『花の降る午後』 [読書日記]
内容紹介【購入(キンドル)】
最愛の夫を癌で亡くし、神戸の老舗レストランを女手一つで切り盛りする典子。仕事は厳しく人の良いシェフ、実直で有能な支配人、懸命に働くウェイターたち――。店を継いでからの四年間を振り返ると、彼女はとても充ち足りる。そんなある日、生前の夫に買ってもらい、今は店に掛けた油絵を貸してくれという青年が現れた。彼の名は高見雅道。その〈白い家〉という絵の作者だった。一方、店を狙う魔の手が伸びてきて――。典子に訪れた恋、そして、今、闘いが始まる。異国情緒溢れる神戸を舞台に描く真摯に生きる人々の幸福物語。
決して余裕があったわけではないのだが、ちょっとした空き時間に読み進められる小説と言うことで、Kindle Unlimitedで探した宮本輝作品をダウンロードすることにした。ダラダラと1週間近くかけて読み進めたが、さすがに最後の3割程度はとっとと読み終わりたいと言う気持ちが強まり、結果睡眠時間を削ることになってしまった。
発表が1988年、バブル経済真っ只中の、しかも神戸の話である。毎月フランス料理を楽しみに訪れるマダムの集まりとか、僕にも、僕の妻にも、今の生活からはイメージがしづらく、いい時代――というか、日本にも勢いがある時代だったんだなと改めて思う。