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小規模零細企業への新規融資凍結 [ブータン]

CSI開発銀行、新規融資を凍結
National CSI Development Bank stops disbursing loans- Paro
Namgay Wangchuk記者(パロ)、BBS、2022年5月25日(水)
http://www.bbs.bt/news/?p=169770
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【抄訳】
パロにある全国小規模零細産業開発銀行(以下、CSI銀行)は新規融資の実行を一時的に凍結している。不良融資債権(NPL)比率が今年3月、総融資残高の11%を越えた。同行のNPL比率の上限は5%と定められており、王立通貨庁(RMA)は同行に対して、追って通知があるまで融資実行を止めるよう求めたという。NPLとは、返済予定日から91日以上返済が滞っている融資債権を指す。

CSI銀行のNPLの増加は、同行の財務持続性に関する懸念材料となっている。昨年12月末時点で、NPL比率は5.23%を記録し、3月末には11.04%に達した。同行は農業部門に6億3700万ニュルタムの融資を行い、同様に畜産部門には7億8000万にゅるたむ、製造業・生産部門には4億ニュルタムを貸し出した。このうち、製造業向け融資が最も高いNPL比率を示している。その比率は15%にも達する。同行の製造業・生産部門への融資は、1件当たり最大1000万ニュルタムまで。農業や畜産部門は上限50万ニュルタムとなっている。同行によれば、この製造業・生産部門向け融資枠がNPL比率の高さにつながっていると分析されている。

同行CEOによると、パンデミックが製造業・生産部門のパフォーマンスを悪化させ、融資返済を滞らせたという。しかし、パンデミックに伴う行動制限が緩和されるにつれ、延滞している返済は行われるものと見ている。新規融資実行の凍結は長引かないというのが同行の見通し。

同行は、返済の改善に向け国内各地に支店の開設を急いでいる。他行での借入金による返済も受け付けている。CSI銀行は2020年の発足以降、20億ニュルタムを越える融資を行ってきた。顧客数は6,200にも及ぶ。

この記事だけを拾うと、CSI銀行にだけ問題が生じているように思われがちだが、4月27日(金)にはクエンセルもこの件を報じており、RMAは、CSI銀行以外にも、ブータン開発銀行(BDBL)及び王立ブータン保険公社(RICBL)に対しても、新規融資の実行を凍結するよう求めている。いずれもNPL比率の高まりが理由として挙げられている(⇒こちら)。

インタビューを受けているCSI銀行の担当者が、債権回収に楽観的な見通しを示していることは少し気になる。こういう報道が出ると、「それじゃうちも」と言って返済を滞らせる債務者が続出するのではないかと。

そういえば、去年、「銀行から融資を受けられた」と言って小切手を見せてくれた僕の友人K君、先月ぐらいから極端にレスが悪くなったなぁと気になり始めた。メッセージ送っても返信も来ないし、何かあったのだろうか…。
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