『風待ちのひと』 [読書日記]
内容紹介【購入(キンドル)】
“心の風邪”で休職中の39歳のエリートサラリーマン・哲司は、亡くなった母が最後に住んでいた美しい港町、美鷲を訪れる。哲司はそこで偶然知り合った喜美子に、母親の遺品の整理を手伝ってもらうことに。疲れ果てていた哲司は、彼女の優しさや町の人たちの温かさに触れるにつれ、徐々に心を癒していく。喜美子は哲司と同い年で、かつて息子と夫を相次いで亡くしていた。癒えぬ悲しみを抱えたまま、明るく振舞う喜美子だったが、哲司と接することで、次第に自分の思いや諦めていたことに気づいていく。少しずつ距離を縮め、次第にふたりはひかれ合うが、哲司には東京に残してきた妻子がいた――。人生の休息の季節と再生へのみちのりを鮮やかに描いた、伊吹有喜デビュー作。
この1週間、ちょっとした空き時間を使って、紀伊半島絡みの動画を2本続けて見た。1本目はYouTuberスーツさんの旅行チャンネルで、紀伊半島1週の旅を取り上げておられた。この1年、スーツ旅行チャンネルは楽しく拝見している。続いて紀伊半島の「酷道」をドライブするというYouTuberの動画を見た。「日本三大酷道」の1つである国道425号線を、終点から起点まで逆にたどるという動画で、その目的地が三重県尾鷲市だった。
前回吉田修一『ミス・サンシャイン』を取り上げた後、次に何読もうかと物色していたところ、そういえば伊吹有喜さんは新作出していないのかと気になり、アマゾンで調べてみた。でも、結局は新作ではなく、見つけた未読作品は彼女のデビュー作で、しかも舞台が三重県南部だった。YouTube動画を立て続けに2本見た直後だったし、なんとなく、「これ読めよ」と言われているような気がして、それでダウンロードした。