『朝の歓び』(上下巻) [読書日記]
内容紹介【Kindle Unlimited】
【上巻】妻を亡くした良介は、会社を辞めたことを子供たちに告げないまま旅に出た。昔愛した日出子の故郷を訪ねて再会した二人は、彼女が学生時代に旅行先で出会った少年の成長を確かめるためにイタリアへと旅立つ。それは良介にとっては父親と喧嘩して出奔しローマで暮らす兄と再会するための旅でもあった……。
【下巻】ボタンのかけ違いでもう会わないと決めた良介と日出子。親友の内海から愛人が妊娠したという相談を受け、ゴルフの師と仰ぐ大垣老人からは思いがけない過去を打ち明けられる。亡き妻に似てきた娘、登校拒否の息子、そして別れた二人の思いは? 人生における朝と夜、人間の幸福について問う傑作長編小説。
久しぶりに宮本輝でも――と思い、Kindle Unlimitedで選んだのが本作品。平成4年(1992年)9月から日本経済新聞紙上で1年間連載されていたらしい。どうりで、携帯電話があまり登場しない。私室に電話を引く引かないのとか、公衆電話のシーンも良く出てくるし、留守電も多用されている。そういうところには時代を感じる。