『ヒルは木から落ちてこない。ぼくらのヤマビル研究記』 [読書日記]
内容紹介【Kindle Unlimited】
嫌われ者の「ヤマビル」の研究に愛をもって取り組む子どもたちが常識に挑む物語。各地で増え続けているヤマビル。山だけでなく里でも被害が増えています。知らない間に血を吸う嫌われ者のヤマビル。そんなヤマビルの生態研究に挑む小中学生がいます! その名も子どもヤマビル研究会。彼らは、山でヤマビルの数を数え、ときに自らの血を吸わせて育て、そして、解剖までするのです。そんな彼らが解き明かしてきたヤマビルの生態の数々を紹介します。そして、「ヤマビルはとてもかわいいいきものです」とまで言い切る、いききとした子どもたちの感受性に驚嘆する1冊です。
海抜300メートルのCST構内で暮らしていて、何が嫌かというと、時々ヤマビルに遭遇することである。海抜2,000メートルのゲドゥに昔配属されていた協力隊員の方に話を聞くと、朝起きると頭から血が出ていたとか、職場である学校に行くと、頭髪の隙間にヤマビルを乗せた状態で来ている生徒を見かけたという。1997年頃、仕事でネパール・ポカラ近郊の山の中を歩いていて、その日の宿泊先でトレッキングシューズを脱いだらソックスが血で染まっていたとか、翌日石畳の歩道を歩いていて、石の上で上半身(?)を鎌のようにもたげて「おいでおいで」としているヤマビルを何匹も見かけて血の気が引き、急いで駆け抜けたとか、ヤマビルに関してはトラウマになるような経験もしていて、それがあるのでブータン南部に駐在することになった時も、最大の脅威といったらヤマビルだった。(それに比べたら、サソリもアリもキングコブラも全然許せる。)
今月はここまで順調に読書量を伸ばしていて、次に何を読もうかとKindle Unlimitedの書籍を物色していて、見つけたのがこの1冊だった。三重県の菰野町周辺で、毎年月1回ぐらいのペースで集まり、山にいっぱいいるヤマビルを材料に、ヤマビルの生態研究を続けているグループがあるらしい。「子どもヤマビル研究会」という。小学校の理科の先生が、「子どもが主体を発動する授業のあり方」をテーマに長年研究を重ね、2011年に設立した地域の研究会だそうだ。その後ずっとその活動記録をアメブロで公開し続けておられるようだ。
ヤマビルアレルギーを克服するには、先ずヤマビルを知らねば―――そう思った僕は、さっそくダウンロードして読んでみることにした。