SSブログ

『サイロ・エフェクト』再訪 [読書日記]

サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠 (文春文庫)

サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠 (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/05/09
  • メディア: Kindle版
内容(「BOOK」データベースより)
専門的な技術を扱う部署が、周囲に壁を作り「サイロ」と化す。企業全体の衰退を招く危険な罠、それは、社会が高度になるほど、深く大きくなる。先端企業ソニー、大都市ニューヨーク―人の作るあらゆる組織に付き物の罠からの脱出法はあるのか?文化人類学者の顔を持つジャーナリストが解決法を探る!

5年前に初読で紹介した本だが、その時にブログ記事で書いたことを、今改めて噛みしめている。

この記事を書いた時とはまったく文脈が異なるのだが、ここ数カ月ずっと感じ続けてきたある組織のサイロ問題で、今週、僕はある決断をした。組織の中でそれをやろうと考えていたが、いっそのこと組織を飛び出して起業しちゃった方が早いのではないかと考えてしまった。やろうとしていた事業は、複数の部署にまたがるものだった。でも、採用されたものの実装段階になった時に主管になる部署が必要だと言われ、袋小路に迷い込んだ。僕も遠隔地から調整するのにストレスを感じていて、それよりも目の前の仕事に専念しようと思うようになった。

断念することを決断して、スッキリしたものの、一方で根強い敗北感も味わっている。自分がもっとシャカリキになって働いて、部長やその上の役員のクラスにまで昇進していたら、上からリーダーシップを発揮して―――というのか単に上からの「ツルの一声」を発してというのか―――部署横断的な事業に仕立てられたのかもしれない。そうすると、僕のキャリアや働き方選択自体の誤り、あるいはそこまでの能力のなさという現実を突きつけられた感じもする。

もっとも、そんな選択をしていたら、今取り組んでいるテーマにも出会ってなかっただろうし、仮に出会っていたとしても、他のことに忙しすぎて、ろくな深掘りもせずサラッと通り過ぎていた可能性が高いが。

あまり事情を詳述する気にも、気持ちを吐露する気にもなれないので、本日はこれくらいにしておきたいが、最後にもう一度だけ。

多くの部署にまたがっていろいろなことができる可能性を秘めた事業を、部署の壁でフイにしてしまうのは非常にもったいない。トップに立たないと部署横断的なイニシアチブが実現できないというのは悲しい。

nice!(6)  コメント(0) 
共通テーマ: