再々読『農山村は消滅しない』 [持続可能な開発]
【JICA事務所の書棚から拝借】
5年ぶりに再読した。元々のきっかけは、昨年末に行われた岐阜県在住の有志主催のオンライン勉強会で「内発的発展論」が扱われた際、本書の著者による「交流をエネルギーとする内発的農村発展論」に言及があったからだ。勉強会では、小田切徳美先生の農村発展論を、次のようにまとめて紹介されていた。
農村への若手移住者増、女性移住者増、「半農半X型」の職業増→関係人口に注目
地域づくりの内発性、多様性、革新性→交流を内発性のエネルギーとする新しい内発的発展論→格差是正と内発的発展のバランスの重要性→「にぎやかな過疎」へ
そこで扱われた参考文献は本日ご紹介する岩波新書ではなかったのだが、小田切先生の名前が出てきた時、「そういえば、先生の著書がJICAブータン事務所の資料室の書棚に入っていたな」と思い出した。
僕は3月14日に当地で「日本の地方開発」という講義を英語で行うことになっていた。年末にJICAの所長さんから依頼されたもので、テーマだけは縛られていた。何をどうしゃべろうか考えていた時に、前述の岐阜県有志のオンライン勉強会で「内発的発展論」に久しぶりに触れ、これは取り込もうと考えた。
いずれ事務所へ行って本書も参考文献としてお借りしようと思っていたところ、1月に入って首都ロックダウンが始まり、3月下旬まで、JICA事務所には入らせてもらえなかった。当然、講義には間に合わなかったが、自分自身でもあの講義では「内発的発展論」の日本国内での展開をうまく描き切れなかったとの反省もあったので、もう少し文献読んでみようと考えた。
本書については、過去二回の読込みの際、いずれもこのブログで紹介記事を書いている。僕の頭も今よりずっと明晰だった時期の記事なので、それはそれで読みごたえがある。
(2015年8月23日):https://sanchai-documents.blog.ss-blog.jp/2015-08-23
(2017年8月27日):https://sanchai-documents.blog.ss-blog.jp/2017-08-27