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『アメリカ大都市の死と生』 [仕事の小ネタ]

アメリカ大都市の死と生 (SD選書 118)

アメリカ大都市の死と生 (SD選書 118)

  • 出版社/メーカー: 鹿島出版会
  • 発売日: 1977/01/01
  • メディア: 単行本
内容紹介<br>ハワード、ル・コルビュジエにつづく近代的オーソドックスな都市計画と都市再開発の理論を攻撃し、アメリカ大都市の近隣築を自ら探り、街路の多様性などから新しい都市計画の原理を求める。
【大学図書館】
いつかは読みたいと思っていたジェイン・ジェイコブズの著書が勤務している大学図書館にあったので、迷わず借りた。考えてみれば建築学科が存在する今の勤務先の大学なら所蔵してても当然だが、どれくらいの学生に読まれているのだろうか。

これまで都市開発や地域開発に関連した書籍を読むたびにかなりの高頻度で引用されていた本である。原著の発刊は僕が生まれる前だが、本書で描かれているアメリカ大都市のいくつかは、自分でも訪れたことがあるし、それ以前に、1980年代によく見たアメリカの映画で描かれているのを何度も見た。20年ぐらいの時差はあったかもしれないが、70~80年代当時の自分の記憶とすり合わせて、本書で描かれている街路やビル、公園、区画全体等に関する考察や主張は、すごくしっくりくる。

現代の大都市の都市開発を見ても、同様に示唆に富んでいると思う。卑近な例で言えば、公園で遊んでいる子どもの声がうるさいと、近くに住む高齢の住民が市役所にクレームして公園を子どもたちが使えなくなる事例。子どもが近所にいることはその地域の年齢的な多様性を保証してくれているのに、子どもやその親世代が往来できなくなれば、そこに住む高齢者によって同質性が高まり、活力が失われていくというもの。

具体的な街区の例が豊富なので、読んでいてありがたい。

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『やさしいJavaScriptのきほん』 [仕事の小ネタ]

やさしいJavaScriptのきほん (「やさしい」シリーズ)

やさしいJavaScriptのきほん (「やさしい」シリーズ)

  • 作者: 高橋 麻奈
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2014/01/31
  • メディア: 単行本
まえがきからの引用
今日、Webに関わる機会は多くなっています。Webを制作するためにはさまざまな技術が使われます。Webページを作成する「HTML」や、デザインを行う「CSS」など、たくさんの技術があります。学校や仕事でこれからの技術を学び、一通りのWebページが制作できるようになった! という方も多いかもしれません。けれども、Webページをプログラミングするための「JavaScript」はどうでしょうか?Webページを一通り制作できるようになったけれども、プログラミングはちょっと敷居が高いかなぁ… と思われている方は多いかもしれません。JavaScriptを使ったWeb開発を学んでいきたいと思っているけれども、なかなか手が出せないなぁ……と感じていらっしゃる方は多いことでしょう。本書はJavaScirptの知識をわかりやすく解説するように心がけました。プログラミングになじみのない方にとっても、無理なく学習できるように構成されています。本書にはたくさんのサンプルページが掲載されています。実際に自分でWebページを作成し、プログラムの動作を確認しながら読み進めることができます。学んだ知識をWeb制作・開発に生かしていくためのアイデアやヒントを得ることもできるでしょう。JavaScriptの基本を学び、ぜひWeb制作・開発技術を高めていってみてください。本書が読者のみなさまのお役にたつことを願っております。
【N市立図書館】
Git & GitHubの次はJavaScriptの独習書を紹介する。

Git & GitHubの独習書ブックレビューの時にもふれた「ファブアカデミー」では、第10週~第11週の課題が「機械設計・機械製作」だった。あるモジュールを用いて、動くものを作れというもので、その機械を操作するためのユーザーインターフェース(UI)を、パソコン上で構築するというおまけまでついていた。もちろん、ゼロからすべて作れというわけでもない。参照できる過去の機械設計があったり、その機械のUIについてもソースコードが存在した。そのソースコードを改編すれば、我々が作る機械のUIが出来上がる。

―――そのソースコードは、JavaScriptで書かれていた。

ファブアカデミーの当該週までに、UIやJavaScriptというプログラミング言語を勉強する機会はなかった。この機械のプログラミングは、一緒に課題製作に取り組んだグループの他のメンバーがやって下さったので、僕はこの難題を避けて、もっぱら機械部品の設計・製作と、機械の組立てに注力した。いわば苦手なプログラミングを避けた形である。

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『図解!Git & GitHubのツボとコツがゼッタイにわかる本』(第2版) [仕事の小ネタ]

図解! Git & GitHubのツボとコツがゼッタイにわかる本[第2版]

図解! Git & GitHubのツボとコツがゼッタイにわかる本[第2版]

  • 作者: 株式会社ストーンシステム
  • 出版社/メーカー: 秀和システム
  • 発売日: 2024/09/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
ソフトウェア開発では欠かすことのできないGit、GitHub。ソフトウェア開発に限らずWebデザインや文書作成においても利用できます。これからGit、GitHubを使いたいという入門者の方でも、実際に手を動かしながら使い方を学べます。
【N市立図書館→購入(たぶん)】
今年1月末に受講開始して、7月に卒業確定した6カ月のデジタルものづくりブートキャンプ「ファブアカデミー」。その第1週の課題が、自分が課題と取り組んだプロセスを文章化し、インストラクターとのコミュニケーションの際の情報プラットフォームとして機能させるウェブサイトの構築だった。

オンラインで英語で行われる約90分の概略レクの後、1週間のうちに構築せねばならなかった。受講者は、Gitのダウンロードと、GitHubではなくGitLabにリモートリポジトリを作り、自分のPCでローカルリポジトリを作り、さらにウェブサイト構築のためにMarkdown言語のルールを学び、そのプロセスをすべて文章化して、自身で構築したウェブサイト上にアップする。翌週のグローバルセッションの冒頭薬90分は、MITの先生からランダムに指名されて、1週間のうちに取り組んだことを、ウェブサイト上のドキュメンテーションをベースに説明させられる。間に合わなかった場合は、何も参照することなく、全て口頭で説明させられる。これは非英語圏の僕らにとっては相当な苦痛で、それが嫌ならウェブサイト上でのドキュメンテーションをきっちりやって、グローバルセッション当日を迎えなければならない。

この1週間の間に1日、近くのファブラボに行ってローカルインストラクターのガイダンスの下、実際に作業を行う。僕らの場合は土曜日がこのローカルセッションの日だった。1日で上記のプロセスをすべて体験して、ウェブサイトが構築されたところまででローカルセッションは終了。あとは各自コンテンツの詰め込みを行った。

超短期での詰め込みだった。その後反復実践をやらないと、身に付かない。確実に忘れる。今はデジタル工作機械がすぐそばにある環境で働かせてもらっているから、デザインや機械操作は反復実践が可能だ。

しかし、ウェブサイト構築は冒頭で1回やったきりで、そうそう日常的に何度も繰り返す作業ではない。いったんレポジトリが出来上がったら、あとはそのレポにどんどん書き足し、ページを付け足していくだけでよい。

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『WIRED』日本語版VOL.54 [持続可能な開発]


WIRED(ワイアード)VOL.54

WIRED(ワイアード)VOL.54

  • 出版社/メーカー: コンデナスト・ジャパン
  • 発売日: 2024/09/26
  • メディア: Kindle版


【購入】
久しぶりに隔月刊のWIREDを読んだ。特集は「The Regenerative City~未来の都市は、何を再生するのか」である。勿論、この特集テーマに興味があったので読んだ。WIRED誌が過去に使っていたかどうかは調べてみないとわからないが、僕がこの夏に参加したFab City Challengeの源流にある「ファブシティ」(2054年までに、そこで消費されるものはそこで生産される都市の実現)に僕はアラインしていかねばと思っているので、「都市」をキーワードとする特集があれば、まあ読んでみようかという気にはなる。

本書では、「サステナブル(持続可能)」に「再生可能」をくっ付けて「リジェネラティブ」を使っている。サステナブルよりも未来志向要素を強めた表現が「リジェネラティブ」なのだろう。ファブシティへの言及がまったくないのは、ファブシティがサステナブルに近い語感を持っているからかもしれない。まあ、記事の多くがサステナブルを否定的には捉えていないので、そう目くじらを立てる要素でもないが。リジェネラティブを使うことで、SF作家とかSF小説の読者とかも語りに加わりやすいのかもしれない。

で、60代を既に迎えているオジサンが、「未来志向」の特集について語るのはおこがましいが、良かった点と良くなかった点をいずれも挙げておきたいと思う。

先ず良かった点は、第1に、ここ数年、東京近郊での貸し農園の経営を考えて着々と準備を進めている僕の妻に読んでもらいたい内容であること。第2に、東京の都市計画の歴史に関する記事があること。これは勉強になった。

そして第3に、記事の1つの中で紹介されている建築事務所の室内に3Dプリンタ―を見かけたことだ。(そう、建築やっていると3Dプリンタ―は結構使うと思いますよ。)シビッククリエイティブベース東京(CCBT)という存在が知ったこともありがたいポイントではあるのだが、ロケーションが渋谷だと知り、結局都心かよ、郊外在住のオジサンが気軽に行ける土地ではないなとがっかりしたが。

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『Python ゼロからはじめるプログラミング』 [自己啓発]

Python ゼロからはじめるプログラミング

Python ゼロからはじめるプログラミング

  • 作者: 三谷純
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2021/05/24
  • メディア: Kindle版
プログラミング入門書のロングセラー、プログラミング学習シリーズにPythonが新登場!基本文法からクラス、メソッドの使い方・作り方までしっかり学ぼう!

本書は、現在もっとも幅広く使われているプログラミング言語の1つ「Python」がはじめてという初心者を対象に、文法やプログラムの基本知識をわかりやすく丁寧に教える入門書です。

これまで筆者が数多くの学生に対してプログラミングの授業をしてきた経験を活かし、プログラミング初学者が「Python言語を通してプログラミングを学ぶ」というコンセプトで、文法やプログラミングの基礎知識についてやさしく解説します。Pythonでプログラミングをはじめたい学生や新人エンジニアにも最適な一冊です。

変数やif文による条件分岐、for文やwhile文を使った繰り返しから、クラスやメソッドの使い方、作り方まで、つまずきやすいところをケアしながら解説します。サンプルプログラムは短くてシンプルなものを選び、何をしているのかがよくわかるように、コメントをしっかりつけました。章の最後には練習問題があり、力試しもできます。

・何から学習すれば良いかわからない
・Pythonをはじめて学ぶ・あらためて基本から学びたい
・現場で通用する基礎を身につけたい
という方におすすめの1冊です。

★本書を授業などで教科書として活用していただくことを前提に作成した学習教材(スライド等)を提供しています。詳細は本書の奥付をご覧ください。
【購入】
先日、11月からスペイン語を勉強し始めたことをご紹介したが、実はもう1つ、6月からプログラミング言語「Python」の勉強も始めている。こちらは月2回のオンラインでの個人レッスンで、使用しているテキストは本日紹介する本。東京の自宅のある自治体のシニアITエンジニアのグループが主催されているカスタマイズコースで、既に中間成果発表も1回こなしている。

月2回、各1時間のレッスンで、本書の全ての課題を先月クリアし、今はデータ分析の新たなテキストに進んでいる。最終成果発表会は来年3月の予定だ。

語学であれ、プログラミングであれ、はたまた電子工作であれ、小中高生あたりが学習を始めるなら官民問わずサービスは非常に充実している。自分も大学時代は第二外国語やBASICを勉強する講義が選択できたので、今の大学の講義でArduinoやPython、3D CAD、Illustratorを習えたりするのは、はたから見ていて羨ましいが、今の大学教育が実学重視に舵を切り過ぎている証しとは言えないかもしれない。

かように、若い頃から習い始めるにはサービスはいっぱいあるが、オジサン世代が新しいことにチャレンジするための学習サービスは少ない。独習書を買って自分で覚えていくのが中心となるが、伴走して下さるペースメーカーとか、当面の目標とするアウトプットの場とか、そういうのがあると割と続けられる。それがPythonを勉強してみての自分の教訓だ。

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NHKラジオ「まいにちスペイン語」 [趣味]

最後にブログアップしてから少し日が経ってしまいましたが、SSブログ、2025年3月末でサービス終了だとか。So-netブログのサービス終了の時も移行を行っているので、どこかでサービス継承されるのならまあいいですけど、残念ですね。

NHKラジオ まいにちスペイン語 2024年 11月号 [雑誌] (NHKテキスト)

NHKラジオ まいにちスペイン語 2024年 11月号 [雑誌] (NHKテキスト)

  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2024/10/18
  • メディア: Kindle版
スペイン語上達への近道は「文法」。ストーリー仕立てで活用、構文、熟語をマスター!
【購入】
このブログの記事の傾向から見てあり得ないことかもしれないが、11月からNHKラジオのスペイン語講座を聴き始めた。還暦過ぎて、今さら新しい言語かよとか…。

あまりSSブログで触れなかったが、今年7~8月にメキシコに出かけた際、あまりにも現地の人々とのコミュニケーションが取れない事態に直面した。スペイン語圏への渡航が単発のものだったら一過性のほろ苦い経験として笑って済ませられるが、いずれプーになって仕事を探さなければならなくなった場合、「南アジア」とか「英語圏」とか、変な限定条件付きではいたくない。もちろん、専門的な会話まではとてもできないが、せめて旅先で必要となる常用会話ぐらいはできるようにしておきたい。そんな思いからだった。

僕はスペイン語を過去に勉強しようとしたことが一度あり、その時に買った文法のテキストはなぜか即効で挫折し、テキストは積読状態となって30年以上経過している。今回も、そのテキストを出発点としようと自宅の書棚の奥から引っ張り出し、長岡に持って来たまでは良かったが、どうしても最初の一歩が踏み出せず、メキシコから帰ってきて3ヶ月を過ごしてしまった。

読者の方々にはご同意いただけると思うが、語学であれ、スポーツであれ、ダイエットであれ、学校のような強制力を伴う場合を除けば、習慣化するには、それが自分の生活リズムに無理な負担をかけないことが条件となる。自分の失敗の経験で言えば、任意で通わなければならないプールやスポーツジムは続かなかった。また、移動の負担はかからなくても頻度が週1回程度のものは、習慣化が難しい。特に語学は短時間でも毎日やった方がよい。しかも、3カ月とか6カ月とかいった期間限定ではなく、半永久的に続けられる方がよいと思う。

10月末、職場から帰宅する途中、いつも聴いているNHKラジオの夕方のニュース番組のお便り紹介コーナーで、中米を旅行中のリスナーの方からのお便りが読まれていた。南から旅を進めて今グアテマラに入られたとのことだが、この旅を実現するにあたって、NHKのラジオスペイン語講座を3年聴き続けたという。

その手があったか―――それが直後の感想だった。

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『ドキュメント』 [読書日記]

ドキュメント (角川文庫)

ドキュメント (角川文庫)

  • 作者: 湊 かなえ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2024/06/13
  • メディア: Kindle版
内容紹介
事故に遭って陸上競技をあきらめた圭祐は、ひょんなことから放送部に入部する。3年生の引退後、仲間たちとともにコンテストに挑むことになった。偶然手に入れたドローンを武器にテレビドキュメント部門の撮影を進めていたところ、煙草を持った陸上部の逸材・良太の姿が映り込む。真実を探っていくと、騒動の陰で糸を引く思わぬ人物にたどり着いてしまい……。部活にかける情熱と予測不能な事件を描く、学園青春エンタメ!
【購入】
気が付けば、11月も終わっていた。SSブログでのブックレポートは2本しか書いていないという衝撃。

言い訳を言ってしまえば、読んでる時間が取れなかったのひと言に尽きる。週末のたびに岐阜、東京・横浜、岐阜と長距離ドライブをしていたし、毎週末移動を強いられたということは、週末には大きな出来事がいくつかあり、しかもその出来事の準備を長岡で進めておく必要もあったので。今も、正直言えば小説読んでいるくらいならやるべきだろと突っ込まれそうな仕事を2つ3つ抱えているのだが、現実逃避ということでお許し下さい。

ただ、そうは言っても、今週は週明けから本書を読み始めたのに、最初の4日間で50頁ほどしか読み進めることができなかった。それをなんとか挽回したのは、土曜日の空き時間に小まめに読み進めたことと、この記事を書いている日曜日の午前中、3時間ほどを集中読書に充てたことによる。これも現実逃避と言えるが。

但し、序盤読み進めるのが遅かったのは、忙しかっただけが理由ではない。序盤のストーリーの進みが遅くてなかなか乗っていけなかったのも大きいと思う。今どきの高校生ってこんなに議論を尽くすのか、しかも顧問の先生もほとんどいない中で、という戸惑いもあった。それだけ登場人物一人一人をっ丁寧に描いているということでもあるが、序盤の展開が遅いと感じた原因はそんなところにもあると思う。ネタバレになってしまうが、波乱が起きるのは中盤に入ってからである。

僕は元々、高校生を扱った恩田陸の作品なら何作か読んだことがあるが、湊かなえは読んだことがない。だから、本書を読み始めて最初に思ったことは、恩田陸とテーストが似てないかということだった。これをきっかけにもう少し読んでみたいと思う。

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『境界線』 [読書日記]

境界線

境界線

  • 作者: 中山 七里
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2020/12/16
  • メディア: Kindle版

内容紹介
2018年5月某日、気仙沼市南町の海岸で、女性の変死体が発見された。女性の遺留品の身分証から、遺体は宮城県警捜査一課警部・笘篠誠一郎の妻だったことがわかる。笘篠の妻は7年前の東日本大震災で津波によって流され、行方不明のままだった。遺体の様子から、妻と思われる女性はその前夜まで生きていたという。なぜ妻は自分のもとへ戻ってこなかったのか――笘篠はさまざまな疑問を胸に身元確認のため現場へ急行するが、そこで目にしたのはまったくの別人の遺体だった。妻の身元が騙られ、身元が誰かの手によって流出していた……やり場のない怒りを抱えながら捜査を続ける笘篠。その経緯をたどり続けるもなかなか進展がない。そのような中、宮城県警に新たな他殺体発見の一報が入る。果たしてこのふたつの事件の関連性はあるのか? そして、笘篠の妻の身元はなぜ騙られたのか――。
【購入】
寂しいお話になるが、こちらでの単身赴任生活の間、PCを使った作業や読書の際によく使っていたタリーズの入っていた蔦屋書店が、11月4日で閉店となった。タリーズは営業続けるらしいが、タリーズでひと仕事終えた後に書店の方の棚をぶらぶら観て、気に入った本を買ってくるというのはもうできない。先週末の連休の中日、11月3日は、せっかくなので何冊か本を買って帰った。

その1冊が本日紹介する中山七里作品。引用にはNHK出版から出ている単行本を使っているが、実際には宝島社から最近出た文庫版を購入している。SSブログのAmazon書籍検索で、宝島社文庫版の方がヒットしなかった。

初めて読む作家だが、プロフィールを見たら、1961年岐阜県出身だという。新たな岐阜県出身の作家で、かつ多作ときた。これからは作品を重点的に読んでいきたい。ちなみに、ご出身の街が僕の社会人1年目の時の職場の2年先輩と同じ。小さな街なので、先輩のお知り合いかもしれない。

あらすじは既にご紹介したので、あまり書き足す必要もないと思う。読みながら、あちら側とこちら側といったいくつもの「境界線」があることは感じた。

1つ気になったのは、あまり見慣れない苗字の登場人物が相次いだこと。これらの苗字は、宮城県や岩手県では多いのだろうか。「佐々木」とか「佐藤」といった、東北ではかなり多い苗字の登場人物が一人もいなかったので、わずかだが本作品が異世界の感覚を受けてしまった。

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『ピープルデザイン』 [仕事の小ネタ]

ピープルデザイン: 超福祉 インクルーシブ社会の実現に向けたアイデアと実践の記録

ピープルデザイン: 超福祉 インクルーシブ社会の実現に向けたアイデアと実践の記録

  • 作者: NPO法人ピープルデザイン研究所
  • 出版社/メーカー: NPO法人ピープルデザイン研究所 発売:ポット出版プラス
  • 発売日: 2020/08/03
  • メディア: 単行本
内容紹介
2014年に設立されたNPO法人「ピープルデザイン研究所」は「意識のバリアフリーをクリエイティブに実現する思想と方法論」を「ピープルデザイン」と定義し、従来型の福祉を飛び超えた「超福祉」を標榜し活動している。 この本では5つのマイノリティ(障害者、 LGBTQ、子育て中の父母、高齢者、外国人)と4つの切り口(シゴトづくり、ヒトづくり、コトづくり、モノづくり)をかけあわせて、多様性に寛容な社会の実現にむけてピープルデザイン研究所が行なっている様々なプロジェクトをパートナーとなった人たちの声とともに紹介する。
project01 ワクワクの“晴れ舞台"で働く「就労体験プロジェクト」
project02 1日15分からの新しい働き方「超短時間雇用モデル」
project03 国内外の次世代の大学生が挑んだ「認知症国際交流プロジェクト」
project04 市民自らが解決策を考える「みやまえ子育て応援だん」
project05 LGBTQフレンドリーを目指した「ピープルデザインシネマ」
project06 地元の人とまちの空気をつくる「ピープルデザインストリート」
project07 人とテクノロジーで超福祉を実現する「超福祉展」
【大学図書館】
勤務している大学の図書館で、「インクルーシブデザイン」で検索をかけたら、『超福祉』というタイトルで検索にヒットした本。表紙を見ると、「超福祉」がタイトルだというのなら、そのあとに続く「インクルーシブ社会の実現に向けたアイデアと実践の記録」までがタイトルに含まれるのかと思ってしますが(いや、たぶんそこはサブタイトルなんだろうけど)、それ以上に、「PEOPLE DESIGN」の文字の方が目立つ。それじゃ英語表記で「PEOPLE DESIGN」がタイトルなのかと思えば、背表紙は「ピープルデザイン」とカタカナ表記がなされている。中味とは全く関係ないけれど、検索泣かせのブックタイトルだな(笑)。

本書は発刊が2020年8月と比較的新しく、今もきっと行われているであろう活動を紹介されている気がする。単発のイベントを年次開催するというのが結構多い印象で、そういうのに向かって人々が力を結集していく、その過程で参画した住民や行政の担当者がノウハウを蓄積し、さらにボランティアとして加わった大学生や若手の社会人が楽しさに魅せられて次から企画運営の中枢を担うという、人づくりの拡大再生産も行われていく仕掛けになっている。

紹介されている全ての事例がそうだというわけではないが、ピープルデザイン研究所は最初の「場」づくりのきっかけこそ代表の須藤シンジ氏個人に話が行ってそれを氏が引き受けたという形だが、毎年そうした場づくりを続けるうちに、研究所に新たなメンバーが加わり、そうした若い人材が徐々に場づくりのファシリテーションを担っていくようになるというモデルになっているのだろう。

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『インクルーシブ・デザイン』 [仕事の小ネタ]

インクルーシブデザイン: 社会の課題を解決する参加型デザイン

インクルーシブデザイン: 社会の課題を解決する参加型デザイン

  • 出版社/メーカー: 学芸出版社
  • 発売日: 2014/04/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

内容紹介(出版社からのコメント)
誰かのためのデザインから、誰もが参加できるデザインへ。子ども、高齢者、障がい者などマイノリティだと考えられてきたユーザーをデザインプロセスに積極的に巻き込み、課題の気づきからアイデアを形にし、普遍的なデザインを導く「インクルーシブデザイン」。これからの「ものづくり」と「デザイン」の実践例を多数収録。デザイナー、エンジニア、建築家、プロダクトメーカー、必読!
【大学図書館】
この本は、いつの頃だったか読書メーターで僕の「読みたい本」リストに挙がり、なかなか読む機会が訪れなかった。東京に住んでいた頃は近所の市立図書館にも、社内にあった図書館にも所蔵されていなかった。仕方ないのでいっそ買っちゃおうかとも思ったが、中身に目を通さない状態で2000円以上の買い物をする勇気はどうしても起こらず、どうしても覚悟がつかなかった。

長岡に来てからも、最初は市立図書館を探ったがやはり見つからなかった。そこまで探しているなら、いっそ所蔵申請したらどうなのと思うかもしれないが、10年以上前の書籍を購入申請するほどの勇気もなかった。所蔵されたと通知を受けた時点で、まだそこに住んでいるのかどうかはわからないし…。

でも、ここで1つの転換点があった。僕は長岡の市立図書館の本館でいつも借りているが、印象としてはここの蔵書は全体的に古いと感じていた。できれば自分で書架を歩いて、実際に手に取って、ページをパラパラとめくって、良さそうだったら借りるというのがいつものパターンだが、それなら今勤めている大学の図書館の方が蔵書が自分の関心領域に近いので「読みたい」と思う本が多いのではないかと考え直し、大学図書館の蔵書を検索するようになった。

そこで見つけたのが本書である。長年探していた人とようやく巡り会えたような感動があった。

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