『妄想する頭 思考する手』 [仕事の小ネタ]
出版社からのコメント【購入】
誰も考えなかった新しい技術は、ひとりの「妄想」から生まれる。「新しいことを生み出す」には、思考のフレームを意識して外したり、新しいアイデアを形にし、伝えたりするためのちょっとしたコツが必要だ。この本では、そういった思考の方法や発想のコツなどを、自分の経験を踏まえながら具体的に紹介する。
この半年の僕の大きなテーマは「アイデア出し」だった。だから、突拍子もない「無駄づくり」の藤原麻里菜さんの著書なんかもよく読んだし、「アイデアスケッチ」なんて手法についても少し勉強したりもした。川喜田二郎先生の「KJ法」をかじったのも今年の出来事だった。
そんな流れで本書も購入した。サブタイトルに「想像を超えるアイデアのつくり方」とあるくらいだから、やはりこれもアイデア出しのハウツーが述べられている。著者の肩書はソニーコンピュータサイエンス研究所副所長であり、扱われているアイデアは研究開発のフロンティアを行っているテクノロジーの話が多い。Arduinoを使って日常のちょっとした不便を解消するような民主的なものづくりの領域の話とは違い、それなりにエンジニアリング的な手法で、役に立つかどうかはわからないけれど、本人的には面白い、主体的に没頭して取り組みたいと思うような研究を突き詰めていって作られるイノベーションの領域の話が展開されている。
で、まあそういう研究開発のためのアイデア出しはそれなりに参考にはなったのだけれど、読み手の僕が今抱えている悩みに対して、「そういう見方もあるのか」と気付かせてもらったのが今回の読書での収穫だ。