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『ここに地終わり、海始まる』 [読書日記]

ここに地終わり 海始まる(上) (講談社文庫)

ここに地終わり 海始まる(上) (講談社文庫)

  • 作者: 宮本輝
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/09/28
  • メディア: Kindle版
ここに地終わり 海始まる(下) (講談社文庫)

ここに地終わり 海始まる(下) (講談社文庫)

  • 作者: 宮本輝
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/09/28
  • メディア: Kindle版
内容(「BOOK」データベースより)
【上】大西洋に突き出したポルトガルのロカ岬から、18年ものあいだ結核の療養生活を送っていた天野志穂子のもとに一枚の絵葉書が舞い込んだ。一世を風靡したコーラスグループ「サモワール」のリーダー梶井克哉の書いた言葉が、諦念に縛られていた志穂子に奇蹟をもたらす。人間の生きる力の源泉を描いた力作長編。
【下】志穂子は、親身になってくれたダテコや尾辻玄市のおかげで梶井克哉と会えたものの、絵葉書の宛名が間違っていたことを知ってしまう。しかし、人と交わる暮らしを始めたばかりの志穂子に運命のいたずらが授けた力は、思い屈するすべての人に真っ直ぐ生きる勇気を与え、自らを「恋」の奔流へと導いていく。
【Kindle Unlimited】
半年ぶりに宮本輝作品を読むことにした。偶然が重なるところがかなり多くて、気にする読者は多分気にするだろうが、そこはフィクションなんだし、多少ドラマっぽい演出があってもいいと僕は思うので、あまり気にはならない。この作品が最初に書かれたのは1991年だという。そのようなバブル経済の残影がまだ残っていた時期に、結核療養者がいたという設定にはちょっと驚かされるが、それはそういうのと縁もなく健康に過ごしていた僕のような人間が気付かなかった社会の一側面だったのだろう。

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