『進化論はいかに進化したか』 [読書日記]
内容(「BOOK」データベースより)【購入(キンドル)】
『種の起源』が出版されたのは160年前、日本では幕末のことである。ダーウィンが進化論の礎を築いたことは間違いないが、今でも通用することと、誤りとがある。それゆえ、進化論の歩みを誤解している人は意外に多い。生物進化に詳しい気鋭の古生物学者が、改めてダーウィンの説を整理し、進化論の発展を明らかにした。
「え?Sanchaiって、こんな本も読むの?」———意外感ありません?
そう、何もなければこういう本は多分読まない。実は、本書を知るきっかけとなったのは、YouTubeチャンネル『東京の本屋さん』で、「コテンラジオ」の深井龍之介さんが、「僕の”認知”が変わった本」として挙げておられた3冊の中に、本書が含まれていたからである。従って、ここに掲載する動画の該当箇所を見れば、本書で何が書かれているのか、概略はある程度は理解できてしまう。
この動画の中で、ダーウィンの『種の起源』が発表された時期というのは、万物は神が造ったという価値観が揺らぎはじめ、科学がライジングしてきた端境期だと深井氏はコメントしている。本書の著者も、あとがきにおいて、「ダーウィンは神への進行を持っていた時期と、神への信仰を失った時期の中間で『種の起源』を書いている。そのため『種の起源』は神学書のようでもあり科学書のようでもある、微妙な内容になっている」(p.348)と述べている。