SSブログ

推進機関と規制機関が同居? [ブータン]

連携不足がフラッグシップの進捗に影響
Lack of coordination among stakeholders hindering progress of Digital Drukyul Flagship Programme
Tshering Dendup記者、BBS、2022年6月15日(水)
http://www.bbs.bt/news/?p=170769
NA-1.jpg
【抄訳】
政府は第12次五カ年計画におけるフラッグシッププログラムの1つとして「Digital Drukyul」を推進してきた。このプログラムを通じて、政府は、この国をICTの力でスマートで包摂的な社会へと変容させようと目指している。しかし、2022/23会計年度の国家予算のレビュー報告の中で、経済財政委員会は、関係機関間の協力や連携の欠如がプログラムの進捗を妨げていると報告した。同委員会によると、今のところ、プログラムの遂行率は60%強だという。

Digital Drukyulへの予算配分は25億ニュルタムで、うち13億ニュルタムが5月末までに執行された。このフラッグシッププログラムには8つのプロジェクトがある。しかし、同委員会が情報技術・電気通信局(DITT)から受けた情報によると、そのうち電子患者情報システム(ePIS)と統合納税システムについては、計画期間中に終了することができなかったという。

保健省によれば、ePISのパイロット事業を来月施行するという作業を開始しておらず、現状、30%弱しか完了していないという。

一方、統合納税システムの開発は当初当初ティンプーテックパークに命じられたが、これも現在滞っている。テックパークは現在、アプリ開発のためにパートナー外国企業の専門家からの助言を求めているところだ。このプロジェクトの進捗は約40%。しかし、財務省は今年4月にこの契約を強制終了させた。プロジェクトの開発スケジュールが同省の期待にそぐわないものだったからだ。

このため、同委員会はDITTに対し、同局が中心となって、デジタルガバナンスや変容の実現というマンデートを達成するため、調整やファシリテーション、IT人材のプールと関係機関への派遣等を担うよう提言した。

しかし、出席した委員の中には、この提言に複雑な反応もある。

キンレイ・ワンチュク議員(アタン・テツォ選挙区)「これからすべてのICT関連サービスが1つの機関の下で運営されれば、サービスのデジタル化に大きな恩恵があるだろう。」

ウゲン・ツェリン議員(ランゴ・ワンチャン選挙区)「CPMSや廃棄物アプリのような多くのアプリは、開発能力や利用、競争入札を通じて開発とローンチが行われてきた。こうした創造が1つのオフィスの下に集められた場合、他のクリエイターや開発業者の機会が失われるのではないか。」

キンガ・ペンジョル委員長「この提言に至った理由は、すべての政府機関がデジタルサービスを林立させた場合、「1つの窓口で」というビジョンが損なわれるからだ。国民に関連するサービスはすべて、1つの屋根の下で利用できるものになるべきだ。」

ナムゲ・ツェリン財務相「ノード機関はDITTである。デジタル関連の政府事業は開始される前に、DITTの許可と承認を受けなければならない。もし我々がデジタル関連事業をDITTとともに行う際に、税制やePISの専門知識がなくても、ガイドラインや規制に関する専門知識は有することになる。既に連携は存在しているといえる。」

イシ・デム議員(カメッド・ルナナ選挙区)「我々がしっかり見れば、G2Cサービスの開発はうまくいっていないのは明白。それは各々の政府機関がアプリのようなデジタルサービスを無調整に作り出しているからだ、これらをまとめられる場所がない。結果的に、利用者が混乱を来す。」

カルマ・ハモ議員(モンガル選挙区)「私は専門知識に関するパートナーシップについてこの提言を支持する。しかし、開発責任や役割は関係機関に負わせるべきだと思う。各々のプロジェクトは特定の省庁や政府機関の下にあるものだから。」

こうした討論にも関わらず、多数決の結果、提言は下院で採択された。これにより、ICT関連プロジェクトは、どこの政府機関の下にあっても、DITTを通じて開発が進められることになった。

この報道、ヘッドラインだけを読んでブログでの採用を決定した。「連携不足がフラッグシッププログラムの進捗を損なった」とあるが、因果関係が逆なのでは、すなわち、「プログラムの進捗が遅れたために連携不足に陥った」のではないかと突っ込みたくなったからだ。

続きを読む


nice!(7)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感