SSブログ
仕事の小ネタ ブログトップ
前の10件 | 次の10件

『「ノーマリゼーションの父」N・E・バンク‐ミケルセン』 [仕事の小ネタ]

「ノーマリゼーションの父」N・E・バンク‐ミケルセン―その生涯と思想 (福祉BOOKS)

「ノーマリゼーションの父」N・E・バンク‐ミケルセン―その生涯と思想 (福祉BOOKS)

  • 作者: 花村 春樹
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 1998/07/25
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
本書は、「ノーマリゼーション」という福祉思想が誕生した背景を述べ、今後への展望を探るため次のように構成しました。第一部では、「ニルス・エリク・バンク‐ミケルセン」という一人の行政官の生涯を辿ります。それによって、今や世界の福祉の重要な潮流になっている「ノーマリゼーション」という思想が、どのような経緯で彼の中に形成されてきたのか、彼はその考え方をどのように提唱し行政に反映させ、福祉実践に結びつける努力をしたのかを探ってみようと思います。つづく第二部では、彼の思想の一端に触れるため、彼の講演と論文と最終講義を採録しました。これによって、バンク‐ミケルセンの「ノーマリゼーション」という思想を、彼の言葉を通して理解したいと思います。さらに第三部には、ビヤタ夫人と長男オール氏による「思い出」を載せました。家族から見たバンク‐ミケルセン像を通して、彼の人柄を知ることができるでしょう。
【MS市立図書館】
帰国して真っ先に図書館で借りた。MS市立図書館は、分館の1つが僕の最寄り駅にあるが、僕の住民登録はお隣りのMT市で、そのMT市住民の利用に対する処遇を徐々に厳しくしているように思える。数年前に、MT市住民への貸出可能冊数に厳しい制限をかけたのに続き、最近、発刊から2年以内の本の貸出も不可にした。MT市民なんだからMT市立図書館で借りろというのは正論かもしれないが、僕らの最寄り駅はMS市に属するものの、駅南側に住む通勤・通学客の半数以上はMT市住民の筈だ。逆のケースだってあるかもしれないのに、こんな差別的処遇ってありなのだろうか。「悔しかったらMS市に引っ越して来い」とでも言うのだろうか。

それはともかく、発刊から2年以内の本は借りられないMT市の住民としては、MS市立図書館ではそれより古い蔵書しか借りることが許されないのが現状。それで借りた本は、初版が30年も前に出されたバンク‐ミケルセンの評伝である。

バンク‐ミケルセンとその「ノーマリゼーション」という思想は、僕が度々ブログでも言及しているCOTEN RADIOの「障害の歴史」回で取り上げられた。自分の職場では、徐々に障害児向け自助具の研究開発を取組み重点分野として育てつつある。しかし、早くから障害と向き合ってこられた方々の間では、そこにテクノロジーが入って来ることにピンと来ている方はあまり多くなく、どちらかというと、テクノロジーが入ってくることに対して、懐疑的ないしは否定的な反応が返ってくることが多い。

テクノロジーを持ち込んで新たな課題解決の手段にしようとしている側にいる僕らには、なぜそのような反応が返って来るのかが理解しづらい。今さらなのだけれど、どうしたら理解が得られるのかを考える意味でも、また社会・人文科学の面からも、障害をもう一度、勉強し直してみようと思っている。2024年の前半は、そういう時間に充てたいと思っている。

そこで、COTEN RADIOの「障害の歴史」シリーズで、もっとも印象に残った「バンク‐ミケルセン」と「ベンクト・ニィリエ」という2人の北欧人について、学ぶところからスタートさせた。ちなみに、こうやって2人の人物を並べて書くと、バンク‐ミケルセンは名前と姓で構成されていると思いがちだが、彼の姓は「バンク-ミケルセン」で、ファーストネームは「ニルス・エリク」なのだとか。

続きを読む


nice!(6)  コメント(0) 
共通テーマ:

『日本型開発協力』 [仕事の小ネタ]

日本型開発協力 ――途上国支援はなぜ必要なのか (ちくま新書 1733)

日本型開発協力 ――途上国支援はなぜ必要なのか (ちくま新書 1733)

  • 作者: 松本 勝男
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2023/06/08
  • メディア: 新書
内容紹介
緊迫する国際情勢において途上国支援の役割とは何か。欧米とも中国とも異なる日本独自の貢献のかたちを紹介しつつ、めざすべき開発協力のあり方を提示する。日本の途上国支援は、現地との意思疎通を重んじるアプローチや効果的な協力モデルにより、世界的に高く評価されてきた。だが、近年では平和構築や気候変動といった国際課題を意識したものなど国際協力のあり方自体も多様化しており、とりわけ緊迫する国際情勢のなかで安全保障にも配慮した支援が求められている。はたして欧米や中国の手法とは異なる開発協力の姿とはいかなるものか。そもそもなぜ途上国支援は重要なのか。本書では、その現状を幅広く紹介しつつ、これからの日本がめざすべき持続可能な支援のあり方を提示する。
【購入】
9月後半に出かけたインドネシアへの旅行の帰路、経由地のシンガポールで紀伊國屋書店に立ち寄って購入した1冊。次のカトマンズ・チェンナイへの旅の途中で読み切ろうと考え、実際に読み切った。その足でパロからティンプーに2版滞在する際に、現地の開発協力関係者に手渡して身軽になろうと考えていたが、ブログでレビュー記事を書き上げる時間が作れず、泣く泣くプンツォリンに持って帰ることにした。

ODA——というか、現代的には「開発協力」と表現するのがいいらしいが、この開発協力への理解の促進のために書かれた本の中では、開発協力の最も大きなコンポーネントを占めるJICA経由の、特に円借款を主力としている国のオペレーションに関わっていた実務者の書かれた現場ならではの面白さがある文献だと感じた。

それに、著者の駐在経験国にインドが含まれていることから、インドでの開発協力の具体的な事例がふんだんに盛り込まれているため、10年以上前に同じくインドに駐在した経験がある僕自身も、インドの今を知る意味では興味深い情報がいくつか含まれていた。南インドの養蚕の普及における協力隊員の活動とか、今自分がいるブータンが確実に裨益するであろう北東州開発とか、ありがたい記述だ。

他方で、円借款が絡む大きなインフラ整備プロジェクトに関する記述が多いため、相対的には協力隊や草の根技術協力への言及は薄めという印象もあった。人は、それまで自分自身が見聞してきたもの、体験してきたもの、その時の立場の違いにより、1つのテーマに対するものの見方が大きく異なる結果となる。同じテーマで僕が包括的な本を書くようなことはまずないと思うけれど、仮に書いたとしても、内容は相当変わると思う。

続きを読む


nice!(10)  コメント(0) 
共通テーマ:

『日本近代科学史』 [仕事の小ネタ]

日本近代科学史 (講談社学術文庫)

日本近代科学史 (講談社学術文庫)

  • 作者: 村上 陽一郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/09/12
  • メディア: 文庫

内容紹介
伊能忠敬、杉田玄白、佐久間象山、北里柴三郎、長岡半太郎……。明治維新から昭和を経て、科学と技術の国となった日本。紆余曲折の歴史の中、果たして日本人は、西欧に生まれ育った“科学”を、本当に受け容れたのか? 西欧の思想は、日本をどのように変えたのか? 西欧科学という「踏み絵」を使って500年を考察した、壮大な比較科学思想史!科学史研究の第一人者、村上陽一郎の初の単著『日本近代科学の歩み』(三省堂選書 1968年刊)を改題、文庫化。
【購入】
この本も、読了後は当地に置いて行こうと思って日本で半年前に購入した。読み始めるまでに時間がかかったのは毎度のことであるが、なぜ今なのかといえば、文庫本だから飛行機の旅のお供にちょうど良かったからだ。今、カトマンズ(ネパール)~チェンナイ(インド)と続く出張の途上にあるが、本書はまだ任地滞在中から読み始めていて、読了はカトマンズから経由地デリーに向かう機中でのことだった。

購入の理由は、今の仕事を引き受ける前に自分が関わっていた日本の近代化の歴史をコンテンツ化するというプロジェクトと関連する。それに自分が関わったのは2019年4月から2020年3月までの12カ月のみだが、その間に、日本の科学技術の歴史もコンテンツ化した方がいいのではないかという話が持ち上がり、自分なりに文献を読んで予習を始めていた時期があった。

結局異動もあったのでそのタスクは後任に引き継いだのだが、次の配属先が「科学技術」のカレッジだったので、話のタネとして知っておいた方がいいのではないかと改めて思い直し、それで書店で見つけた本書を買って持って来ることにした。

続きを読む


nice!(6)  コメント(0) 
共通テーマ:

『DXとは何か』 [仕事の小ネタ]

DXとは何か 意識改革からニューノーマルへ (角川新書)

DXとは何か 意識改革からニューノーマルへ (角川新書)

  • 作者: 坂村 健
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2021/04/09
  • メディア: 新書
内容紹介
DXで最も重要なのは何か? あらゆる組織で成功させる秘訣を公開する。
デジタルトランスフォーメーション、略して「DX」。現在および近未来のネットインフラを活用した高効率化だ。特に日本は少子高齢化で、人手や税金の不足を補うためにも必要不可欠である。しかし正しく理解し実践されているケースは稀だ。DXを推し進めるために必要なことは何か。世界に先駆けるコンピュータ学者が提言する。
【購入(中古)】
今月の積読蔵書削減計画の一環で読んだ本。先週インドネシアに行く際に持って行き、帰路で読み切った。読了から数日間があいてしまったのは、ブータンに戻って来てから昨日までの数日間が、怒涛の忙しさだったからだ。その間ティンプーはツェチュ(大祭)の祭日だったが、僕のいるプンツォリンは平日。休暇を取っている間に同僚に頼んであったことがほとんど進んでおらず、おかげでそれらを少しでも片付けるのに忙殺されてきた。(僕も休暇を取ってインドネシアでのファブ・チャレンジに参加していたのだから、ティンプーが祭日だったからといって、何か不平を言えた義理ではない。)

さて、本日ご紹介の本は新書。しかも購入は4月初旬の一時帰国の時である。自宅の断捨離で蔵書を数冊ブックオフに持って行った際、もらったお金で新書として1冊購入したものだ。新書だからいつでも読めるだろうと思いながら、読み始めるのに5カ月もかかった。後ろが決まっていなかったら読み始められなかっただろうが、それでもこのタイミングにしたのは、1つには飛行機の旅のお供に最適だったからで、もう1つは9月27日にこのテーマとの関連で、派遣元の主催する研修でオンラインでレクを行うことになっていたからだ。

僕の仕事との関連で言えば、著者が序盤で論じている「オープン」であることの意義のうち、「オープンソース」は特に関連する。GitHubのようなソースコードの共有プラットフォームの話にとどまらず、僕らのものづくりでは、作ったプロセスを文章化して、データとともに公開することが求められる。100%その原則にそって公開するのは時間の関係もあって追いついていないところもあるけれど、少なくとも方向性としてはそれをめざしている。

続きを読む


nice!(7)  コメント(0) 
共通テーマ:

『問いのデザイン』 [仕事の小ネタ]

問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション

問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション

  • 出版社/メーカー: 学芸出版社
  • 発売日: 2022/10/21
  • メディア: Kindle版
内容紹介
ワークショップのファシリテーションとは「問い」と「対話」を戦略的にデザインすること。問題の本質をどう見抜くか。固定観念をいかに壊すか。どうすれば課題が自分事になるか。商品開発・組織変革・学校教育・地域活性等でファシリテーターに必要な思考とスキルを解説。メンバーを本気にさせ、チームの創造性を引き出す極意。
【譲渡】
初版が2020年6月に出された本。その直後に共著者の1人である安斎勇樹氏がメインスピーカーとして登壇するオンライントークイベントを聴講して、氏が本書を宣伝しておられたのを記憶している。トークイベント自体は、氏を知る人がインタビュアーになっていて、なんだか内輪で盛り上がっているイベントだなという印象があった。僕自身は全然存じ上げない方なので、そのトークイベントで何か学びがあったのかといえば、全然記憶がない。

そんな本を、なぜか2022年4月に日本から来られたうちのプロジェクトの関係者からお土産でいただいた。「関係者で参考にしていただければ」というので置いて行かれたのだが、そもそも日本語の文献を読める人間は現地には僕だけしかいないので、僕が読むことを期待して置いて行かれたのだろう。

人から薦められた本を素直にすぐに読むかどうかは、その時々の自分の問題意識の持ち方にかかっていると思う。いただいてから1年以上積読状態で放置していたのは、本書のテーマ的に緊急性がなかったからだし、今それを読んだのは、急にそれが必要だと感じたからだと思う。もっと早く読んでおけばよかったと思わぬでもないが、そこは忙しさとの兼ね合いもある。

で、なぜ急に今読んでおこうと思ったかと言えば、理由は2つある。1つは毎度のことながら、任期終了時に向けた積読蔵書の圧縮作戦の一環。そしてもう1つは、熟練のファシリテーターが行う地域の課題解決に向けたソリューションのプロトタイピングのイベントを、間近で見る機会があったからだ。

続きを読む


nice!(7)  コメント(0) 
共通テーマ:

『Processingなら簡単!はじめてのプログラミング『超』入門』 [仕事の小ネタ]


Processingなら簡単! はじめてのプログラミング『超』入門 (エンジニア入門シリーズ91)

Processingなら簡単! はじめてのプログラミング『超』入門 (エンジニア入門シリーズ91)

  • 作者: 宮田 章裕
  • 出版社/メーカー: 科学情報出版株式会社
  • 発売日: 2021/03/12
  • メディア: 単行本

本書は、プログラムを「使う側」から、「作る側」になるための入門書です。プログラムを作る行為のことを、プログラミングといいます。プログラミングとは、より具体的には、プログラミング言語を用いてコードを書くことです。プログラミング言語とは、プログラムを作成するための人工言語です。 本書では、Java に基づいて作られたProcessing というプログラミング言語を用いてプログラミングの基礎を学びます。Processing は無料で利用できるオープンソースの言語です。容易に描画やインタラクティブアニメーションを実現できるのが特徴です1。同時に、より複雑なプログラミング言語であるJava やC 言語と似た文法で、簡単にプログラムが書けるため、プログラミング初心者の勉強用途にも適しています。
【購入】
7月末に仕事が大きなヤマ場を越えてから、僕は来るべき離任の日を目指し、徐々に身の回りの品々の減量を開始している。「減量」としたのは、形を変えて当地に残してくるものや、書籍で言えば当地の日本語書籍の蔵書棚に加えてもらおうと考えているものがある一方で、とっととEMSか何かで日本に返送してしまい、日本に帰ってから引き続き使おうと思っている書籍もかなり多くあるからである。

本書もそんな1冊だ。Processingのことは、以前micro:bitをかじっていた頃に独習で読んだMATHRAX著『プログラム×工作でつくるmicro:bit』の中で知った。micro:bitのジャイロセンサーを用いてビジュアルエフェクトを操作するという連携をプログラムするのが課題としてあったのだが、シリアルポート選択ができずに頓挫し、それ以上先に進めなくなった。仕方がないのでProcessingだけでも先に覚えてしまおうと思い、「『超』入門」というタイトルに惹かれて購入して持ってきた。

アマゾンの書評にも「初心者向けでわかりやすい」とのコメントがいくつかあった。本書が想定読者としている「理工系学部・ 学科の大学1 年生」にとっては、ひょっとしたらわかりやすい記述なのかもしれないが、正直言えば僕にはわかりにくかった。本書に収録されたサンプルコードは、(半角のバックスラッシュ「\」の入力方法がわからずに放置した2つのコードを除いて)ひと通り自分で入力もして、動作確認もしたのだが、それで自分が応用技でコードがスラスラ書けるようになったとは全然思えない。

続きを読む


nice!(7)  コメント(0) 
共通テーマ:

『金属加工が一番わかる』 [仕事の小ネタ]

金属加工が一番わかる (しくみ図解)

金属加工が一番わかる (しくみ図解)

  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2010/12/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
金属加工は、いろいろな金属を切ったり曲げたり溶接したりして製品をつくる製造業の根幹を成す仕事のひとつであり、加工方法にも切削加工、放電加工、鋳造、粉末整形、鍛造、熱処理、プレス加工、板金加工、溶接加工などさまざまなものがあります。本書は金属加工について、基礎知識から学べるように加工の種類、手順、どのような製品が生まれるのかといったことをわかりやすく解説します。
【購入】
2023年3月31日の八重洲ブックセンター本店の閉店日に行って購入してきた4冊のうちの2冊目。仕事上、ここまでの金属加工を自分で行う必要はないのであるが、鋳造ぐらいはちょっとやるかもしれないと思ったので、一度全体的な枠組みを理解しておこうと思い、こういう図解書に手を出した。

理解のための全体的枠組みは以下の通りだ。

金属素材の理解

金属原料を金属素材に加工:「鋳造」「粉末成形」

金属素材に施す加工:「鍛造」「圧延」「押出し・引抜き」「切断・切削」「熱処理」
(材料から半製品)

プレス加工、機械加工:「せん断加工」「曲げ加工」「絞り加工」「張出し加工」「切削・研削」
(半製品から製品)  「溶断・溶接」

表面処理:「めっき」「塗装」

以上の各論解説のうち、ちょっと知っておいた方がいいと思ったのは金属素材の理解の部分で、あとは「鋳造」にしても「切削・研削」にしても、実際のところはすでにかじってやったことがある。個人のレベルで雑にやっている間はこれくらいの経験でもいいが、もうちょっと製造業っぽい形で取り組むとしたら、これらの加工技術は知っておいて、素材の性質や作りたいものに合わせて、引出しから出してきて適用できるようになれるといい。もちろん、プロレベルにまで技能を磨けというのではなく、こういうのを知っている方々と一緒に仕事したりする機会があれば、打ち合わせたりする時の共通言語として、知っておいた方がいい内容だと思う。

今はこうして本書をブータンにまで持って来てしまっているが、任期終了した時にこのまま本書を置いて来ても役には立たないと思うので、取りあえずは持って帰るつもり。今働いている会社を辞めたら、もうちょっとちゃんと学びたいと思っている技術領域の1つである。

nice!(6)  コメント(0) 
共通テーマ:

『演奏するプログラミング、ライブコーディングの思想と実践』 [仕事の小ネタ]

演奏するプログラミング、ライブコーディングの思想と実践 ―Show Us Your Screens

演奏するプログラミング、ライブコーディングの思想と実践 ―Show Us Your Screens

  • 作者: 田所 淳
  • 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2018/12/21
  • メディア: 単行本
内容紹介
ライブで、即興的に、コードを書き/編集しながら、音楽や映像を奏でるライブコーディングは、パフォーミングアートにおける新たな表現形態であり、音楽においては21世紀のパンクミュージックであり、プログラミングにおいてはある意味ラッダイト運動とも言えるものです。
本書は、ライブコーディングの実践者として世界で活躍する田所淳氏による、Sonic PI、TidalCyclesなどを用いたライブコーディングの入門から応用までを丁寧に解説した書籍です。
日本のメディアアート系プログラミングを学ぶ者なら必ず参照するyoppa.orgの運営者である田所氏の解説によって、読者をわかりやすく習得へと導きます。
【購入】
僕は時々、「テクノロジーをブラックボックス化しない」「テクノロジーの民主化」という言葉を用いて、ファブラボを語ろうと試みることがある。先月機会があって20年来のインドの知人とZoomでチャットする機会があったが、IT業界で名をはせ、今は女性や高齢者、貧困層のエンパワーメントをICTを用いて進めようとする社会事業に取り組む彼も、「わけのわからない技術で自分たちの生活が支配される」という理由で、AIには否定的だと言っていた。

同じようなことは、プログラミングの世界にも言えるのかもしれない。コードをどう書いて「RUN」コマンドを叩いたら、コンピュータはどう作動するのか、そのコードのどこをどう書き替えたら、最初の動作はどう変わっていくのか、そういうのの反復練習がプログラミングを覚えるのにつながる。そして、それを大画面に投影して、他の大勢の人にもライブで見てもらうと、多くの人にもプログラミングに興味を持ってもらえるし、学びにもつながっていく可能性がある。

―――自分なりに、「ライブコーディング」とはそういうものだと理解した。

続きを読む


nice!(7)  コメント(0) 
共通テーマ:

『ル・コルビュジエ』 [仕事の小ネタ]

ル・コルビュジエ (講談社学術文庫)

ル・コルビュジエ (講談社学術文庫)

  • 作者: 八束 はじめ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2022/09/12
  • メディア: 文庫
内容紹介
20世紀を代表する、最も有名な前衛建築家、ル・コルビュジエ(1887-1965)。「全ての建築家にとっての強迫観念(オブセッション)」「近代建築の言語そのもの」……。スイスの若き時計工芸家は、なぜこれほどまでの世界的名声を勝ち得たのか。師との出会いと決別、数多のコンペティション落選や学界との論争、生涯転身し続けた作風の背景――。建築界の巨匠を“人文主義者”という視点で捉え直し、豊富な図版と共に、その全体像をクリアに描き出す!
【購入】
うちのカレッジには建築学科がある。伝統的な組積造建築よりも、鉄筋コンクリートを使った平滑な壁面処理を行うようなモデル製作の方を見かけることが多いので、モダニズム建築も学んでいるんだろう。学生との話の種にでもなればと思い、本書も読んでみることにしたが、実際のところファブラボCSTを利用している学生の中に、建築学科生とIT学科生は非常に少ないのが現状。コーディング命のIT学科生が実体のものづくりに関心を示さないのも残念だが、模型製作の際だけでも相当利用できそうな建築学科生の利用率が伸びないのはちょっと残念だ。今のところ、ル・コルビュジエの話題を仕入れても、宝の持ち腐れかもしれない。

しかし、本書を手にしたもう1つの理由は、ル・コルビュジエの設計した都市と建造物がお隣りのインドにはあるからだ。きっかけがなくて僕は自分がインド駐在していた3年間のうちに一度も行けなかったのだが、チャンディガルのことである。1950年からル・コルビュジエが都市計画の策定に関わっている。

続きを読む


nice!(7)  コメント(0) 
共通テーマ:

『学校という「ハコモノ」が日本を救う』 [仕事の小ネタ]

学校という「ハコモノ」が日本を救う!

学校という「ハコモノ」が日本を救う!

  • 作者: 大竹弘和
  • 出版社/メーカー: 白秋社
  • 発売日: 2022/08/17
  • メディア: 単行本

内容紹介
公立学校は、日本中の人口密集地に集中し、しかも全国各地に大量に存在している。しかし、その充実した施設群は、1年のうち170日間も活用されていない。そこで学校を、教員免許を持った教師だけの聖域とせずに地域の共有資産としての「ハコモノ」と考え、塾やスポーツ系企業、警備会社などの民間事業者に運営参入してもらう。すると地域の高齢者やボランティアが集う、まさに地域の「中核」に生まれ変わる! そしてそこは、「教育格差」や「孤食」を解消する、子どもたちの憩いの場所になる!! これは絵空事ではない。なぜなら、この手法は既に日本各地の刑務所の運営に使われ、成功しているシステムを踏襲しているからだ。官民連携の教育、そのために活用すべき学校という「ハコモノ」の可能性を、世界の事例も交えて全ての教育関係者、自治体関係者に問う、渾身の書!!
【Kindle Unlimited】
自分のリサーチが十分でないこともあると思うが、Kindle Unlimitedですぐに読みたい本が見つからない状態が2カ月ほど続いていた。間隔を開けた方がいいかもなと思ってしばらくKindle Unlimitedを使っていなかったのだが、つい先日、読書メーターで僕がフォローしている読書家の方が、本書を紹介しておられて、しかもKindle Unlimitedとあったので、すぐにダウンロードしてみることにした。

廃校の校舎の利活用の話なのかと思っていたがさにあらず、既存の学校でそろそろ建替えの時期が到来している校舎から、民間事業者の運営参入を見越した設計として、建替えにかかる資金も民間から調達しようというPFIのお話しだった。

それはそれで面白かったので良しとする。もう20年も前になるが、当時勤めていた部署で官民連携(PPP)とかPFIとか勉強会を主催してレポートを書いていた時期が僕にはある。当時の文脈ではもっと大きな運輸交通インフラや水道、通信などでのPPPの話が中心だったが、少しだけ教育や保健の話も取り上げた。当時から比べればPPPの余地ははるかに広がっていて、本書の話も、ハコモノとしての学校の活用の話。どこの地域でもコミュニティの中心に学校は存在し、廃校になるとそのコミュニティは廃れていくリスクが相当高いと言われている。

続きを読む


nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:
前の10件 | 次の10件 仕事の小ネタ ブログトップ