ものづくりの先進機関だAMC [ブータン]
スミマセン!またやっちゃいました。4月8日のBIMSTECサミットに関する記事を、別の記事で上書きしてしまったのです。お陰でカレンダーに見事な穴が開いてしまった。2月にも同じドジを踏んで連投記録を途切れさせたことがありました。全然失敗から学んでない。
AMC、生産性向上と農業多角化に向けモデル農機を開発
AMC develops model farm machines to improve productivity and diversify agriculture
Namgay Wangchuk記者(パロ)、BBS、2022年4月11日(月)
http://www.bbs.bt/news/?p=167777
【要約】
パンデミックは予想もしなかった形で生活をひっくり返したが、この国の農業セクターを大きく成長もさせた。この勇気付けられるトレンドを裏付けるかのように、パロの農業機械センター(AMC)は、最近、生産性を向上させ骨の折れる仕事を軽減させる様々な農機具を開発した。
AMCは、通常田畑をすき返すのに使われる耕運機やトラクターを改良した。苗床を整える機具やビニール製マルチ被覆機といったアタッチメントを装着することで、耕運機やトラクターが農業多角化に大きな役割を果たすことができるようになる。
苗床整備具は、農家がベッドのように土を盛り上げるのに役立つ。その上で、ビニール製マルチ被覆機は床をビニールで覆うのに利用される。これらの器具は利用者にやさしく、全国で使われることができる。
「これらの農機具は、他の国ならトラクターや耕運機とセットになっていますが、ブータンではそうなっていません。だから、私たちはここでそれらも開発しました。こうした器具は安価で利用しやすく、農業生産により多くの人が参入してきてくれると期待されます」と、AMC所長のキンガ・ノルブ氏。
これ以外にも、AMCでは、温室ハウスの自動システムも考案。センサーが湿度やハウス内温度、灌水状況を監視する。もしセンサーが高い湿度といった異常を感知すると、携帯アプリを通じて農家に警告メッセージを伝える。このシステムはインターネット経由でクラウドに統合され、アプリを通じて温室内の節度ある状態を保ってくれる。
AMCはこうした農機具の試作品を実際の現場でテストし、成功と判断した。今後これらの農機具は商業生産に向けて農業機械公社(FMCL)に引き渡される計画。AMCはこの他に、ソバの脱穀機、種直播き機、超小型耕運機も開発。これらも有効性が実証されれば、ブータンの農業セクターの進化に大きな貢献を果たすだろう。
2023年国政選挙の足音 [ブータン]
新政党DTT、近く発足
Druk Thuendrel Tshogpa, a new party in the offing
Kelzang Choden記者、BBS、2022年4月10日(日)
http://www.bbs.bt/news/?p=167740
【抄訳】
2023年の国政選挙に、新たな政党が参入する見込み。Druk Thuendrel Tshogpaは、ブータン選挙管理委員会への政党登録の正式手続きに入っており、今月中に登録完了の見込み。
党関係者によると、擁立候補者の約90%を確定済。党設立趣意書も完成し、全県のコーディネーターも決まり、2,500人以上の選挙人の支持を取付済だという。
来年の国政選挙に向けた動きがチラホラ報じられるようになってきた。BBSでは報じられていないが、新政党DTTの党首は僕の長期滞在しているホテルのオーナーの旦那なので、政権構想についてはこれまでも耳にする機会があった。BBSが新党参入を報じた翌朝、朝食をご一緒した。ちょっと時期尚早だと思っているが、新党立上げの噂が人々の話題にも上るようになり、メディアの取材要請をかなり受けていた模様。
なお、BBSは「今月末」と報じているが、党首によると、今月後半は暦の上ではあまりよろしくない日が続くため、正式な新党発足は来月だとのこと。メディアの取材も、日が宜しくない今月後半ではなく、早めに受けたのだそうだ。物事を行うのに良い日と良くない日を暦で確認するというのはちょっと新鮮。
「クリエイティブ産業」の定義 [ブータン]
クリエイティブ産業:多すぎるレポートと乏しいインパクト
Too many studies on creative industry without impact
Tashi Dema 記者、Kuensel、2022年4月5日(火)
https://kuenselonline.com/too-many-studies-on-creative-industry-without-impact/
【要約】
情報メディア局(DoIM)は最近、あるコンサルティング会社とクリエイティブ産業ロードマップの作成に関する契約を締結。このロードマップ策定の目的はクリエイティブ産業の振興と経済多様化、所得機会の創出にあり、同産業の自給自足化も目指すとある。
しかし、クリエイティブ産業セクターの関係者は、このロードマップ策定は重複もいいところで、資源の無駄遣いだと指摘する。映画部門のロードマップについてはNational Film Commissionが現在調査実施中で、経済省も最近、クリエイティブ産業セクターに関する調査を終えたところだという。インパクトも全然残せないのに調査をやり過ぎだと指摘。
クリエイティブ産業は経済成長の促進と雇用創出に大きな潜在性を有するが、いろいろな政府機関がその潜在性を最大化しようと試みるものの、彼らの努力はいつも分断されて、縦割り状態にある。
様々な公的機関が、巨額の資金を投入して、調査を実施してきた。データに基づく政策策定は確かに必要だが、セクターの開発には包括的なアプローチも必要との指摘も。また、セクターの全体的なロードマップ策定には、これまでに行われたすべて調査研究レポートを分析・整理し、まとめることも必要だと指摘されている。
DoIMには、利用可能なデータは過去の調査実績があるものの、これらを用いてクリエイティブ産業の改善に役立てようとの動きが見られないとの指摘も。DoIMは過去に実施した調査レポートを公開すらしていないという。
一方、経済省が実施した調査は「ブータンセクター分析」と題して、昨年12月に行われたもの。世界の映画産業部門の趨勢を評価し、同部門の理解を図ることで、ブータンの映画産業部門のビジョンと戦略的方向性を明らかにすることが目的とされていた。調査では、ブータン映画のデータベースを構築し政策立案者や映画研究者、関心ある個人や国際社会が利用可能な形にまとめることも目的とされ、ブータンの映画産業の現状を理解し、ブータン経済に対する映画産業のインパクトを評価するのにも役立てられるとのこと。
一方、National Film Commissionが行っている調査は「映画産業部門公共調査報告」と呼ばれ、これも昨年12月に実施された。このレポートでは、脚本の改善やテーマの多様化、文化の創造性の改善、映画インフラの整備や映画関連サービスの改善計画の必要性が提言された。レポートでは、クリエイティブ産業部門は国内市場だけに注目するのではなく、世界中の映画視聴者やクリエイティブ消費者を惹き付けることも考えるべきだと提言し、映画部門向けのオンライン及び対面での研修やワークショップ機会の提供も求める内容となっている。
最近、僕は「クリエイティブ」という単語にちょっと敏感になっている。たびたびこのブログでも言及している、3月14日に当地で僕が行った講義のかなりの部分で、リチャード・フロリダの「クリエイティブクラス」や「クリエイティブ都市論」、さらに日本でも、ビエンナーレやトリエンナーレといった地方での芸術祭の増加を受けた「創造農村」といった考え方などを引用した。クリエイティブが、都市開発や農村開発、地域の魅力化アップの文脈で語られることが増えてきている点を強調した。
『吉田松陰』 [読書日記]
内容紹介【Kindle Unlimited】
吉田松陰は、維新史において果たしてどのように位置づけられるべきなのか、また現代においてはどうなのか――。異端のリーダー、松陰の生涯をていねいに検証し、独自の視点で「新たな人物像」を浮かび上がらせる。
4月9-10日の週末は、自分の本来業務ではないので週末を使わないとできない作業を少ししていて、何度か今までにも読んだ文献を読み直したりして時間を費やしていたのだけれど、それらをもとにしてまとめなければいけない文章を意外と早く仕上げることができたため、空いた時間は週末読書に費やすことができた。読んだのは吉田松陰モノ。Kindle Unlimitedを利用した。
なんで今さら吉田松陰なのかといえば、先日『歴史思考』でさんざん持ち上げたCOTEN RADIOの影響である。COTEN RADIOは第1回放送から遡ってポッドキャストで聴いているが、その記念すべき第1回で吉田松陰を取り上げていて、これが僕がCOTEN RADIOにドはまりするきっかけを作ったからだ。
ポッドキャストだけじゃなく、YouTubeにもアップされているので、興味がある方は是非聴いてみて欲しい。毎回この番組制作の準備段階で、株式会社コテンの深井さんやヤンヤンさんのチームは、相当な数の参考文献を読み込み、その上で数時間にも及ぶ番組収録に臨んでいる。番組を聴いて、面白いと思ったら参考文献も読んでみてくださいという意図が当然あるんだろうと思う。
吉田松陰回でも、本日ご紹介の本は参考文献としては取り上げられていない。著者が歴史小説家だからというのもあるんだろうし、表紙イメージからも想像される通り、この本はNHK大河ドラマに合わせて世に出てきた便乗商法の一種でもあった。著者が研究者ではないので、参考文献になり得ないという点はまあやむを得ない。それでも、僕のようにこんなきっかけでもないと吉田松陰という人をもうちょっと知ってみようと考えたにすぎない奴には、ちょうどいい分量の本であった。
『なめらかなお金がめぐる社会。』 [持続可能な開発]
なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。
- 作者: 家入 一真
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2017/08/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)【Kindle Unlimited】
「お金がすべて」の社会のその先に。クラウドファンディング、恩送りの社会。資本主義のアップデートが始まる。今、家入一真が伝えたい、新しいお金、経済の姿。
この本は、日本にいた頃、一度近所のコミセン図書室で借りようかどうしようか悩み、結局借りなかったという記憶がある。それを今さら読んだのは、Kindle Unlimitedで読めたからである。
ただ、先週ぐらいからだろうか、クラウドファンディングで資金調達を手伝ってあげられないかと思う案件があり、ちょうどタイミングの良い読書となった。これを読んだ後、CAMPFIRE主催の「クラウドファンディング勉強会」も出てみた。30分と短い講座の中に多くの情報を詰め込もうと、ずいぶん早口で説明されて少しついていけなかったが、外国在住者でもあってもクラウドファンディングに挑戦可能とのお話があったのには勇気づけられた。(ちなみに、資金調達を手伝ってあげたいと思っている目標額は5000ドルである。)
本書は、著者が立ち上げた日本のクラウドファンディングプラットフォーム最大手のCAMPFIREの宣伝本ともいえる。2016年にCAMPFIREの代表取締役に就任しているので、なぜ自分がクラウドファンディングを推すのか、そしてCAMPFIREで何を目指すのかが、述べられている。著者のエッセイとしても読める。
内陸国から島嶼国へ~FAB17開催地変更 [ブータン]
親愛なる友人の皆さん、
FAB17の開催地をインドネシアのバリ州に変更し、スケジュールも2022年10月12日~22日に変わりました。
ご存知のように、COVID-19のパンデミックは、世界中の多くのイベントや会議に影響を及ぼしています。私たちは、コロナウイルスに関する保健当局および政府(地方および国)からの公式ガイダンスに厳密に従っています。このパンデミックが世界中で私たち全員にもたらした不確実性のため、ファブラボ・ブータン、ファブ・ファンデーション、MITのビット&アトムセンターは、ブータンでの世界ファブラボ会議を2023年の夏まで延期することを決定しました。これは非常に困難な決断でした。苦渋の決断ですが、すべての人の健康と安全は何よりも重要です。
並行して、ファブシティ財団とMeaningful Design Group Baliは、ファブシティ・サミットの準備に取り組んでいました。私たちは力を合わせて、ファブラボとファブラボのネットワークがスクリーンを超えて集まり、バリとインドネシアのローカルエコシステムにグローバルな知識をもたらすためのユニークなイベントを開催することを決定しました。
今年の会議のタイトルは「ファブ・アイランドー第17回世界ファブラボ会議とファブシティ・サミット2022」となります。ファブ・アイランドは、グローバルなファブラボ会議とバリでのファブシティ・サミットをまとめたもので、デジタルファブリケーションがもたらす、テクノロジー、経済、社会への示唆や適用策、さらには私たちの共通の未来について考えます。今年のファブ・アイランドは過渡的なイベントであり、新しい会議形式の試行の一環で、いくつかのオンラインでの活動を対面での活動に組み合わせます。このイベントは、ファブ・ファンデーション、MITのビット&アトムセンター、Meaningful Design Group、およびファブシティ財団が主催します。将来のFABxイベントをもう1年遅らせ、2023年にFAB18(ブータン)、2024年にFAB19(メキシコ)、2025年にFAB20(チェコ共和国)を開催する予定です。詳細については、http://fabevent.org/をご覧ください。
私たちはまだ会議の計画初期段階ですが、ネットワークを作り、FABmilyを見つけ、お互いから学び、コミュニティと私たちの仕事を前進させる対話とプロジェクトに従事する機会を提供します。
今後数週間で、ファブ・アイランドのWebサイトと登録情報を公開し、最終的な日程を定義し、基調講演者を特定し、ワークショップを募集し、プログラミングをキュレートします。多くの質問があることを承知しており、可能な限り迅速に回答できるよう最善を尽くします。
だから、2022年10月12日から22日までバリで開催される私たちの全コミュニティの対面式グローバル会議であるファブ・アイランドへの参加の予定を確保しておいて下さい。
あなたとあなたの愛する人が安全で健康であることを願っています。今は非常に困難な時期であると認識しており、コミュニティへのご支援とご尽力に感謝いたします。
安全を保ち、健康を保ちましょう!
ファブ・ファンデーション、ファブシティ財団、MITビット&アトムズセンター一同
【出所】ファブ・ファンデーション メルマガ2022年3月22日
関係者の間では、すでに1月頃から噂されていたのだが、今年7月下旬にブータンで開催予定だった第17回世界ファブラボ会議(FAB17)が1年延期になった。ずっと「FAB17」と言い続けてきたが、FAB17は今年10月にインドネシアのバリ島で開催されることになったため、2023年のブータン開催は、今後「FAB18」と呼ばれることになる。
タグ:ファブラボ
再々読『農山村は消滅しない』 [持続可能な開発]
【JICA事務所の書棚から拝借】
5年ぶりに再読した。元々のきっかけは、昨年末に行われた岐阜県在住の有志主催のオンライン勉強会で「内発的発展論」が扱われた際、本書の著者による「交流をエネルギーとする内発的農村発展論」に言及があったからだ。勉強会では、小田切徳美先生の農村発展論を、次のようにまとめて紹介されていた。
農村への若手移住者増、女性移住者増、「半農半X型」の職業増→関係人口に注目
地域づくりの内発性、多様性、革新性→交流を内発性のエネルギーとする新しい内発的発展論→格差是正と内発的発展のバランスの重要性→「にぎやかな過疎」へ
そこで扱われた参考文献は本日ご紹介する岩波新書ではなかったのだが、小田切先生の名前が出てきた時、「そういえば、先生の著書がJICAブータン事務所の資料室の書棚に入っていたな」と思い出した。
僕は3月14日に当地で「日本の地方開発」という講義を英語で行うことになっていた。年末にJICAの所長さんから依頼されたもので、テーマだけは縛られていた。何をどうしゃべろうか考えていた時に、前述の岐阜県有志のオンライン勉強会で「内発的発展論」に久しぶりに触れ、これは取り込もうと考えた。
いずれ事務所へ行って本書も参考文献としてお借りしようと思っていたところ、1月に入って首都ロックダウンが始まり、3月下旬まで、JICA事務所には入らせてもらえなかった。当然、講義には間に合わなかったが、自分自身でもあの講義では「内発的発展論」の日本国内での展開をうまく描き切れなかったとの反省もあったので、もう少し文献読んでみようと考えた。
本書については、過去二回の読込みの際、いずれもこのブログで紹介記事を書いている。僕の頭も今よりずっと明晰だった時期の記事なので、それはそれで読みごたえがある。
(2015年8月23日):https://sanchai-documents.blog.ss-blog.jp/2015-08-23
(2017年8月27日):https://sanchai-documents.blog.ss-blog.jp/2017-08-27
プンツォリンに、生徒還る [ブータン]
プンツォリンの生徒と学校関係者、それぞれの学校に戻る
Relocated Phuentshogling students and staff to return to their respective schools
Sonam Penjor記者(プンツォリン)、BBS、2022年3月30日(水)
http://www.bbs.bt/news/?p=167309
【要約】
プナカに疎開していたプンツォリンの生徒と学校スタッフは、全員呼び戻される。教育省が今日付でアナウンスしたもの。一方、父兄と生徒は、この決定に複雑な心境だという。
昨年8月、3つの学校の生徒850人以上が、プナカにあるプンツォタン・スクールに疎開を余儀なくされた。教員や学校関係者70人以上がそれに同行した。プンツォリンにおけるCOVID-19の感染状況の悪化を受けた措置だった。しかし教育省は、彼らがプンツォリンの各学校に呼び戻されると発表。
ほとんどの父兄や生徒はこの決定を歓迎。子どもたちがプナカにいる間、追加的な負担を親は強いられていたからだ。また、親と離れて寄宿舎生活を過ごすことに、寂しさを訴えていた子も。
しかし、プナカで授業を続ける方がよいと思っている子もいる。寄宿舎では、成績優秀な生徒との交流もできた。しかし、プンツォリンに戻ると自宅からの通学となり、成績優秀者との交流機会が減ると懸念する。
プンツォリン市の教育部門は生徒と学校スタッフの呼び戻しに向けた準備を進めている。クラス7と8は4月4日から授業開始、クラスPPから6までは4月18日から通学可能となる。クラス9以上の生徒の通学については、現時点では未定。
3月30日に帰還ははじまっているので、今紹介するのはいささか遅いのだが、この生徒たちが僕の活動の直接的な受益者として想定されているので、やっぱり紹介しておきたい。
デリーで話し合ってくれ! [ブータン]
IELTSのティンプー会場、応募者でごった返す
Hundreds rush to register for IELTS- Thimphu
Samten Dolkar記者、BBS、2022年3月31日(木)
http://www.bbs.bt/news/?p=167336
【要約】
英語理解度テストIELTS受験登録のため、ティンプーの経営研究所(IMS)に1,500人以上が押し寄せた。登録再開は、特に就業や就学目的での外国渡航を長く待ち望んでいた若いブータン人にとっては大きな福音。IMSと王立経営研修所(RIM)は、パンデミックのため、2020年初頭からIELTS実施を凍結していた。
本日、IMSは、来月の3つの日付での受験を希望する応募者800人を登録した。応募者はほとんどが若者で、カメラの前での顔出しは拒否したが、IELTSが国内で受験できるようになってとても安堵したと語った。COVIDの期間中、ブータン人はインドまで受験に行かなければならなかった。
現在、IMSではIELTS受験のため17,500ニュルタムを徴求している。ロックダウン解除後、IMSでは先週すでに同様の試験を開催したが、その時には300人しか受験できなかった。
パンデミックの間、IELTS試験の実施は不可能だった。インドから試験官が来なければならなかったからだ。IMSはインドにあるオーストラリアの企業IDPと連携しており、IMSの役割は試験の実施にある。しかし、採点者を含めたその他すべての関係者はインドから招聘することが必要だった。そう語るのは、IMSのツェリン・ドルジ氏。
IMSは2013年からIELTSを実施している。一方、シムトカにあるRIMも、バングラデシュにあるブリティッシュカウンシルと連携して、5月末からIELTS実施を予定している。
悩ましい報道ですよね。こんな勢いでブータンから若者がいなくなるという…。
現職研修だけじゃなく、就業前研修も必要 [ブータン]
3月25日、新しいJICA 技術協力「建設分野における人材育成システム構築プロジェクト」の協議議事録が公共事業省とJICA調査団との間で取り交わされた。公共事業省道路局のFacebookページによると、プロジェクトの目的は、道路部門における若手技術者・技能者の育成にあるという。
想定されている協力期間は5年間で、日本から派遣される専門家の支援を受け、講義やOJTを通じて、ブータン人技術者や技能労働者の育成を図るのだという。この協議内容は、今後ブータン政府とJICAとの間で詳細計画が詰められ、その上で実施されるのだという。
まだ実施合意には至っていないので、開始時期がいつになるのかはわからないが、自分が派遣されているプロジェクトの経験で言えば、実施枠組み合意(R/D)にはあと3カ月程度、その後専門家技術サービスの調達手続きに入るので、2023年初頭には開始されるのではないかと思われる。