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『負け逃げ』 [読書日記]

負け逃げ(新潮文庫)

負け逃げ(新潮文庫)

  • 作者: こざわたまこ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/09/21
  • メディア: Kindle版
内容紹介
逃げたい、逃げなきゃ。でも、どこへ? 野口は、この村いちばんのヤリマンだ。けれど僕は、野口とセックスしたことがない―― 大型スーパーと国道沿いのラブホが夜を照らす小さな町で、息苦しさを抱えて暮らす高校生と大人たち。もはや人生詰んでるけど、この外でならば、なんとかなる、かも、しれない。あきらめと若さが交差する、疾走感に満ちたデビュー作。
【N市立図書館】
引越し先の長岡で、ようやく公立図書館の利用者カードを作ることができた。東京の感覚でいたら閉館時刻が19時というのが早すぎて、しかも職場を出られるのが18時30分頃なので、どうしても平日の利用が難しく、なかなか図書館に行くことができなかった。なんとか時間を作ってようやく行ったら、利用者カードを作るには、市内で勤務していることを証明する勤務先の社員証ではダメで、現住所を示す書類の提示が必要だと言われた。公共料金の領収書でも、宅配便の送り状でもなんでもいいという。住民票を長岡に移していない僕には利用がしづらい図書館である。

4週連続で東京に戻っていた5月が終わり、6月の第2週から週末も長岡にとどまっている。週末にいられるようになったので、ようやくゆっくりと図書館に出かけて、利用者カードを作って本を借りることができた。まだ小説の棚がどのあたりなのか、土地勘もなかったので、誰かが返却したばかりで書架に戻されていない蔵書の中から、手頃なものを借りることにした。

今回ご紹介するのもそんな1冊である。初めての作家だが、そもそもがデビュー作らしい。プロフィール欄の好きな作家に重松清と窪美澄を挙げておられる。読んだ感想を言わせてもらえば、重松清というよりも窪美澄寄りの作風だなと思う。窪美澄はそれほど読んでいないが、主人公は若い女性で、しかもそのダークサイドの方をえぐり出すような作風で、読んでいてあまりいい印象を受けない。重松清はというと、たぶん舞台設定として地方の高校あたりを取り上げた作品は重松には多い気がするが、それほど重苦しい、S●Xが絡むような作品は重松はあまり書かないし…(例外もあるが)。



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