湾」「ロシア」「ドル」「ニューヨークとロンドン」が挙げられている。(red herringというのは「燻製ニシン」が直訳らしいが、「人の注意をそらすもの」という意味もあるらしい。ちょっと勉強。)

そういうニュースを読みながら、最近印パ間で砲撃戦や銃撃戦が連日起きていることが気になった。

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Yahoo! ニュースの底力 [時事]

僕の知らないところで、驚くべき事態が起きている。

昨日(24日)1日分の弊ブログの閲覧数が、なんと1,500PVを超えた。昨日は大した記事は書いていないので、何がどうなったのかと戸惑った。最近メールで連絡を取っている東京・三鷹の市民グループのインドスタディツアーの幹事の方が、他のツアー参加者の方々に紹介でもされたのかなとも考えた。でも、サイドバーの記事別アクセスランキングであれよあれよとランクアップしていたのが12月12日にアップした「独立できるかテランガナ」という記事だったので、多分それだけが理由ではないのかなと思った。
独立できるかテランガナ

この勢いは翌25日になっても続いており、インド時間午前10時30分の時点で、既に1,000PVを超えてしまった。ソネットブログのアクセスランキングで、僕のブログの順位はだいたい600位から700位台といったところなので、269位という順位にも戸惑う。サイドバーの記事別アクセスランキングでは、上記の記事が堂々トップに躍り出て、2位以下を大きく引き離してリードを広げ続けている。

1000PV2009-12-25.jpg

なんでこの記事だけにアクセスが集中しているのか、最初はわからなかったのだが、Yahoo!のニュースを閲覧していてようやく納得した。下記の記事に僕のブログ記事へのリンクが張られていたのだ。

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海中閣議に山上閣議… [時事]



モルジブで10月海中閣議が開催されたという報道はまあ「へ~」ぐらいにしか思わなかったのだが、ネパールのエベレスト山系カラパタールでの閣議というのには少し憤りも感じた。アピールするには良いのかもしれないが、周囲が海で近くまでアクセスが容易なモルジブと違い、カラパタールまでの移動にかかる費用とか、その間首都カトマンズを留守にするリスクとか、いろいろな思いが交錯する。写真を見る限り、カラパタールまでテーブルを運んでいるし、報道陣も相当に連れて行っている。それなりに費用がかかっている。これで体調を崩す閣僚だっているかもしれない。それが本当にネパールがやらなければならないことなのか疑問だ。

何事においても現場を見ておくことは必要だ。だから温暖化によって氷河が後退し、氷河湖が決壊して下流域に大洪水を起こす可能性について、政治家は現場を見てちゃんと理解しておくべきだとは思う。それだったら山上閣議でなくてもいい筈だ。氷河湖のモレーン(堤防)がどのような状況に置かれているのかを見に行くのならいい。でも、カラパタールあたりまで行ってサガルマータ(エベレスト)を眺めながら全閣僚が集まって話し合うことが必要だとは思えない。

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米ワシントン連続狙撃犯の終末 [時事]


2001年秋は9.11同時多発テロから炭疽菌騒ぎ、
2002年秋は連続狙撃犯(シリアル・スナイパー)騒ぎ、
2003年秋はハリケーン「イザベル」の襲来、
――僕らがワシントンに駐在していた頃は、秋になると9月から11月にかけて毎年何かが起きていた。

シリアル・スナイパーの犯人の死刑執行がなされたと聞き、今まで審議が行なわれていたというのに驚くとともに、ようやく一区切りがついたなという思いがする。改めてスナイパーの犠牲になってお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りしたいと思う。

スナイパー騒ぎの頃は、長男をスクールバスのバス停で待たせておくのも危ないということで毎日小学校まで送り迎えをしていた。ガソリンスタンドでセルフ給油をしている時も、どこかで狙われているのではないかと周囲をきょろきょろと見回していた。実際、犠牲者になった方のお一人は、アーリントンの僕らの自宅から1kmぐらいしか離れていないショッピングモールのHome Depoの駐車場で撃たれている。よく使っていたモールなので、それだけでも震え上がるに十分だった。

とはいえ、今振り返っても懐かしい日々だった。自分達で車を運転して行きたい所に行けたから。
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おめでとう内村良一選手 [時事]


遅ればせながらですが、3日の全日本選手権の結果を気にしながら2日間ムンバイに出張していたので、デリーに戻ってきてからの最初の話題はやっぱりこれから行かせて下さい。

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月刊『剣道時代』11月号で8月の世界選手権ブラジル大会団体優勝の日本代表の主将を務めた寺本選手の手記を読むと、前回の2006年台湾大会準決勝で米国に敗退して連覇が途切れた日本代表メンバーに名前を連ねていた寺本選手や内村選手らがどれだけ厳しい稽古を重ねてブラジル大会に臨まれていたのかがよくわかる。その稽古の質と量からいっても、全日本選手権に出て来られた世界選手権代表メンバーの方々が上位に進出して来られたとしても何ら不思議はないと思う。

内村選手、二度目の全日本おめでとうございます。初めて全日本を獲られた際の雑誌の記事で、相当な稽古好きだと紹介されていたので、二度目の全日本というのも頷ける。決勝で決めたメン、とても勉強になった。

第57回全日本剣道選手権大会 大会ブログ
http://kendo-champ.jugem.jp/
(本当に勉強になる!!)

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カシミールの国際会議の参加者は… [時事]


この報道は僕も10月13日付Hindustan Times紙で見かけた。だいたい書かれていたことはAFPの報道と同じなのであるが、その記事を読んだときに1つ印象に残っていたことがある。

AFP電では言及されていないが、この国際ワークショップに誰が参加していたのかということである。この国際会議は、「気候変動、氷河の後退と生活(Climate Change, Glacier Recession and Livelihoods)」と題して行なわれ、主催はジャム・カシミール州政府とカシミール大学、Energy Research Institute(デリー)の共催。参加した国際専門家は、英国、米国、オーストラリア、ネパールから出席している。記事の中でスターン委員会が2006年に英政府に提出した「スターン・レポート」(関連記事はこちら)に言及されているくらいだから、ニコラス・スターン博士のお声掛かりで集まった研究者が多かったのだろうが、それにしてもなんで日本人の研究者が参加してないのだろうか。

日本人の研究者で、氷河の後退や氷河湖の決壊洪水の研究をされている方は結構いらっしゃると思うのだが…。
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雪辱ニッポン、世界剣道優勝 [時事]

3年前の12月に「世界剣道の衝撃的結果」という記事を書いたが、今月に入ってから突如としてそんな過去の記事へのアクセスが異常に増え、僕のブログにおいて過去2ヶ月間で最もアクセス数が多い人気の記事となっている。なんでだろうと首を傾げていたところ、今日になって理由がわかった。
日本、男子団体で王座奪回!全種目制覇!
 剣道の世界選手権最終日は30日、ブラジルのサンパウロ郊外のサンベルナルドドカンポで男子団体を行い、日本は決勝で米国を4‐0で破り、2大会ぶり13度目の優勝を果たした。日本は男子個人、女子の団体、個人と合わせ、今大会の全種目を制した。
 前回2006年大会で第1回大会から続いていた男子団体の連覇が途切れた日本は、準決勝で強敵の韓国を2-1で下し、決勝は前回の準決勝で黒星を喫した米国に快勝した。
 次回は3年後の12年にイタリアで行われる。
(共同) 2009年08月31日

遅ればせながら…
おめでとうございます、日本代表!!
前回は準決勝で伏兵・米国に敗れ、その米国が決勝で韓国で敗れて韓国が初優勝を遂げた大会だった。YouTubeのお陰でその時の準決勝の模様は今や僕らでも観戦することができるが、副将で日本・中田選手から2本を取って試合を決めてしまったクリス・ヤン選手とは米国で稽古を何度かしたことがあり、突かれまくり、コテを切られまくり、そしてふっ飛ばされまくった思い出しかない。この試合を観ていて、その剣風を懐かしく思い出したが勝負は勝負、やっぱり日本が負けて悔しかったし、韓国に漁夫の利をさらわれたのも悔しかった。

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