『現代メキシコを知るための70章』 [仕事の小ネタ]
現代メキシコを知るための70章【第2版】 (エリア・スタディーズ 91)
- 出版社/メーカー: 明石書店
- 発売日: 2019/01/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介【M市立図書館】
マヤやアステカという文明の故地であり、メキシコ料理を含む有形無形の豊富な世界遺産をもつメキシコは、「先進国」の1つの指標であるOECDの加盟国にして、日本の4大自動車メーカーがこぞって生産拠点を置くなど、対日ビジネスも極めて隆盛、交流の歴史も長い。明治日本が初めて両者平等の条約を結んだ相手はメキシコだった。一方で、今世紀に入ってどんどん深刻化する格差社会、悪名高い劣悪な治安に汚職の常態化、貿易(輸出)や移民における重度の対米依存、それに対するトランプ米大統領の強硬姿勢といった、先の見えない問題も山積……。心配するのはまだ早いかもしれないが、出生率の低下傾向もみられ始めているという。それでも、大多数のメキシコ国民は幸せを感じて暮らしているって、ほんとう!2018年9月、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉妥結。同年12月、中道左派ロペスオブラドール大統領が就任。世界が注目する現代メキシコの姿を、2010年代を中心に多面的に紹介する。
以前書いたが、明石書店のこのシリーズは、その国に長期滞在する渡航者の需要が根強く、それなりに長く売れる本になっている。また、基本的に共同執筆は認められてないとも聞く。同じ文字数であっても、人が違えば文章のスタイルも違う。10人以上の人が原稿を書けば、統一感を持たせるのは大変だし、記述が重複してしまうことだってある。そういった諸々の編集側の負担を考えれば、共同執筆は編集者泣かせと言えるのかもしれない。
だから、共同執筆になっている本書を見て、「おや?」と思った。共同執筆もありなのだ。メキシコぐらい大きな国を取り上げるなら、1人ですべてのテーマをくまなく書けるわけではないだろう。だからメキシコが共同執筆ならわかなくもない。でも、この編著者の国本伊代さんって、中米の他の国のエリアスタディーズでも編著者を務めておられる(パナマ、コスタリカ、ドミニカ共和国等)。これはどう理解したらいいのだろうか?きっと編著者は名誉職のようなもので、実質的に各編を仕切った実務ブレーンがいたのだろう。編著者の名前を見て購入判断をする人もいるんだろうし。
それで、今までの僕の読書歴からいって縁もゆかりもなかった「メキシコ」をなぜ取り上げたかというと、今月下旬にメキシコに行くからである。前半1週間はチアパス州で過ごし、後半5日ほどはプエブラで過ごす。メキシコ市や北部の米国との国境地帯には行かない。